本日 (4/23) ハンガリーでは、ハンガリー国立銀行、定例政策決定会合が開催される。 

これも Bloomberg社の聞き取り調査であるが、エコノミスト 21名のうち 19名が

現行 + 8.0 % の政策金利据え置きを唱えており、残り 3名が利下げ予測。 

うち 2名が 25 bp の金利引き下げを見込んでおり、残り 1名が 50 bpの金融緩和で、

政策金利は 7.5 % へと引き下がると予測している。

先週水曜日 (4/17)アダメクツ・ポーランド中銀副総裁は、「当面のリスクは軽減された

ものの、まだインフレはピークを打っていない。 また賃金動向を精査中である。」と

コメント。 ハンガリーのインフレ上昇はほぼピークを迎えたと示唆したものの、下落に

転じたという兆候を見極めるまで今しばらくの時間が必要であるとの意見を述べている

(アダメクツ副総裁、およびビハリ理事)

当局ではハンガリーのインフレ・ピークは第 2四半期と見ており、3 CPI

+ 9.0 % (YY) 4月は+ 8.8 % 前後としている。 ただ賃金上昇率が流動的で、

ボーナスと増税を加味したことで 2月の賃金上昇は + 10.6 % 1月は + 12.3 %

2ヶ月連続の2桁上昇を示しているため、中銀当局としてもコスト・プッシュ・インフレと

消費支出増を招くこの数値の沈静化を確認したいところ。

                                 - to be continued -



上から ↓


ただ金融市場では、本日の政策決定会合で金利が据え置かれたとしても、中銀による

次の一手は金融緩和を読んでいることもあり、楽観的な考えが大半を占め早ければ

今年 5 もしくは6月に第一回目の利下げ実施を予測。 また今年全体で

1.0 % 1.25 % の金融緩和措置が採られるとする意見が多い。

  

来るべき利下げを反映していることもあり、ハンガリー債券市場は 3月初旬から金利が

連続低下。 3 1日に 7.8 % の利回りであった 3年国債は、昨日 7.01 %

80 bp も買われており、 10年国債も 6.95 % から 6.60 % へと 30 bp 下落。

また最近のフォリントのは対ドル・ユーロとも目覚しい躍進を遂げており、円高となれば

売りが出るものの最近続く円安の影響もあるのか、ずっと買い進まれている。 とくに

自国通貨コルナの異常な強さから、3 22日にスロバキア中銀が売り介入を実施したが、

同一東欧通貨であるハンガリー・フォリントにも金融市場は注目。 

この介入がフォリント高のきっかけを与えたような形跡も伺える。

 

金曜日のハンガリー金融市場は終日しっかり。 フォリント高の影響もあり、 3年債は 7 bp

10年国債は 3 bpの利回り低下と、本日の政策決定会合を前に大きく買われて引けている。

  ル/対  

118.80

+ 0.35

02年国債

7.01 %

- 7.0 bp

フォリント/対  

0.658

+ 0.03

10年国債

6.60 %

- 3.0 bp

フォリント/対米ドル

HUF 180.60

+ 0.150

原油価格

$ 64.11

$ + 0.79

フォリント/対ユーロ

HUF 245.55

+ 0.700

 価格

$ 695.80

$ + 7.50


増税による影響から第 2四半期のハンガリー CPI は、2桁に届くと予測されて

いるが、昨日アダメクツ・ハンガリー中銀副総裁は、「ハンガリーのインフレにはまだ

不透明感が残っているものの、当面の大きなリスクは拭い去られたようだ」と、同国

経済に対するリスク・プレミアムが徐々に軽減の方向に向かっていることを表明した。

ハンガリー政府は対 GDP 10 % となった同国財政赤字削減のために、昨年

立て続けに実施した増税や医療費補助削減などで 同国CPI が大幅上昇。 

同時に同国中銀は政策金利を段階的に 6.0 % から 8.0 % へと引き上げ、

インフレ防止に対処した。 

いまだインフレ低下の兆候は見えないものの、当面の課題であった、一層の

インフレ上昇に目処がついたようで、タカ派で知られるアダメクツ副総裁のコメントにも、

やや明るい兆しが見え始めたことを含んだコメントとなって現れたようだ。

また同副総裁は、「フォリントの推移に関して何も言うことはない (問題点はない)

