(株)ヒューマン・エッジ代表取締役社長・斧出吉隆のブログ -4ページ目

効果的なコーチングダイアログについて(4)

先週はPushスタイルについて少し触れましたが、Pushスタイルというのは、どちらかというと、指示的な表現を用いるということです。

(株)ヒューマン・エッジ代表取締役社長・斧出吉隆のブログ-PULLとPUSH

ただ、この指示的というのも、相手のレベルに合わせて、非常に強い支持的な会話から、少しずつ相手の意見を反映させるような会話のレベルに変わってゆきます。例えば、「意欲先行タイプ」の人たちには、指示的ではあるが、同時に、自分自身で解決法を考えさせるという会話も必要になります。

そして、左端のPullになると、「コーチングマトリックス」の「スキル先行タイプ」や「自律タイプ」の人たちに対するコーチングに移ってゆきます。つまり、経験も知識も十分にあるので、できる限り「本人に考えさせる機会を提供し、自分自身のコミットメントを構築する」というアプローチに変えてゆく必要があります。

だからこそ、コーチは普段からコーチイの行動をよく観察しておく必要があるのです。

以下に非常にPush的なアプローチからPull的なアプローチに移ってゆく会話を紹介します。

(株)ヒューマン・エッジ代表取締役社長・斧出吉隆のブログ-PULL

少ずつですが、トーンが変わってきているのに気づいていただけましたか?

効果的なコーチングダイアログについて(3)

東北関東大震災から2週間がたとうとしていますが、時間がたつにつれて地震の被害が甚大なものであったことが明らかになってきています。改めて、今回の地震で被害に遭われた方々に心よりお見舞いを申し上げます。

さて、先週はGROWモデルの「Goal」と現状、「Reality(現状)」の話をしました。Goalのあるべき姿を明確にするためには、コーチがコーチイにどうなって欲しいのかを明確にすることが必要ですし、そのためにはコーチはコーチイの普段の行動を良く観察しておく必要があります。

時にはコーチイ自ら、「実は~の件でどうしてもうまくいかないので相談に乗って欲しい」といわれることもあるでしょう。こういった場合にも、コーチイにとっての現状と目指すべき姿とはどういった状態であるのか?を聞き出すことは大変重要です。そしてこういったケースで良くあるのが、「問題が実はコーチイの行動にある場合が多くあります」。このときに普段のコーチイの行動を良く観察していないと適切な質問ができないために、せっかくの改善の機会を取り逃がすことになってしまします。

あるべき姿を明確にしたら、どうやって、そのあるべき姿に近づけるのかを導き出さなければなりません。この部分の話し合いがGROWモデルのOptionになります。要は様々なアプローチの中からベストなものを選ぶという戦略的な作業です。このOptionを探り出す話し合いで注意しないといけないのは、以前ご紹介した「コーチングマトリックス」の4つの事象の中で、コーチイがどこにいるのかという点です。なぜならば、コーチイのレベルに合わせて、コーチングのスタイルをPushに重きを置くのか、それとも徹底してPullのスタイルを用いるのかを決めなければならないからです。

右端にPushがあり、左端にPULLがあります。PUSHとしての傾向が最も強いケースとしては「~をこういうやり方でやりなさい」とか、「~したらできるのにどうしてやらないの」とかいったような会話です。どちらかというとコーチイのスキルがまだ未熟な時に「成功体験をうまく積ませよう」といった場合には有効なスタイルといえるでしょう。

効果的なコーチングダイアログについて(2)

まず、東北関東大震災でお亡くなりになった方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。先週の時点で連絡の取れていなかった福島の方々とは連絡が取れてご無事で折られることが確認できました。

このブログを先週書いていたときには、被害の全貌が明らかになっていなかったのですが、10日たって、福島の原子力発電所の問題や、各地の被害が明らかになるにつれて、今回の地震がいかに未曾有のものであったのかがわかります。甚大な被害をうけられた北関東、そして東北の皆様が1日でも早くお元気になられることを心よりお祈り申し上げます。

それではGROWモデルに戻ります。

コーチングダイアログをおこなう際には、常に「話をどこに持ってゆけばよいのか」つまり、Goalを明確にしておかなければなりません。同時に現状はどうなのか?Goalと現状のGAPを明らかにしておかなければなりません。この現状とGoalを明確にするためには、普段からコーチイの行動をしっかりと観察しておかなければなりません。コーチングダイアログというと何か特別な出来事がない限りは必要がないと思われるかもしれませんが、実際には日常のちょっとしたことでもコーチングの対照となります。

例えば普段は明るく前向きで、いつも積極的な行動をとっている人なのに、昨日あたりから少し無口になった感じで、何となく仕事にも集中できていないようだとします。コーチとしては何となく様子がおかしいなと感じています。この場合のGoalは普段の明るい前向きな姿勢ですし、現状はというと、当然無口になって、集中できていないように感じていることです。

このようにコーチングをおこなう人にとって、現状とゴールのGAPというのは何か特別に改善したいことがあるといった大げさなことではなくて、普段から観察していることから、「アレ?なんか上手く行ってないのかな?」「仕事の成果に影響が出ているな」と感じたときにはいつでも必要なのです。

先ほどの例でいくと、実はコーチイの子供さんが、子供特有の重大な病気にかかってしまって気がきでないことが原因だったのです。この場合本人と話し合って、1週間の休暇をとること、そして抱えていた重要な仕事を他のメンバーに割り振ることで合意をしたわけです。1週間たって、お子さんの病気も回復に向かい、元の前向きで元気な様子で職場に戻ってこられたのはとてもラッキーでした。

こんなのコーチングではないという方もいらっしゃるかもしれませんが、あるべき姿と現状とのGAPをこのコーチングダイアログのお陰で解決し、業績の向上を図れたわけですから、これもコーチングなのです。