先週金曜日、3月 16日午後遅く スロバキア国立銀行は、自国通貨であるコルナを
対ユーロで8.5 % 切り上げたが、その影響で一層のコルナ買いへと波及。 今週月曜日
同中銀は為替市場に対して警告を出したもののトレンドは変わらず。
パリティから30 % のレンジ内取引で制御されているハンガリー・フォリントも近々そのバンドが
取り払われるのではとの思惑から、東欧各国通貨全般に大きくジャンプ・アップした。
一向に変わらぬトレンドにしびれを切らしたスロバキア国立銀行は 20日 (火)についにコルナ
売り・ユーロ買いの為替介入を実施。 さらに同中央銀行は、「コルナは強すぎる。いずれに
しても過大評価され過ぎている」 との声明を発表。 この操作による効果が出たこともあり、
月曜日対ユーロで 3.3 % 上昇していたコルナは火曜日には 1.9 % 下落。 対ユーロで
高値 32.69コルナから 33.40コルナまで戻し、昨日水曜日は 1ユーロ 33.40 コルナを
挟んで横ばい。 ようやく小康状況に入って来たようだ。
< EURSKK > < CRECY > < GO > < GIP >
ハンガリー・フォリントもコルナの動きを横目に対ユーロでじり安。 月曜日対ユーロで 245.00を
ブレークした後 徐々に利益確定売りに押され昨日は安値 248.00 まで売り進まれたが、
米国 FOMC で金利が据え置かれたこと。 今後の利上げに言及されていなかったことから
対ドルで強まり、結果対ユーロでも買戻しが入り、 1ユーロ245.70 と ほぼ高値で引けている。
ポーランド・ズロチもフォリントの動きとほぼ同じ。 米国午後に一段買われ、1ユーロ 3.8630
ズロチの高値で引けを迎えた。
スロバキア・コルナ切り上げから連想されるハンガリー・フォリントの上下バンド撤廃に関し、
ハンガリー財務省は、「現在バンド撤廃の強い討議は全くなされていない。 またハンガリー
国立銀行内でもインフレ抑制の観点から、1ユーロ 282.36 フォリントのパリティから上下
15 % ( 240.01 ~ 324.71 )、合計 30 % の取引バンドを当面変更するつもりはない」 との
声明が出されている。
一方金融市場の動向であるが、まずはポーランド。 金曜日の 2月 CPI の発表、および
来週 28日 (水) にポーランド国立銀行・政策決定会合の開催を控えていることもあり、
様子見のスタンスが強い。 今週に入ってからフィラー・ポーランド中銀理事が、「ポーランド
中銀は 同国インフレが中銀ターゲットで+ 2.5 % を超えないようにするため、3,4ヶ月の
インターバルで 2,3回の小幅利上げが必要であろう」とコメント。
さらにウォジティナ中銀理事も、「景気の成長に目覚しいものがあり、先月よりも力強い。
今年上半期利上げの必要性がでてくるであろうが、現在それを見極めるために様子見
する余地もある。 ただ今年下半期インフレが加速した場合手遅れとなる可能性があり、
上半期の利上げで対処が必要だ」と、新聞インタビューで述べている。
2月 ポーランドの CPI は 1月の + 1.6 % から + 1.9 % へと上昇した経緯もあり、
インフレを警戒する声が徐々に増え始めているものの、まだ中銀ターゲットである
+ 2.5 % を下回っていることもあり、当局は今回の理事会も金利据え置きを取るとの
観測が多い。 因みにロイター社の聞き取り調査では、19名のエコノミストのうち 10名が
今年 5月まで、また 7名が 4月までに利上げを見込んでおり、残り 2名が来週の
理事会での利上げを予測している。
- to be continued -