傘寿 まり子 第16巻 おざわゆき | 本に恋して❤

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自分が読んだ本を感想とともに残しておきたいと思いブログを始めました。

傘寿 まり子

第16巻

おざわゆき

 

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おざわゆきさん「傘寿 まり子」第16巻を読みました^ ^

 

これまでの感想はこちら

 

 

  • まり子さん(文芸誌編集長・作家)
  • こうじさん(まり子さんの息子)
  • 初子さん(こうじさんの奥さん)
  • ハヤトくん(まり子さんの孫)
  • 彩花さん(ハヤトくんの奥さん)

 

「私が幸田家をもう一度取り戻す!」

と決意したまり子さん

 

最初にすることは

いなくなってしまった

息子のこうじさんを探すこと

 

手がかりを見つけるため

家の中にあるこうじさん

持ち物を探します

 

こうじさんの持ち物を探し出し

私物が少ないことに驚くまり子さん

 

私物の中に手がかりになるものは見つからなく…

 

警察に相談に行きますが

息子さんを語った「詐欺」なのでは?

と言われてしまいます

 

警察も当てにならないと考え

幸田家で執筆することにしたまり子さん

 

クロとがあこも連れてきました

 

執筆していると

家からミシッミシッと音がします

 

「泣いているのかな」とまり子さん

 

壁のキレツの直し方を進藤先生に電話で尋ねたら進藤先生がおもしろがって家にきてくれました

 

進藤先生の動きが分かる蝶子さんも幸田家にやってきました

 

どんな能力^ ^

 

キレツを応急処置で直してくれた

進藤先生と蝶子さんとお茶を飲みながら

 

この家どうするの?と聞かれ

どうするもなにも連絡が取れない

と話すまり子さん

 

息子さんの性格からすると

会社には行っているんじゃないの?

と進藤先生に言われますが

 

警察に行方不明者届を出したので

警察から会社に連絡が行っていて

出社していないことはわかっています

 

「家ってなんでしょうね」というまり子さん

 

まり子さんも進藤先生も蝶子さんも

家で苦労した人たち

 

まり子さんは自分の居場所がなくて家出した人

進藤先生は奥様が亡くなりなにもする気が無くなって家にゴミが溜まった人

 

蝶子さんは作家として仕事がなくなっても買い物がやめられなくなって家にものが溜まってゴミ屋敷になった人でした

 

家によって人生が変わってしまう…

 

そんな大事なものを投げ出したこうじさん

なにがあったのか心配なまり子さん

 

 

 

幸田家のアルバムを見ていた蝶子さん

 

「それ家族です」

「一人だけメガネなのが嫁の初子さん」

とまり子さん

 

「えっ!」

初子さんを見て驚く蝶子さん

 

「蝶子さん知ってるの?」

とまり子さん

 

「えっと」

「やっぱ知らない人〜」

とごまかそうとする蝶子さんに

 

「知ってますね」

と詰め寄るまり子さん^^;

 

「あたいがよく行くバーのバーテンダーとつきあっているかも…?」

と蝶子さん

 

「バーテン?」

「ヒゲの?」

とまり子さん

 

「知ってんの?」

「今ヒゲないけどね」

と蝶子さん

 

「蝶子さんがよく行くバーのって」

「作家の大沢雅己くん?」

と進藤先生

 

「作家…?」

「もしかして」

とバタバタと走って本を取りに行き

 

「これ?」

と著者の写真を進藤先生と蝶子さんに見せる

まり子さん

 

本屋さんに行ったときに

同じ文学賞にノミネートされていた

大沢さんの本を購入していたまりこさん

 

初子さんが家出して身を寄せたのは

バーテンダーをしながら本を書いている

作家の大沢雅己さんでした

 

 

 

大沢さんが初子さんに

「対談オファーのメールくれた人も「幸田」だけど初子さんの親戚だったりしてー」

と言われパソコンをバッと見る初子さん

 

「やっぱ親戚?」と大沢さんに聞かれますが

 

「いえいえいえいえ」

「知らない人っ」

と否定する初子さん

 

大沢さんはまり子さんのこと

覚えていないみたい

 

対談は同じ文学賞にノミネートされたことによる「ライバル対談」ってとこだなとおもしろがって対談を受ける大沢さん

 

オンラインでそれぞれの家から対談することにしたまり子さん

 

進藤先生と蝶子さんもパソコンの横で

まり子さんを見守ります

 

大沢さんの家に初子さんがいるかどうかを

知りたいまり子さんは大沢さんに

グイグイ質問します

 

画面には映っていませんが

明らかに横に誰かいる話し方をしている

大沢さん

 

誰が横にいるのか知りたいまり子さん

 

「ボクの本どうでした」と大沢さんに聞かれ

 

「この物語は主人公が夢につまずき、

夜の仕事をしているとき出会った女性と

運命的な恋をするお話ですよね」

 

「これは実体験を元にしているんでしょうか」

とズバリ尋ねるまり子さん

 

あっさり「そうですよ」と答える大沢さん

 

もっとグイグイいけ〜と

小声で応援してくれる進藤先生と蝶子さん

 

「この小説にあったように

お相手と一緒に暮らしたり…」

とまり子さんに聞かれ

 

