(株)ヒューマン・エッジ代表取締役社長・斧出吉隆のブログ -21ページ目

効果的なOJTの進め方(1)

これまで、グローバルタレント育成のための具体的な施策として、「影響力によるリーダーシップ」ということを中心に話を展開してきました。その中で、コミュニケーションのスキルについても多くの時間を費やしてきましたね。なぜかというと、リーダーシップとコミュニケーションのスキルは切っても切れない関係にあるからです。他者に対する影響力というのはコミュニケーションの力を通して相手の方に伝わってゆくからです。

リーダーシップやコミュニケーション以外にグローバルタレントとして成長してゆくために身につけておかないといけないスキルはほかにもたくさんあります。

例えば、
「効果的なメモの書き方」
「ファシリテイションスキル」
「フィードバックの提供の仕方と受け止め方」
「OJTの進め方」
「効果的なプレゼンテーション」
「時間管理と優先順位」
などがその代表的なスキルです。

こういったスキルは非常に基礎的なスキルなのですが、会社全体の組織力はこのような当たり前のスキルを社員が身につけているかいないかで大きく変わってきます。また、グローバルタレントとして活躍できるかどうかはこのような基礎的なスキルを身につけているかどうかで決まってくるのです。なぜならば、このようなスキルは世界のどこに行っても必ず必要となるビジネススキルですから、グローバルで仕事をするのに欠かせないスキルなんですね。

こういったスキルの中から、今回は「OJTの効果的な進め方」についてしばらく話を進めようと思います。

なぜ「OJTの進め方」を取り上げたかというと、みなさんご存じの通り、会社が研修などを行うときには、OJTとOff-JTの2種類があります。OJTというのは、普段の仕事のやり方を通じて、上司や先輩から具体的に教わってゆくものです。一方、Off-JTというのは仕事の現場ではなくて研修所などのようなところで集団で勉強するものです。

人の成長に対して最も影響を与えるのはOJTとOff-JTのどちらなのか?答えはすこぶる明確です。OJTですね。車の運転を思い浮かべてください。自動車教習所に通っているときに、いわゆる学科の勉強がOff-JTのようなもので、実際に教官に乗ってもらって、運転席の隣で「あ~だこ~だ」と言って教えてもらうのがOJTだと考えてください

明らかに実際の車の運転にとって役立つのは、教官に教えてもらいながら運転をするOJTですね。しかし、残念なことにほとんどの企業では「OJT」は管理職に任せているというのが実態で、言葉を換えると、「なにもやってません、現場に任せています」ということと同じです。これではあまりにも人材育成の機会を逸していますので、次回からはOJTについて説明してゆきます。

ブランドとしてのあなた(2)

さて、前回は出世コースの条件である鹿児島への転勤をどうするかという問いかけをしましたね。

このときYesなのかNoなのかを決定する中心的な考え方はどこにあるのでしょうか?
それはその人が大切にしている価値観から生まれてくるのではないでしょうか?

例えば、私にとって大切な価値観というのが、家族の幸せというものであれば、2年間、家族を東京に残して、単身赴任をするというのはかなり大変なことだと思います。社内で出世することに対して大きな価値観を持ってない人にとっては、鹿児島に単身で行くことよりは、出世が遅れたとしても東京に残ることを選択する可能性が高いと思われます。しかし、昇進や出世に重要な価値を持っている人にとっては喜んで鹿児島へ行くことが考えられます。

このように私たちの行動を決定する要因には大切にしている価値観の存在が大きく関わっているのです。

具体的には、価値観と呼べるものには

「家族の幸せ」
「達成感」
「仲間」
「健康」
「昇進や昇格」
「お金」など

アメリカのBlessingwhite社では約25個程度の「価値観」というものを紹介しています。自分自身の大切な価値観というものがある程度わかれば、普段自分がどのような意思決定に基づいて行動をしているのかということが分かりやすくなります。

自分自身の行動を自分自身でわかるようになれば、「他人からのフィードバック」を受け入れやすくなります。

なぜならば、自分がどんな行動をとりがちなのかが分かるため、他人からそういった行動を指摘されても「確かに自分の大切にしている価値観からすると、そういった行動をとっている可能性はある」と理解できるからです。こうすることによって、結果的にはジョハリの窓をより大きくすることができ、他者との信頼関係を気づきやすくなるのです。

ブランドとしてのあなた要約
・人は私の行動を見て私を判断している
・私の「開かれた窓を」を大きくすることで、他の人との「信頼関係」や「コミュニケーション」がよくなり、影響力を発揮しやすくなる
・私の行動は私が大切にしている「価値観」から生まれるものであり、その価値観を自分が理解することで自分の行動がよりわかりやすくなる

ブランドとしてのあなた(1)

さて、今回からはブランドとしてのあなたというテーマで話を進めます。まず、どうしてリーダーシップを説明するのに、「ブランドとしてのあなた」が必要なのでしょうか?

もう一度、リーダーシップとは何かに戻ってみましょう。

リーダーシップとは他者に対する影響力の事であり、リーダーが具体的にとっている行動の事であり、リーダーが発している言動でしたね。こういった行動や言動を聞いて私たちは、リーダーシップというものを感じているわけです。

ということは、人は「私の行動や言動」を見て、聞いて私のリーダーシップを判断している事になります。では、私たちは普段どのような行動をとっているのでしょうか、また、それをどのように改善してゆけばよいのでしょうか?

通常、私たちは普段私自身がとっている行動について考えたりはしていないと思います。そこで、ここでは私たちが普段何気なくとっている行動について考えることと、もう一つは「ジョハリの窓」という概念を使って自分自身の行動の改善につなげる事を考えてみます。

まず私たちの普段の行動ですが、私たちの行動というのは私自身の何らかの意思決定に基づいているはずです。私たちは毎日様々な状況の中で常に何らかの意思決定に迫られ、そしてその決定のもとに行動を起こしていると言えるのではないでしょうか?

といっても、私たちは普段の生活の中ではこういったことを意識している事はほとんどないと思います。なぜならば、私たちにとって、こういった意思決定に基づく行動というものがあまりにもあたりまえの事だからだと思います。

それでは、こうして毎日繰り返される意思決定の判断のもとになっているのは何なのでしょうか?これがわかれば、私たちが毎日の生活の中で行っている「行動」に対して影響を与えているものが何かがわかると思います。

例えば、私は今東京に住んでいるとしましょう。会社から鹿児島への転勤を打診されたとします。この鹿児島への転勤というのはこの会社の中では一種の出世コースで過去に鹿児島へ転勤になった人たちの多くが、より上位のポジションに就いています。期間は2年間で家族がいても単身で行くことが条件です。返事は1週間後にしなければなりません。

さてあなたならこの転勤を受けますか?
それとも断わりますか?
そしてその根拠となるのは何ですか?