グローバルで活躍できる人材とは(その1) | (株)ヒューマン・エッジ代表取締役社長・斧出吉隆のブログ

グローバルで活躍できる人材とは(その1)

今回からは「グローバルで活躍できる人材」とはどういう人材なのかを明確にしてゆくプロセスに入りますが、その前に今日本のビジネスの世界で何故グローバルで活躍できる人材が必要なのかを考えてみましょう。そもそもこの点が明確でないと人材の育成や組織運営の仕組みに対して投資する理由が成り立たなくなります。

極端な例としては、例えば日本の会社が海外の会社を買収した場合に「日本でやっている施策や考え方、あるいは企業文化をそのまま適用すれば何もグローバルで活躍できる人材を考える必要など無い」という考えも成り立ちます。

確かに40年前であるならばこのアプローチで良かったかもしれません。しかし、残念ながらグローバルの環境は大きく変化しています。グローバルビジネスの共通言語は英語になっていますし、テクノロジーの進化で情報はボーダレスになっています。世界には英語でMBAを取得した人たちがゴロゴロいてMBAの専門用語を話しています。残念ながら日本語や日本で当たり前の事がグローバルビジネスでは通用しないのです。

そして何よりも大きく変化したのは、個人にとって職業や職場の選択肢が大幅に広がっていることです。

地域に根ざした工場などの場合を除いて、一般にホワイトカラーと呼ばれる職業では、40年前ならいざ知らず、今のご時世で「嫌なら辞めても良いんだよ、無理にこの会社にいる必要は無いよ」などと言おうものなら、優秀な人材であればあるほど会社を辞めていってしまい、現地の経営が成り立たなくなってしまいます。

また仮に会社がすばらしい理念を持っていて海外の人たちにも十分に魅力的だったとしても、それを具現化していくのはそこで働く「人」と「組織」です。つまり異文化の行動と価値観を理解しながら企業理念をそこで働く「人」と「組織」に理解してもらい、現地の人が納得できるように伝える事ができる「人材」が必要になります。

要するに、日本企業のグローバライゼーションといっても「グローバルで活躍できる人材」の能力に負うところが非常に大きいのです。市場での競争が激しく、商品力に圧倒的な優位性を打ち出すことが難しくなっている現代においてはなお更の事です。したがってグローバルで活躍できる人材を多く育成している企業は将来的には圧倒的な競争優位力を持てることになるわけです。私のP&Gの経験でも「たった一人のオランダ人のCEO」がP&Gジャパンの業績を大きく好転させた事例を知っています。

次回は「グローバルで活躍できる人材」をもう少し掘り下げて私たちが何をしなければならないかのヒントを探ることにしましょう。