あとかたの街(全5巻) おざわゆき  | 本に恋して❤

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自分が読んだ本を感想とともに残しておきたいと思いブログを始めました。

あとかたの街

全5巻

おざわゆき

 

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おざわゆきさん「あとかたの街」を読みました
 
「傘寿 まり子」でファンになって
おざわゆきさんが他に描いている作品を探して
お父さんの戦争体験を描いた
「凍りの掌 シベリア抑留記」を読んで

 

「凍りの掌 シベリア抑留記」

東京で大学生だったお父さんが

昭和20年冬に招集され

戦地に送られ

そのまま戦地で終戦を迎え

捕虜になり収容所で過ごした数年のお話

 

昭和20年の8月に戦争は終わったと

思っていましたが「凍りの掌」を読んで

終戦後もすぐに日本に帰ってくることは叶わず

 

シベリアで過酷な生活を送っていたひとがいたことは知っていましたが本を読むことで改めてより身近になりました

 

実際はもっともっとひどかったと思いますが

おざわゆきさんの絵のタッチで「凍りの掌」を読めてよかった

 

知ることができてよかった本でした

 

「あとかたの街」はおざわゆきさんのお母さんのお話

 

 あい(次女 高等科1年生)

 みね(長女 高等科2年生)

 とき(三女 初等科3年生)

 すえ(四女 1歳)

 

 お父さん

 お母さん

 

 洋三くん(近所に住んでいる人の甥っ子

      中学2年生)

 

昭和19年の春に高等科に入学したあいちゃんの生活から始まります

 

女学校に進学したかったあいちゃんですが

家庭の事情で行けないことはわかっていたので両親にそれを言うことはできなかったり

食べるものもすでに滞っている状態

 

    

 義務教育の国民学校初等科を卒業したら

 男子は中学か高等科

 女子は女学校か高等科に進みます

 

 女学校は進学するのにお金がかかります

 

あいちゃんは元気でいつもお腹がすいていて

疑問に思ったことは口に出したり

誰かに聞いて納得しないと気が済まない女の子

 

読みながら自分がどんどん

あいちゃん目線になっていきます

 

高等科に登校しても1時限目は校庭で畑作業

次の時限は授業

給食

午後は体鍛(たいれん)

…敵と戦うことを想定した竹槍を使った訓練

 

初等科に通っている三女のときちゃんが

夏休みに学童疎開に行くことになります

 

ときちゃんが天真爛漫でかわいい

 

家族と離れるのに

行ったことがないところに行けることを

楽しみというときちゃん

 

あいちゃんは疎開なのに旅行気分の

ときちゃんを心配するあまり

喧嘩してしまいます

 

喧嘩したままときちゃんは集団疎開へ

 

夏休みが終わり校長先生から

あいちゃんが通う高等科では

授業が一切行われなくなり

勤労動員生として工場勤務するように通達されます

 

    

 学徒勤労動員…

 労働者の多くが

 戦場に送られたのを補うために

 軍需工場や軍需施設に学生を動員する制度

 

偵察機が飛んでいるところを見るあいちゃん

 

しばらくすると名古屋にも空襲が始まります

 

飛行機を作っている工場や軍需工場に爆弾が落とされます

 

 

昭和20年冬

 

田舎に学童疎開していた三女のときちゃんからハガキが届きます

 

ハガキは「お父さん、お母さん、お姉ちゃん」

「お家のごはん食べたいです」

「おふとんほしいです」と書かれています

 

ハガキを見て心配になったお父さん

 

足を怪我していますが

ときのところに行くとい言います

 

あいちゃんが自分がお父さんについていく

と言って二人でときちゃんの様子を見に

疎開先に電車で向かいます

 

疎開先で案内された部屋は

具合の悪い子たちが寝かされている部屋

 

ときちゃんはその部屋で

ふとんをかけて寝ていました

 

あいちゃんが手を伸ばして

ときちゃんのふとんに手を入れると

敷きふとんがありません

 

ときちゃんはガタガタ震えています

 

案内してくれたおばちゃんに

なぜ敷きふとんがないのか聞くと

 

ときちゃんがおもらしするから

敷きふとん下げさせてもらいましたと言われます

 

あいちゃんは「どういう事ですか」

とおばちゃんに言いますが

 

おばちゃんは

「ここには何人子どもがおる思ってるんですか」

「私かていっぺんに全員の面倒なんて見きれません」

「これでも精一杯なんです」

と言われてしまいます

 

あいちゃんは

「ときは連れて帰ります」

「こんなとこに置いとけません」

と言います

 

お父さんは

「あい待て!」

「よう聞け」

 

「名古屋は今空襲空襲で夜も寝とられんくらいだ」

「そんとこに幼いときを連れて帰るのか」

と言われます

 

そう言われたあいちゃんはお父さんに

自分でふとんに戻すことはできない

お父さんに戻して欲しいと言います

 

でもふとんに戻さず

名古屋に連れて帰っていいなら

自分がときちゃんをなにがなんでも

抱いて帰りますとお父さんに言います

 

お父さんも

「わかった」

「ときを連れて帰ろう」

と言います

 

よかった^ ^

 

あいちゃんは工場で東京で大きな空襲があって

次は名古屋なのではと話しているのを聞きます

 

空襲は普通の人が住んでいる町の中であったようです

 

あいちゃんを探しにきた洋三くん

怖がるあいちゃんに

 

「あい、あきらめるな!」

「生きるためには強くなるしかない」

 

「強くなるってのは

なにも腕っぷしのことだけじゃない」

 

「心持ちってことだ」

「オレはずっとそうしなきゃって思ってきた」

 

「自分の足で逃げるしかない」

「自分の手で振り払うしかない」

 

「なにがあってもあきらめるな」

と言います

 

名古屋でも空襲が始まります

 

焼夷弾が街中に落とされます

 

名古屋の街は火に焼き尽くされます

 

なんとか空襲を免れて疎開する

あいちゃん一家ですが

 

疎開しても食べるものが手に入らず

ひもじい思いをします

 

疎開先で終戦を迎えます

 

出稼ぎに行っていたお父さんも

終戦で疎開先に戻ってきました

 

お父さんが

「みんなようがんばった」

「もう空襲で人が死ぬことはないんだな」

と話した言葉が印象的でした

 

あいちゃん一家は

大曽根のおばさんのところの

前の家が空き家になったので

急遽名古屋に戻れることになりました

 

お父さん、お姉ちゃんが就職

 

昭和21年

あいちゃんも仕事につくことができました

 

友だちや大切な人をなくした

あいちゃんや周りの人たち

 

街は焼けてなくなってしまい

新しいまちになりましたが

そこにいた人のことは忘れない

 

本の中に知っている地名がたくさん出てきて

物語にに引き込まれました

 

おざわゆきさんがこのお話を描いてくれて

ホントによかった

 

 

本日はこのブログにお越しいただきありがとうございます(^_^)