グローバルで活躍できる人材とは(その2)
日本企業のグローバライゼーションといっても「グローバルで活躍できる人材」の能力に負うところが非常に大きいのです。その具体的な例として、あるオランダ人の事を書きましたが、この人が何をやったのかをもう少し具体的に見ていきましょう。
このオランダ人は当時としてはちっぽけであったP&Gのオランダに入社し、日本のP&Gには1983か1984年ごろに赴任してきました。(正確な年代については記憶が正確ではありません)最初はマーケティング本部長でしたが、後に日本P&Gの社長になり、その後米国本社の COOになった人です。
当時の日本P&Gは「全温度チアー」が有リン問題で低迷し、パンパースもユニチャームの「マミーポコ」にシェアを奪われて夢も希望も無い状況でした。こういった環境の下で彼が取った行動は、
・ミドルマネージャーの入れ替え
・新卒採用活動の強化
・日本P&Gとしての共通の目的と価値観の創造
・米国本社との強力なパイプとサポート
・現地人(この場合は日本人スタッフ)へのデリゲーションと信頼
・組織的ヒエラルキーの破壊
・得意先との戦略的同盟の構築
これ以外にも多くの事を試み、また失敗もしましたが彼ほど現地人スタッフを信頼し、ビジネスの世界では日本人あるいは外国人にかかわらず、同じビジネスピープルとして共通の目的に進んでゆく事がいかに大切であるかを教えてくれた人はいないと思います。
その当時、彼の下で学び苦労をした人達が、P&Gを卒業し、現在も日本のビジネスのいたるところで活躍している事実は決して偶然ではないと信じています。
国境を越えてビジネスを実践することの難しさと、でもビジネスをおこなうことに必要な共通のコンピテンシーや行動には国境はないことを理解していたからこそ、現地スタッフの支持を受け、現地スタッフの能力を最大化する事ができたのだと思います。
このオランダ人は当時としてはちっぽけであったP&Gのオランダに入社し、日本のP&Gには1983か1984年ごろに赴任してきました。(正確な年代については記憶が正確ではありません)最初はマーケティング本部長でしたが、後に日本P&Gの社長になり、その後米国本社の COOになった人です。
当時の日本P&Gは「全温度チアー」が有リン問題で低迷し、パンパースもユニチャームの「マミーポコ」にシェアを奪われて夢も希望も無い状況でした。こういった環境の下で彼が取った行動は、
・ミドルマネージャーの入れ替え
・新卒採用活動の強化
・日本P&Gとしての共通の目的と価値観の創造
・米国本社との強力なパイプとサポート
・現地人(この場合は日本人スタッフ)へのデリゲーションと信頼
・組織的ヒエラルキーの破壊
・得意先との戦略的同盟の構築
これ以外にも多くの事を試み、また失敗もしましたが彼ほど現地人スタッフを信頼し、ビジネスの世界では日本人あるいは外国人にかかわらず、同じビジネスピープルとして共通の目的に進んでゆく事がいかに大切であるかを教えてくれた人はいないと思います。
その当時、彼の下で学び苦労をした人達が、P&Gを卒業し、現在も日本のビジネスのいたるところで活躍している事実は決して偶然ではないと信じています。
国境を越えてビジネスを実践することの難しさと、でもビジネスをおこなうことに必要な共通のコンピテンシーや行動には国境はないことを理解していたからこそ、現地スタッフの支持を受け、現地スタッフの能力を最大化する事ができたのだと思います。
グローバルで活躍できる人材とは(その1)
今回からは「グローバルで活躍できる人材」とはどういう人材なのかを明確にしてゆくプロセスに入りますが、その前に今日本のビジネスの世界で何故グローバルで活躍できる人材が必要なのかを考えてみましょう。そもそもこの点が明確でないと人材の育成や組織運営の仕組みに対して投資する理由が成り立たなくなります。
極端な例としては、例えば日本の会社が海外の会社を買収した場合に「日本でやっている施策や考え方、あるいは企業文化をそのまま適用すれば何もグローバルで活躍できる人材を考える必要など無い」という考えも成り立ちます。
確かに40年前であるならばこのアプローチで良かったかもしれません。しかし、残念ながらグローバルの環境は大きく変化しています。グローバルビジネスの共通言語は英語になっていますし、テクノロジーの進化で情報はボーダレスになっています。世界には英語でMBAを取得した人たちがゴロゴロいてMBAの専門用語を話しています。残念ながら日本語や日本で当たり前の事がグローバルビジネスでは通用しないのです。
そして何よりも大きく変化したのは、個人にとって職業や職場の選択肢が大幅に広がっていることです。
地域に根ざした工場などの場合を除いて、一般にホワイトカラーと呼ばれる職業では、40年前ならいざ知らず、今のご時世で「嫌なら辞めても良いんだよ、無理にこの会社にいる必要は無いよ」などと言おうものなら、優秀な人材であればあるほど会社を辞めていってしまい、現地の経営が成り立たなくなってしまいます。
また仮に会社がすばらしい理念を持っていて海外の人たちにも十分に魅力的だったとしても、それを具現化していくのはそこで働く「人」と「組織」です。つまり異文化の行動と価値観を理解しながら企業理念をそこで働く「人」と「組織」に理解してもらい、現地の人が納得できるように伝える事ができる「人材」が必要になります。
要するに、日本企業のグローバライゼーションといっても「グローバルで活躍できる人材」の能力に負うところが非常に大きいのです。市場での競争が激しく、商品力に圧倒的な優位性を打ち出すことが難しくなっている現代においてはなお更の事です。したがってグローバルで活躍できる人材を多く育成している企業は将来的には圧倒的な競争優位力を持てることになるわけです。私のP&Gの経験でも「たった一人のオランダ人のCEO」がP&Gジャパンの業績を大きく好転させた事例を知っています。
