(株)ヒューマン・エッジ代表取締役社長・斧出吉隆のブログ -24ページ目

ステイクホルダーマネジメント1

今回から、ステイクホルダーマネジメントについて話をします。

ステークホルダーという言葉自体、まだあまりなじみのない言葉かもしれませんが、本来の意味は、組織体やプロジェクトにおいて、その意思決定に関与しているか、その活動の実施(あるいは不実施)に影響を受ける個人または法人・団体のこと、となっています。

何のことか良くわからない!ということもあるかと思いますので、企業に照らして言うと、株主・投資家、債権者・金融機関、従業員・労働組合、求職者、顧客・消費者、関連企業・取引企業、競争企業・業界団体、行政・監督官庁、地域住民などがステイクホルダーであるといえます。要は、企業の活動によって影響を受ける利害関係者と理解してください。

このステイクホルダーと言う言葉は本来組織に関することを指すのですが、最近では、この利害関係者という意味を個人の活動にも使ったりします。

ここで言う、ステイクホルダーとは、自分自身が仕事を進める上で、自分にとって、協力的になったり、反対の立場になったりする人の事を意味しています。つまり自分自身のリーダーシップを発揮することに大きな影響力を持った人たちなのです。そういった人たちに、どの様な影響力を与える事ができるのか?ということについて少し説明をしてゆこうと思います。

(株)ヒューマン・エッジ代表取締役社長・斧出吉隆のブログ-ステイクホルダーマップ

つまり、ステイクホルダーマップというのは、誰と誰がどの様につながっているので、「誰」に対して影響力を与える事がもっとも効率が良い、っということを理解するために重要な役割りを持つのです。

エレベータートーク

今回は「エレベータートーク」の話です。このスキルは「グローバルで必要とされるリーダーシップを発揮するには、常に自分にとってのビジネスチャンスを逃さずに、自分から他の人に働きかけて影響力を与える」と言う意味です。

もともと、このスキルの名前の由来は「とあるところで、たまたまスティーブン・スピルバーグと一緒のエレベーターに乗り合わせた、無名のプロデューサーが、普段から自分で温めていた、映画の構想をスピルバーグに説明をして、気に入ってもらって、採用された」というサクセスストーリーから来ているらしいです(この話が本当かどうかは定かではありません)。

ビジネスチャンスを常に考えて、それを掴み取ると言うのはリーダーにとって重要な仕事ですが、掴み取るにも、コミュニケーション能力が求められます。ここで必要なコミュニケーション力と言うのは、「相手の人にわかりやすく、簡潔に、自分の思い描いている内容を伝える能力」のことです。

少し具体的な場面を想定してみましょう。

貴方は3日前まで、リーダーシップの研修に参加していました。この研修は会社が力を入れている研修で、いわゆる将来の幹部候補生が参加するプログラムです。会社の社長も、研修の成果については興味を持っています。

本日、エレベーターに乗ると、そこには社長が1人で乗っていました。社長は貴方がリーダーシップの研修に参加していたことを知っていて、すぐさま、こう聞いてきました「研修はどうだった?」

さあ、このチャンスを活かすも殺すも貴方の対応次第です。社長と2人で話をするチャンスなどめったにあるものではありませんし、せっかく貴方のことを覚えてくれていた社長に対して、自分自身をより印象付けることが出来るチャンスです。

研修に参加して具体的には何がどのように良かったのか、といったことを1分以内で説明できるスキルが必要です。

他にも、たまたま駐車場で見かけた、得意先の社長に、有益な話の走りだけを伝えて、後日、詳細についてのアポを取り付ける。等、この「エレベータートーク」のスキルを使う機会は非常に多いと思います。ただし、このスキルも普段から考えて練習しないと、とっさに伝えたい内容が出てきませんから、練習をすることが重要です。

ストーリーテリング2

今週はストーリーテリングの具体例を考えてみましょう。

先週は、学生の人たちの心を動かすのは何なのか?ということを問題定義しました。就職活動をしている学生が知りたいのは、「会社の規模」、「社員の数」、「特許の数」、「具体的な仕事の内容」といったことではないのです。こういったことは、会社選びには当然必要なことですが、これだとどこの会社が、自分が行きたい会社なのか決め手に欠けてしまいます。

学生が知りたいのは、実際に私が働くのはどんな「会社」なのか?ということです。例えば、「うちの会社は風通しが良い会社で、皆活き活きとして働いているよ」と説明を受けても、本当に風通しが良いかどうかのイメージは沸いてきません。

ところが、風通しが良い、ということを具体的に表現できるストーリーがあれば、聞いている学生の人たちは、具体的な情景を自分の中で描くことが出来ますし、ストーリーを頭の中でビジュアル化できます。P&Gのときに私がよく話していたストーリーをご紹介します。

私は入社して半年後に、米国シンシナティーの本社で半年間の研修を受けることになりました。この間、本社にいる一人のマネジャーが私の相談役として、スポンサーに任命されます。

今でも忘れませんが、彼の名前はマーク・アップソンといいます。当時マークはマーケティング部の部長で、日本の新入社員である私から見たらとても偉い方でした。当然、非常に忙しい方で、とても日本から来たわけのわからない若造の相手をしている時間など無いはずです。

しかし、私が相談したいことがあると言うと、ちゃんと時間をとってくれていました。しかも私が彼の部屋に行くと、私の顔をみて、「斧出さん、ちょっと待って、これだけ終わらせるから」と言って、自分の仕事を片付け、机の上をきれいにして、私と話す用意をしてくれた上で、私の目を見て、「斧出さん、今日はどんな相談?聞かせて?」っと質問してくれます。

こういった彼の態度に対して、私は感謝の想いでいっぱいでした。しかも彼だけではなく、P&Gのマネジャーは皆さんそうやって、部下の方々とも尊敬の念を持って接しているということを知り、P&Gという会社はこんなすばらしい企業文化を持っているということに感動しました。

私はその後、P&Gでマネジャーにもなりましたが、そのときに学んだ、「相手が誰であろうと、尊敬の念を持って接する」という態度を忘れたことはありません。

どうでしょうか?ストーリーにすると情景が目に浮かんできませんか?私の感動が学生に伝わったでしょうか?ストーリーは相手の共感を得るのに、最もパワフルなスキルだと思います。ぜひ試してください。