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効果的なOJTの進め方(4)

前回はストーリーマップで、「人材の育成は、スキルの向上とやる気の向上という2つの側面から捉える必要があります。また、人の成長というのは、OJTに投資した量と時間に比例して伸びてゆくものではなく、段々状に伸びてゆくため、時間がかかるのです」ということが、電光掲示板のメッセージだということを説明しましたね。
 
この後、トレーナーと部下は、スキルを伸ばすための具体的なステップを学び、やる気を伸ばすには何をしなければいけないのかを、ともに学び信頼関係を築き業績の向上に貢献してゆくのです。

それでは具体的に「スキルを伸ばす方法」から見てゆきましょう。スキルというのは実際に、必要とされる仕事を早く、性格に、効率よく処理してゆく能力のことですね。

それでは、どういう状態になれば、スキルが身についたということがいえるのでしょうか?

このことを理解していないと、トレーニングをするにしても何をどこまでやればよいかわからないですね。

そこで思い出して欲しいのが、車の運転です。車を運転するには最初、車の構造を教えてもらい、運転のシュミレーションを行い、実際に教官に教えてもらいながら練習して、免許を取ります。

ところが免許をとった後でも、最初はこわごわ注意しながら運転をしていますね。でもいつの間にか、怖がらなくても自然に運転することができるようになり、意識しなくても、ブレーキを踏んだり、ウインカーを出したり、サイドブレーキをかけたりできるようになります。

この状態がスキルが身についた状態です。つまり、無意識に必要な行動が取れる状態ですね。

OFFJTでは残念ながら、知識を提供するか、せいぜい、ロールプレイを多く使って、スキルを意識的に使えるレベルにまでしか効果は期待できません。ところが、OJTでは、上野表でいうなら、3と4のレベルまで効果が期待できるわけです。だから、人材育成の基本はOJTなんですね。

効果的なOJTの進め方(3)

今回から、具体的なOJTの進め方について話を進めていきますが、まず、ストーリーマップを見ていただいて、全体の概略を理解してもらいましょう。

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右下に、赤いシャツを着たトレーナー(上司)のような格好をした人がいますね。そしてその前に、売上グラフを背にして怒鳴っているような人がいますが、この人がこのトレーナーの部下になります。残念なことに、この2人のグループは売り上げが下がっていますね。たぶんそういった事もあって、なんとなく言い争いをしているのではないでしょうか?

そこでこの2人は、「OJT強化合宿所」に入所することにしたのです。

まず、大きな電光掲示板がありますね。そこには縦軸に「やる気」と書いてあり、横軸には「スキル」と書いてあります。これは、人材育成の原則は「本人のやる気を促進し、仕事を遂行できる能力をつけさせる」ということを表しています。

もちろんこんなことは当たり前の事なのですが、スクリーンのグラフに少し注目してください。人が育ってゆく過程というのは、決してやる気とスキルの伸びに対して、比例して伸びるのではなく、段々状に伸びてゆくものなのです。だから、「教えても教えてもまた同じことの繰り返し!」と見切りをつけるのではなく、人材育成には時間がかかることをまず理解していただきたいのです。

効果的なOJTの進め方(2)

まず、OJTというのはOn-the-Job Trainingの略ですね。つまり、仕事をしながらトレーニングを行うということです。一方、いわゆるクラスでのトレーニングはOff-JTといわれるものです。それではなぜOJTとOFFJTがあるのでしょうか?どちらか一つで済むならそれにこしたことはありません。

まず、OJTとOFFJTについてそれぞれの利点を考えてみましょう。

OFFJTというのは仕事をしながら何かを教わるのではなく、クラスタイプの研修によって学びますから、

1.学ぶことに集中できる
2.他の人とのネットワークができる
3.参加者にとっては共通の言語が使えるようになる
4.共通の理解を得ることができる

などがあげられます。

ではOJTの利点はというと

1.実際の仕事の現場で必要なスキルが身につく
2.その場でタイムリーなアドバイスができる
3.すぐに良かった点を褒めることができる
4.わからないことはいつでもすぐに聞くことができる
5.継続性がある

などが考えられるのではないでしょうか。

ではOJTとOFFJT、どちらがより効果的なのかというと、間違いなくOJTです

なぜならば、多くのビジネススキルというのは、何回も何回も繰り返して使って、そのつどフィードバックをもらわないと成長には結びつきにくいからです。そのためには職場の上長や、OJTトレーナーのような人が常にトレーニーに対して復習の機会を提供し、そこから次のステップに進む機会を提供しなければならないからです。

こういった意味からすると、OJTこそが真のトレーニングであり、人材育成の基本だといえるでしょう。

上司が部下の育成を自分の大切な仕事であるということを認識し、これを企業文化のレベルにまで引き上げている組織は非常に強固であり、権限の委譲も適切に行われていますので、人材の成長も早いといえます。それでは、具体的にどうやってOJTを行えばよいのかを次回から検証してみましょう。