次回は「グローバルで活躍できる人材」をもう少し掘り下げて私たちが何をしなければならないかのヒントを探ることにしましょう。
極端な例としては、例えば日本の会社が海外の会社を買収した場合に「日本でやっている施策や考え方、あるいは企業文化をそのまま適用すれば何もグローバルで活躍できる人材を考える必要など無い」という考えも成り立ちます。
確かに40年前であるならばこのアプローチで良かったかもしれません。しかし、残念ながらグローバルの環境は大きく変化しています。グローバルビジネスの共通言語は英語になっていますし、テクノロジーの進化で情報はボーダレスになっています。世界には英語でMBAを取得した人たちがゴロゴロいてMBAの専門用語を話しています。残念ながら日本語や日本で当たり前の事がグローバルビジネスでは通用しないのです。
そして何よりも大きく変化したのは、個人にとって職業や職場の選択肢が大幅に広がっていることです。
地域に根ざした工場などの場合を除いて、一般にホワイトカラーと呼ばれる職業では、40年前ならいざ知らず、今のご時世で「嫌なら辞めても良いんだよ、無理にこの会社にいる必要は無いよ」などと言おうものなら、優秀な人材であればあるほど会社を辞めていってしまい、現地の経営が成り立たなくなってしまいます。
また仮に会社がすばらしい理念を持っていて海外の人たちにも十分に魅力的だったとしても、それを具現化していくのはそこで働く「人」と「組織」です。つまり異文化の行動と価値観を理解しながら企業理念をそこで働く「人」と「組織」に理解してもらい、現地の人が納得できるように伝える事ができる「人材」が必要になります。
要するに、日本企業のグローバライゼーションといっても「グローバルで活躍できる人材」の能力に負うところが非常に大きいのです。市場での競争が激しく、商品力に圧倒的な優位性を打ち出すことが難しくなっている現代においてはなお更の事です。したがってグローバルで活躍できる人材を多く育成している企業は将来的には圧倒的な競争優位力を持てることになるわけです。私のP&Gの経験でも「たった一人のオランダ人のCEO」がP&Gジャパンの業績を大きく好転させた事例を知っています。
次回は「グローバルで活躍できる人材」をもう少し掘り下げて私たちが何をしなければならないかのヒントを探ることにしましょう。
グローバル人材の育成について
ビジネスの世界ではかなり以前から国境を越えてグローバル化が進んでいましたが、「人と組織」にかかわる人たちの間で「グローバライゼーション」とか「グローバルで活躍できる人材」にスポットライトが当たり始めたのはまだほんの数年ほどのことではないでしょうか。
では「グローバルで活躍できる人材の育成」とは具体的にどういうことなのでしょうか?
このテーマを何回かここでとりあげることにして、
(1) グローバルで活躍できる人材の育成をこれから促進したい
(2) グローバル化はわかっているけれど人材や組織をどのように構築すればよいかよいかわからない
といったことで悩んでいる方々に有益な情報を提供したいと思います。
最初に「グローバルで活躍できる人材の育成」というテーマを2つのテーマに分ける必要があります。
(1)-1 グローバルで活躍できる人材
(1)-2 そういった人たちを育成できる組織
これまで多くの日本企業が企業のスポンサーシップによりMBAなどの資格取得を促進することによって「内なる国際化」を進めようとしてきました。
しかしながらそういった人材は必ずしもグローバル人材に育ったわけではなく、また社内で「内なる国際化」が進んだわけでもなかったようです。
一方で多くのMBA卒業生が新たな活躍の場を求めて自分の所属していたスポンサー企業を去り、グローバライゼーションに欠かせない貴重なRole Modelになりえなかったことも多いようです。
次回からは「グローバルで活躍できる人材」とはどういう人材なのかを明確にし、その後、「グローバルな人材を育成できる組織」とはどのような組織なのかを明らかにしていきましょう。
では「グローバルで活躍できる人材の育成」とは具体的にどういうことなのでしょうか?
このテーマを何回かここでとりあげることにして、
(1) グローバルで活躍できる人材の育成をこれから促進したい
(2) グローバル化はわかっているけれど人材や組織をどのように構築すればよいかよいかわからない
といったことで悩んでいる方々に有益な情報を提供したいと思います。
最初に「グローバルで活躍できる人材の育成」というテーマを2つのテーマに分ける必要があります。
(1)-1 グローバルで活躍できる人材
(1)-2 そういった人たちを育成できる組織
これまで多くの日本企業が企業のスポンサーシップによりMBAなどの資格取得を促進することによって「内なる国際化」を進めようとしてきました。
しかしながらそういった人材は必ずしもグローバル人材に育ったわけではなく、また社内で「内なる国際化」が進んだわけでもなかったようです。
一方で多くのMBA卒業生が新たな活躍の場を求めて自分の所属していたスポンサー企業を去り、グローバライゼーションに欠かせない貴重なRole Modelになりえなかったことも多いようです。
次回からは「グローバルで活躍できる人材」とはどういう人材なのかを明確にし、その後、「グローバルな人材を育成できる組織」とはどのような組織なのかを明らかにしていきましょう。