増税による影響から第 2四半期のハンガリー CPI は、2桁に届くと予測されて

いるが、昨日アダメクツ・ハンガリー中銀副総裁は、「ハンガリーのインフレにはまだ

不透明感が残っているものの、当面の大きなリスクは拭い去られたようだ」と、同国

経済に対するリスク・プレミアムが徐々に軽減の方向に向かっていることを表明した。

ハンガリー政府は対 GDP 10 % となった同国財政赤字削減のために、昨年

立て続けに実施した増税や医療費補助削減などで 同国CPI が大幅上昇。 

同時に同国中銀は政策金利を段階的に 6.0 % から 8.0 % へと引き上げ、

インフレ防止に対処した。 

いまだインフレ低下の兆候は見えないものの、当面の課題であった、一層の

インフレ上昇に目処がついたようで、タカ派で知られるアダメクツ副総裁のコメントにも、

やや明るい兆しが見え始めたことを含んだコメントとなって現れたようだ。

また同副総裁は、「フォリントの推移に関して何も言うことはない (問題点はない)

また金融市場の信頼を維持するために、インフレ・ターゲットの目標達成に、中銀と

しての使命を果たすとともに、国内のリスク要因の低減、金融当局としてハンガリーの

ファンダメンタルズ改善に努めたい」と語っている。

さらに政策金利引き下げ見通しが徐々に増え始めていることに関し、「 CPI

明らかに低下局面に入った兆しが見えれば金融緩和措置となろうが、未だ CPI

高水準であり、増税の影響から賃金上昇圧力の動向も精査しなければならない」とし、

ここしばらく現金利水準を維持する方向の意思表示をしている。

市場では同国インフレが今年第 2四半期ピークを迎えると予測しており、利下げ

実施に入るのは、夏場前後からとする見通しが多い。

昨年秋から今年にかけて第一段階の増税、社会福祉の支出削減、公共電気・ガス

料金の引き上げが一巡し、年初からハンガリー金融市場は非常に安定的な推移を

遂げている。

年初こそフォリントはやや売られたものの、対ユーロで 259フォリントであったのが、

昨日引けは 245.60.国内金利も順調に低下し、3年債は今年の最高レート 8.00 % から、

昨日は 7.06 % 94 bp もの低下。また 10年国債も 7.10 % から昨日は 6.65 %

へと、45 bp の金利低下。

株式市場も含め、安定的な動きが続いている。