また金融市場の信頼を維持するために、インフレ・ターゲットの目標達成に、中銀と

しての使命を果たすとともに、国内のリスク要因の低減、金融当局としてハンガリーの

ファンダメンタルズ改善に努めたい」と語っている。

さらに政策金利引き下げ見通しが徐々に増え始めていることに関し、「 CPI

明らかに低下局面に入った兆しが見えれば金融緩和措置となろうが、未だ CPI

高水準であり、増税の影響から賃金上昇圧力の動向も精査しなければならない」とし、

ここしばらく現金利水準を維持する方向の意思表示をしている。

市場では同国インフレが今年第 2四半期ピークを迎えると予測しており、利下げ

実施に入るのは、夏場前後からとする見通しが多い。

昨年秋から今年にかけて第一段階の増税、社会福祉の支出削減、公共電気・ガス

料金の引き上げが一巡し、年初からハンガリー金融市場は非常に安定的な推移を

遂げている。

年初こそフォリントはやや売られたものの、対ユーロで 259フォリントであったのが、

昨日引けは 245.60.国内金利も順調に低下し、3年債は今年の最高レート 8.00 % から、

昨日は 7.06 % 94 bp もの低下。また 10年国債も 7.10 % から昨日は 6.65 %

へと、45 bp の金利低下。

株式市場も含め、安定的な動きが続いている。



先週金曜日に発表になった第 4四半期経常収支、

 

    

四半期比

2006

四半期

2005

Q-4

経常収支 (Euro)

