(株)ヒューマン・エッジ代表取締役社長・斧出吉隆のブログ -12ページ目

ロンドン・ビジネススクールで開発されたリーダーシッププログラム(3)

この「Why should anyone be led by you?」というリーダーシッププログラムの中で語られていることは「あなたがリーダーになりたいと思っても、リーダーであるかどうかはフォロワーが決めることである」

つまり、リーダーになれるかどうかの決定権はフォロワーが持っているため、どんなに優れたリーダーの真似だけをしてみてもそれが、そのときの状況の中でフォロワーの求める行動に合致しなければ、フォロワーはあなたを支持、サポートしないということです。

それでは、フォロワーが求めていることを簡単に説明してゆきましょう。

Community:人は社会的な生き物であるために、なにか大きな集団に属していたいという要望である。これは単に、フォロワーはリーダーをサポートするというだけではなく、リーダーが提供する大きな集団に属していたい、あるいはリーダーが自分がある集団に属していることを実感させてくれるという意味である。

リーダーはメンバーに働きかけて、「なぜ私たちはここにいる必要があるのか?」といった問いかけをしたり、組織全体の中での自分たちの位置づけを問いかけて自分たちの存在を認識させることが重要である。

Authenticity:フォロワーは「人」を自分たちのリーダーとして選択するのであって、決して組織のタイトルや権威を選択するのではない。リーダーを、より一人の人間として尊敬をし、共感することを選択するのである。リーダーがこれまで育ってきた中で得た自分の強みや、弱み、またはこれまでの経験を周りの人とシェアすることでフォロワーはリーダーの人間性、つまり、ありのままのリーダーの姿を受け入れるのである。

Significance:フォロワーは自分たちの費やした努力が、意味のあることだと信じたいのである。つまり自分自身の存在や貢献が意味のあることだと信じたいのである。個人は組織という大きな機械の中では、ひとつの歯車でしかないわけなのですが、それを単なる歯車だから重要ではないと捕らえるのか、それとも、ひとつの歯車が足りないと全体の機械は機能しなくなってしまうほど重要な存在としてとらえるのかで、フォロワーのモチベーションは大きく変わってくる。

Excitement:フォロワーはより高いレベルの努力の必要性や、達成感に対して鼓舞されたり、勇気付けられることが必要である。そのためにはまず、自分自身がパッションを持つことが大切で、元気のない、後ろ向きの人からはExcitementは得られないのである。リーダー自らパッションを持って、ビジョンを語り、価値を語り、必要性を語ることが大切である。

Rob GoffeeとGareth Jonesの2人によればフォロワーはこの4つの要素をベースにしてリードされるべき人を選択しているということです。

ロンドン・ビジネススクールで開発されたリーダーシッププログラム(2)

先週から、「Why should anyone be led by you?」という本をベースにした研修に参加してきたという話をしました。その時点では、この本はまだ日本語訳が出ていないと思っていました。しかし、その後いろいろと調べてみると、英冶出版というところから、日本語訳が出ている事がわかりました。

また、検索エンジンを使って「Why should ・・・・」と入力していただくとRob Goffee とGareth Jonesの2人について多くの記事がヒットしますので一度興味のある人は調べてみてください。

●リーダーシップを形成するファンデーションとして
●リーダーシップは決して上下関係ではない
●リーダーシップは人との関係性が重要である
●リーダーシップは様々な状況にあわせて対応すること

ということを挙げましたが、もう少し詳しく説明しましょう。リーダーシップというのは組織の中でのタイトルや権威ではありません。もちろんそういったポジションにいることである程度の権威をもつことはできますが、ポジションやタイトルそのものが優れたリーダーを創るわけではないのです。

リーダーシップというのは関係性のある双方の人たちの関係である。リーダーシップというのは単なる特質の混ぜ合わせではない。有名なリーダー、スポーツコーチなどは彼らの多くの時間を「フォロワー」と呼ばれる人との関係性を築いたり、維持したりすることに費やしている。

リーダーシップというのは様々な状況に対応するものである。リーダーが何をしなければならないのかということは、その状況により影響を受けるものである。ある状況下で素晴らしいリーダーであった人が、異なる状況下では邪魔者扱いされる、といったことが歴史の中では繰り返されている。リーダーにとって必要なのは状況を確認し、理解したうえで必要な行動をとるということ。そのためには常に「状況を感じ取る」という能力が必要となる。

さて、先週この本の特徴は「フォロワー」の観点から必要なリーダーの役割が示されている事であると述べましたが、実際にはどういったことかを具体的に説明していきましょう。それは「Community」「Authenticity」「Significance」そして「Excitement」の4つです。

ロンドン・ビジネススクールで開発されたリーダーシッププログラム(1)

9月21日から約1週間上海に行ってきました。こういうと、大概、「あっ、上海万博に行ってこられたんですね?」と聞かれるんですが、今回はその時間は取れませんでした。実は「BlessingWhite」社が新しく開発したグローバルリーダーシッププログラムのトレーナー認定プログラムに参加していたのです。

このプログラムは、ロンドンビジネススクールの教授である、Rob Goffeeさんと、Gareth Jonesさんがお書きになったベストセラー「Why should anyone be led by you 」という本の内容を実際のリーダーシップ研修に落とし込んだプログラムです。

なかなか上手く訳せないのですが、直訳すると、「なぜ、人はあなたをリーダーとして認めて、リードされたいと思うのでしょうか?」といった感じでしょう。

このプログラムの特徴は、本のタイトルを見ていただいてもわかるように「リーダーを支えるフォロワーと呼ばれる人たち」からの視点を中心に、リーダーはフォロワーのニーズにどのように応えるのか?を考えさせる点です。

Goffee氏とJones氏によれば、これまでのリーダーシップに関する研究の多くが、「リーダーである人物」に焦点が当たっていた。しかし彼らの調査によれば優れたリーダー、たとえば「ガンジー」という偉大なリーダーが行った行動や考え方というのは、ガンジーが生きた時代の中と、その環境に対応できた結果であって、他の人がガンジーのようなリーダーシップを持てるわけではない。すべてのリーダーは異なっている。というのが彼らの重要な発見だそうです。

彼らの調査の結果、リーダーシップというのは一連の行為であり、次のように定義しています。

リーダーシップというのは「Excite people to deliver exceptional performance」である。つまり、「期待以上の業績を出させるように人々を鼓舞する」ことです。また、リーダーシップを形成するファンデーションとして、以下の3点をあげています。

1)リーダーシップは決して上下関係ではない
2)リーダーシップは人との関係性が重要である
3)リーダーシップは様々な状況にあわせて対応すること

グローバルリーダーを育成するために、世界のトッププロフェッサーは何を伝えているのか?この本に書かれているキーポイントを次回からお伝えしていくようにします。