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効果的なコーチングについて(12)


(株)ヒューマン・エッジ代表取締役社長・斧出吉隆のブログ-コーチングのフレームワーク


先週は「自律タイプ」の方への効果的なコーチングアプローチを説明しました。ひとつご注意頂きたいのは、このコーチング・マトリックスというのはコーチングアクションを取る際に、わかりやすいように分けてある、ナビゲーターのようなものですから、人によっては一般論では語れない、いろいろな要素が入ってくるのも事実です。

コーチングの目的は、ビジネスの結果をより向上させる事!ですから、最も大切なのは「コーチを受ける人(コーチイ)の業績を上げるためには何が最も効果的なのか?」を考えてコーチングアクションを取ることです。繰り返しになりますが、コーチングには「魔法の杖」は存在しないので、一人ひとりに遭った方法を見つけるしか方法はありません。

それでは今週は「意欲先行タイプ」の方についてです。

この事象にいるであろうという方々は、新入社員や、新しい部署に異動になった人達ではないかと思います。新しい知識やスキルを吸収・学習することには大変意欲的で、実践で成功体験を積んでいくことによって「自律タイプ」に移行できる可能性のある方々です。ティーチングを中心にしながら、徐々に自立できるようガイドしてあげる事が必要です。ここで言う、ティーチングとは「あれこれ指示命令を出すことを意味しているのではなく、個人が次のステップに飛躍できる基礎力を提供する」という意味です。

■効果的なコーチング行動
・コーチとして何を期待しているのか?明確でチャレンジングな目標を設定する
・どのようにして達成するのかは、本人を巻き込んで決定する。また、なぜその方法が適切なのかを十分に理解できるよう説明する
・短期でのフォローアップが必要

つまり、やる気を促し、成功体験を積ませるというコーチングアクションが必要だということです。

こういったコーチングアクションを取っていることのリスクとして、
・コーチングアクションが、細かい事まで含めて、指示命令型になってしまい、本人の自律意欲をそぐことになる。

次週は「スキル先行タイプ」です。

効果的なコーチングについて(11)

先週は、「コーチング」というのは個人個人の能力を伸ばしていくことを目的としていますので、当然誰に対してコーチングを行うかによって、どのようなコーチングを行うのかも変わってきますよ!という説明をして下の「コーチングマトリックス」をご紹介しました。今週はこのマトリックスについて説明しましょう。

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このマトリックスは各個人の「仕事をする意欲」を縦軸と「仕事を遂行できる能力」を横軸にとります。今回はもっともわかりやすいように、大きく4つの事象で考えてみます。

仮に、右上を「自律タイプ」、右下を「スキル先行タイプ」、左上を「意欲先行タイプ」として、左下を「依存タイプ」とすると、それぞれの事象にいる人たちにとってはどのようなアプローチが効果的なのでしょうか?

「自律タイプ」の方々がとる典型的な行動様式は、自分で問題を見出して、自分で問題を解決して前に進める人ではないでしょうか?当然、問題を解決するための基礎能力は備わっていますし、上司があれこれ言わなくても自分で考えて自分で行動できる人たちで上司にとってはもっとも楽な人たちです。ではこの人たちに対して、上司は具体的にどのような行動をとるべきなのかを以下で考えてみましょう。

効果的なコーチング行動
・明確でチャレンジングな目標を設定する
・どのようにして達成するのかは、本人に提案させて同意する
・目標を達成するのに必要な権限は委譲する
・一度任せたら、比較的長い期間で進捗を確認する。

つまり、本人を信頼して、権限を委譲して、結果を重視する、というコーチングアクションが必要だということです。

こういったコーチングアクションを取っていることのリスクとして、個人の貢献に対する認知や感謝の気持ちが少なくなる、任せることが多くなるので会話の機会が減るために、個人のモチベーションが下がる、ことが考えられます。

次週は、そのほかの事象についても考えてみましょう。

効果的なコーチングについて(10)

先週は「コーチング」について、上司であるラインマネジャーが、部下の一人ひとりのスキルレベルとやる気が理解できていないのではないかという事で締めくくりました。なぜ、こういう疑問が出てくるかと言うと、先日ある会社で研修をおこなったときに話していた内容で、こんな会話がありました。


「先週さあ、会社の管理職が集められてコーチングの研修があったみたいなの」

「ああ~、知ってる知ってる。うちの課長も出てたわ」

「なんかさ、戻ってきたら、バカのひとつ覚えみたいに、それで君はどう思う?の繰り返しで、話が全然前に進まなくなった」

「そういえば、うちの課長も、最近良く、その言葉使うよな~。でもなんかおかしいよね」


この会話を聞きながら私が思ったのは、「きっと、コーチングの話の中で、会話のスキルの話ばかり出たんだろうな~」ということです。

以前にも言ったので繰り返しになりますが、コーチングというのは、個人のパフォーマンスを向上させることを目的としています。したがって、コーチングにはこうすれば絶対にパフォーマンスが良くなるという処方箋があるわけではなくて、一人ひとりのスキルレベルとやる気を判断した上で一人ひとりに対応する必要があるのです。

それでは、一人ひとりに対してどの様なアプローチが必要になってくるのか?これをスキル(業務遂行能力)とやる気(意欲)の両面から見るためのフレームワークをご紹介します。次回このマトリックスの説明をします。


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