1.12 Bil

5.20 Bil

Q-3

1.16 Bil

6.09 Bil

市場予測であった  1.33 Bil を下回る 5年ぶりの低い赤字幅になった。 これは

昨年同国財政赤字が対 GDP + 10.0 % と大幅に上昇し、これを解消するために

増税策を実施。 その反動でのCPI上昇を防止するため、ハンガリー中銀は政策

金利を 8.0 % まで引き上げたことで、非居住者による資本投資が増加。 さらに

欧州の経済回復による輸出も増えてきたことが寄与し、市場予測以下の経常赤字と

なった模様。

ハンガリー中銀は今後も同国経常赤字の低下を予測。 2005 - 2.9 Bil、 

2006 – 1.96 Bil 2007 - 1.1 Bilそして2008 – 0.5 Bilと今後も順調な

赤字幅低減を取っていくだろうとコメントしている。

なお今年の同国経常赤字は対 GDP 比で + 4.8 % (2006 + 5.8 %) と見られて

いるが、今年のGDP + 2.0 %、来年 + 3.5 % として試算したものである。 ただ

国内高金利と増税の影響で GDPがそれを下回る可能性も残っているので注意が必要。

上記第 4四半期経常赤字は先週金曜日に公表されたが、発表後これを好感する

フォリント買いが続き、昨日もその余韻を残し終日底堅い動きに終始。

為替高を背景に国内債も横ばいながらしっかりとした基調で引けている。


東欧諸国通貨は総じて軟調。 まず自国通貨 コルナ高防衛を背景に、昨日スロバキアが

政策金利を約2年ぶりに 25 bp 引き下げ 4.5 % へと誘導したこと。

さらに一昨日、シモール・ハンガリー中銀総裁が、「フォリントのトレーディング・バンド撤廃は

当面考えていない」と述べたことなどで全体的な利益確定売りが続き、東欧通貨全体に

軟調推移。

またハンガリーでは同シモール総裁が、「 3月の CPI 2月から 0.2 % 程度上昇し、

年率9.0 % になりそうだ」とし、また「ハンガリーのユーロ導入は、20112013年頃に

なりそうだ」述べ、依然財政赤字削減問題が遅延傾向にあることを示唆したこともフォリント

売りを誘うこととなった。

ハンガリー債券市場は、フォリント安から来る断続的な売りに見舞われ、イールド・カーブ

全体に軟調。 前日比 2.0 3.0 bp 利回り上昇している。

なおハンガリーではソーヨム大統領が、今年2月に任期満了で退任した、スザッパリー・

ハンガリー中銀副総裁の後任として、カルバリツ氏を副総裁に任命した。

カルバリツ副総裁 (Laszlo Karvalits ) は、1996年にハンガリー国立銀行に入行した後、

各部署を経験。 その後東欧国際銀行やハンガリー FHB土地信用・抵当銀行会長を歴任後、

再びハンガリー国立銀行副総裁として昨日から復帰している。

同氏はハンガリー国立銀行において、今後政策決定メンバーの一人として任務を請け負うこと

のみならず、金融政策、調査、経済統計、および市場オペレーション部門の統括を担うと

されている。

  ル/対  

117.95

- 0.20

02年国債

7.32 %

+ 2.0 bp

フォリント/対  

0.634

- 0.002

10年国債

6.70 %

+ 3.0 bp

フォリント/対米ドル

HUF 185.95

- 0.090

原油価格

$ 62.93

$ + 0.02

フォリント/対ユーロ

HUF 248.40

- 0.650

 価格

$ 668.80

$ - 1.40



週明け 26日のハンガリー金融市場は、ハンガリー国立銀行 金融政策決定会合が開催

された。 討議結果は市場の予測どおり政策変更はなく、2週間のレポ・レートである政策

金利を 5ヶ月連続 8.0 % に据え置いた。 

また就任後初の理事会出席となったシモール・ハンガリー中銀総裁は、会合後の記者会見で

次のような見解を述べている。

最近ハンガリー・フォリントのコントロール・バンドが撤廃になるのではないかとの憶測が飛び交い

18ヶ月ぶりのフォリント高となっているが、ハンガリーのファンダメンタルズに沿った動きではなく、

投機的な資金が流入していると考える。 ここ暫く政府とも協議したが、3.0 % の中期的インフレ・

ターゲットを達成するために このバンドを撤廃することはない。

またハンガリー中銀は現在フォリントをバンドの上限に保つよう手段を講じているが、同時に

上限バンドを超えないように監視を続けたい。

現在ハンガリー経済にインフレ圧力は芽生えておらず、コア・インフレは低下している。 2008

下期にCPI は中銀ターゲットである + 3.0 % に近づいてくるであろう。

ただ生産性が鈍化傾向の中、いくつかのセクターで限度を超えた賃金上昇圧力 (1 + 7.1 %)

芽生え始めている。 また国内企業経済活動は当初見通しよりも遅いと思われる。 仮に将来

賃金問題が沈静化するのであれば、利下げが視野に入ってくるかもしれない。

と述べ、ハンガリー当局に通貨コントロール・バンド撤廃の意思がないとし、金利大幅上昇により

国内経済成長スピードが鈍化。 さらにこれ以上インフレが進まないよう賃上げに対し警告を

与えた。

市場では初の公式コメントとなったシモール総裁に関し 概ね好感を持って受け入れたが、

その考え方はハト派に属するとの印象を与えたようだ。

一方ハンガリー中銀 次期副総裁候補であるカルバリツ氏 (Ferenc Karvaltis) は、「国内

金利上昇の影響でフォリント高となっているが、当局は目先の為替の動きに振り回される

必要はない。 また高金利が国内企業活動の妨げになってはいるが、同時に財政赤字

削減も進んでいるため、将来利下げの期待が持てる」とコメント。 さらに 「中銀は国内

物価安定の達成に集中すべきであり、政治的な討議は避けなければならない」と述べ、

ハンガリー中銀の完全独立を議会で唱えた。

外為市場ではシモール総裁のバンド撤廃の意思が無いことを確認したことで、会見後から

フォリントに対し利益確定売りが続き 対ユーロで下落し、安値引け。 債券市場は、ほぼ

横ばいで終了している。

  ル/対  

118.15

+ 0.05

02年国債

7.30 %

- 0.3 bp

フォリント/対  

0.636

+ 0.001

10年国債

6.67 %

- 0.1 bp

フォリント/対米ドル

HUF 185.85

- 0.250

原油価格

$ 62.91

$ + 0.63

フォリント/対ユーロ

HUF 247.75

- 1.200

 価格

$ 663.90

$ + 6.60



先週金曜日、3 16日午後遅く スロバキア国立銀行は、自国通貨であるコルナを

対ユーロで8.5 % 切り上げたが、その影響で一層のコルナ買いへと波及。 今週月曜日

同中銀は為替市場に対して警告を出したもののトレンドは変わらず。

パリティから30 % のレンジ内取引で制御されているハンガリー・フォリントも近々そのバンドが

取り払われるのではとの思惑から、東欧各国通貨全般に大きくジャンプ・アップした。

一向に変わらぬトレンドにしびれを切らしたスロバキア国立銀行は 20 ()についにコルナ

売り・ユーロ買いの為替介入を実施。 さらに同中央銀行は、「コルナは強すぎる。いずれに

しても過大評価され過ぎている」 との声明を発表。 この操作による効果が出たこともあり、

月曜日対ユーロで 3.3 % 上昇していたコルナは火曜日には 1.9 % 下落。 対ユーロで

高値 32.69コルナから 33.40コルナまで戻し、昨日水曜日は 1ユーロ 33.40 コルナを

挟んで横ばい。 ようやく小康状況に入って来たようだ。 

< EURSKK > < CRECY > < GO > < GIP >

ハンガリー・フォリントもコルナの動きを横目に対ユーロでじり安。 月曜日対ユーロで 245.00

ブレークした後 徐々に利益確定売りに押され昨日は安値 248.00 まで売り進まれたが、

米国 FOMC で金利が据え置かれたこと。 今後の利上げに言及されていなかったことから

対ドルで強まり、結果対ユーロでも買戻しが入り、 1ユーロ245.70  ほぼ高値で引けている。 

ポーランド・ズロチもフォリントの動きとほぼ同じ。 米国午後に一段買われ、1ユーロ 3.8630

ズロチの高値で引けを迎えた。

スロバキア・コルナ切り上げから連想されるハンガリー・フォリントの上下バンド撤廃に関し、

ハンガリー財務省は、「現在バンド撤廃の強い討議は全くなされていない。 またハンガリー

国立銀行内でもインフレ抑制の観点から、1ユーロ 282.36 フォリントのパリティから上下

15 % ( 240.01 324.71 )、合計 30 % の取引バンドを当面変更するつもりはない」 との

声明が出されている。

一方金融市場の動向であるが、まずはポーランド。 金曜日の 2 CPI の発表、および

来週 28 () にポーランド国立銀行・政策決定会合の開催を控えていることもあり、

様子見のスタンスが強い。 今週に入ってからフィラー・ポーランド中銀理事が、「ポーランド

中銀は 同国インフレが中銀ターゲットで+ 2.5 % を超えないようにするため、3,4ヶ月の

インターバルで 2,3回の小幅利上げが必要であろう」とコメント。

さらにウォジティナ中銀理事も、「景気の成長に目覚しいものがあり、先月よりも力強い。 

今年上半期利上げの必要性がでてくるであろうが、現在それを見極めるために様子見

する余地もある。 ただ今年下半期インフレが加速した場合手遅れとなる可能性があり、

上半期の利上げで対処が必要だ」と、新聞インタビューで述べている。

2 ポーランドの CPI 1月の + 1.6 % から + 1.9 % へと上昇した経緯もあり、

インフレを警戒する声が徐々に増え始めているものの、まだ中銀ターゲットである

+ 2.5 % を下回っていることもあり、当局は今回の理事会も金利据え置きを取るとの

観測が多い。 因みにロイター社の聞き取り調査では、19名のエコノミストのうち 10名が

今年 5月まで、また 7名が 4月までに利上げを見込んでおり、残り 2名が来週の

理事会での利上げを予測している。

                                          - to be continued -



上から ↓


昨日のポーランド債券市場では 5年国債の入札が実施された。

ポーランド国債落札結果

平均利回り

応札額 (Bil)

落札額 (Bil)

倍 率

5年債

0511

4.75%

04-25-2012

4.967 %

4.979 Bil

1.8 Bil

2.77

最終利回りが 5.0 % をかなり下回ったこと。 ズロチが軟調推移となったことなどもあり、

落札倍率は2.77倍と、前回2 21日の同銘柄入札倍率 3.47倍を下回ったものの、

昨年夏頃からポーランドの国力回復が見直されていることもあり、平均以上の落札倍率は

確保されたと思われる。

昨日のポーランドおよびハンガリー債券市場は、為替市場の混乱がようやく小康状態となり

断続的な利益確定売りに押されたものの底固い面も見受けられ、イールド・カーブ全体に

やや弱含み 横ばいで引けている。

なおハンガリー国立銀行 政策決定会合は 3 26 ()。 こちらも現行 8.0 % の政策

金利据え置き予測が大勢を占めている。


  ル/対  

117.65

+ 0.85

02年国債

7.36 %

- 1.0 bp

フォリント/対  

0.640

+ 0.006

10年国債

6.69 %

+ 3.0 bp

フォリント/対米ドル

HUF 183.60

+ 1.600

原油価格

$ 59.61

$ + 0.36

フォリント/対ユーロ

HUF 245.75

+ 0.800

 価格

$ 660.00

$ + 1.00



先週木曜日からハンガリーは革命記念日祝日が 2日間続き、実質4日間の長期連休。

焦点のぼけた 一週間の始まりになると思いきや、朝から大活況の市場展開となった。

きっかけを作ったのがスロバキア・コルナ。 2006年の GDP 8.6 %、今年はそれをも

凌ぐ経済成長が見込まれているスロバキア共和国は先週金曜日の午後遅く、

為替相場メカニズム (ERM-2) 内での対ユーロのパリティを 8.5 % 切り上げ、1ユーロ

38.455 から35.4424 コルナ」 にすることを発表。 

通貨統合各国と欧州中央銀行の承認を得て自国通貨コルナを切り上げた。

スロバキアは 2009年のユーロ導入をめざし2005 11月に ERM-2 為替メカニズムに

参加。上下15 % の変動幅内においてコルナを調整することになったが、最近の目覚しい

経済回復にコルナはジリジリと上昇。 通貨統合の条件である2年間の自国通貨バンド内

維持が、困難な水域に差し掛かり始め、最近ではパリティから 11 % 上昇。 

この修正のために、8.5 % もの大幅切り上げを実施した。

かってユーロ導入に際しアイルランドやギリシャも自国通貨を切り上げ、バンド内維持を

図ったことがあるが、スロバキアの切り上げ率よりも小さいものであった。 現在 ERM-2

為替メカニズムには、エストニア、ラトビアおよびリツアニアが加盟し自国通貨の維持を

制御している。

昨日のスロバキア・コルナは切り上げのニュースを受けて対ユーロで急騰。 スロバキア

中銀が 「コルナは高すぎる」との声明を出したため買いは薄らいだものの、対ユーロで

3.0 % 上昇した。

この影響を最も受けたのが、ハンガリー・フォリント。 ハンガリーは ERM-2と似たように

対ユーロで 上下30 % のバンド内維持を自国でコントロールしているが、約 2週間前から

ハンガリー・フォリントの上下枠を撤廃する噂が流れている。 シモール・ハンガリー新中銀

総裁はこのフォリント・バンド撤廃に関しコメントを拒否しているが、ヤライ前総裁の頃から、

「輸入インフレ防止の観点から見ると撤廃のほうが望ましのではないか」との議論が

ハンガリー国立銀行内で再三話し合われているようだ。

「次はフォリントのバンド枠撤廃」 との思惑から昨日フォリントも急騰し、一時対ユーロで

2.5 % もの上昇。30 % の上限バンド手前 2.0 % まで買い進まれている。

またハンガリーのユーロ導入に関し コカ経済相は昨日、「経済・財政・プログラム維持・

一般市民の賛同など、解決しなければならない問題がたくさんある。 

通貨統合は 2011年~2013年になろう」と講演会で述べている。


                                   - to be continued -




上から ↓


昨日のハンガリー金融市場では、経済指標が 2件発表になっている。


  

    

前年比

前年比

2006

   出 (YY)

- 1.4 %

2005

+ 16.1 %

2

Consumer Confidence

- 53.7

1

- 53.8

2

Economic Sentiment

- 18.2

1

- 17.3

 


まず 建設支出は、2005年にブダペスト市に大規模橋梁などの公共投資が終了し、2006年は

金利上昇などの影響もあり、マイナスに転じている。

また 2月の経済信頼感指数は – 18.2 と悪化。昨年 8月以来の低数値となっており、相次ぐ

増税、財政支出削減、薬価の大幅引き上げなどが個人化処分所得を直撃し、高金利も

ハンガリーの経済先行きに不透明感を残した数値として現れている。

                                           - to be continued -