「当時好きだった人と

同棲していたことが下地になっています」

と答える大沢さん

 

「では今もそのような相手が?」

と聞くまり子さんに

 

「同棲してるかってことですか?」

とチラッと横を見る大沢さんが

 

「どうだと思います?」

と逆に聞いてきます

 

うろたえながらも

「大沢さんのようなステキな人なら

きっと向こうから女性が来ちゃうんじゃないかと」

と答えるまり子さん

 

ぷっ あはははと豪快に笑う大沢さんの横で

「向こうからきちゃった」

初子さんが顔を赤らめて座って聞いています

 

大沢さんもまり子さんに質問します

「ちなみに次はなにを書くんですか?」

 

「私いま欠陥住宅に住んでいるのよ」

「家族全員家出しちゃって」

「だから私いま一人でこの壊れた家に住んでるの」

とまり子さんの話を聞いていた初子さんが

 

「家族全員⁉︎」と驚きます

 

大沢さんは

「家に戻られたってことですか?」

とまり子さんに聞きます

 

「息子も行方しれず」

「最後に『母さんにあの家やるよ』と言い残して姿を消してしまった」

とまり子さん

 

パソコンに近づいてくる初子さん

 

まり子さんは

「だからここを私の家にするの」

 

「次回作はここをぜーんぶ直して

『まり子ハウス』を作る話よ!」

 

「インテリアもがらっと変えて」

 

「壁紙もがらっと変えて」

と大沢さんを通して

初子さんに話しているかのよう

 

大沢さんは

「先生がいま欠陥住宅にお住まいだとしても

先生が書かれた作品は家の束縛から解放される話でしたよね」

 

「次の本でもう家に戻るって言うのは」

「読者がガッカリしませんか」

とまり子さんに言います

 

大沢さんは

世の中は問題に備える(介護や遺産など)ことばかり要求されていているようだ

 

自分は一生自由で現役でいたいと話します

 

まり子さんは大沢さんに

「あなたのその考え方とても明朗ですばらしい」

「どうか貫いてほしい」

とエールを送ります

 

対談を終えたまり子さんに

蝶子さんからは

「嫁のこと追求しなくていいの?」

と言われますが

 

まり子さんは

初子さんがこうじさんのことや

家のことが気になって

絶対確かめにくるはずだと蝶子さんに言います

 

まり子さんは

大沢さんに次回作のことを話した手前

家を本格的にリフォームすることにします

 

不動産業を営むネットカフェオーナーさんに

相談してリフォーム業者さんに入ってもらいました

 

リフォーム業者さんが家の中に張り巡らした

ブルーシートの中を歩きながら

 

「わたし”待ち会”」

…待ち会(文学賞の結果の連絡を待つ会)

「ココでします!」

「このブルーシートの海の中で賞の結果を聞きます」

と言うまり子さん

 

「は⁉︎」「何言ってんの?」

とネットカフェオーナー

 

「私なんだかここが気に入りました」

とまり子さん

 

まり子さんの携帯電話がなります

 

警察からの電話でした

 

行方不明届が出ていたこうじさんが出社してみえるようなので一度出向いて確認してくださいというものでした

 

まり子さんはこうじさんの会社に急いで向かいます

 

会社にはまり子さんを知っている人もいるので会社近くのカフェでこうじさんの仕事が終わるのを待ちます

 

 

 

初子さんが幸田家の外でウロウロしています

 

カフェオーナーさんが

「工事やかましいですか?」

と初子さんに声をかけます

 

オーナーさんは初子さんのことを知りません

 

初子さんの後ろから

蝶子さんがカフェオーナーさんに

「しい〜」と口に人差し指を当てて

初子さんに近づきます

 

カフェオーナーさんは初子さんと話しを続け

蝶子さんが初子さんを捕まえます

 

 

 

 

こうじさんが会社から出てきたのを見つけて後をつけるまり子さん

 

こうじさんが生きていたことが嬉しくてうるうるしています

 

横断歩道の先に初子さんが待っています

後ろからはまり子さん

 

二人に気がついて

「えっ!」

「なに?この状況」

とうろたえるこうじさん

 

3人で喫茶店へ

 

まり子さんは

「こうじ元気そうでよかったわ」

 

こうじさん

「なんなんだよ二人していっぺんに」

 

初子さんは

「家に行ったらここにいけ」

と蝶子さんとカフェオーナーさんに言われました

 

まり子さんはこうじさんに

「なんか痩せたんじゃない」

とケーキを勧めますが

こうじさんは病み上がりだから

食べられないと言います

 

「えっ!」

と驚くまり子さんと初子さん

 

「胃潰瘍だった」

「一人で病院行って手術受けて手続きして退院した」

「退院した後はビジネスホテルにいてスーツとか日用品は貯金を引き出して買った」

と話すこうじさん

 

「体調はもういいの?」

と聞くまり子さんに

 

「たぶん」

と答えるこうじさん

「家出しても案外なんとかなるもんだな!」

 

「なんかどーでもよくなっちゃって」

「開き直って平気な顔で出社したら逆にみんなビビってた」

とさっぱりした表情のこうじさんに対して

心配そうな表情のまり子さんと初子さん

 

二人の表情を見て

「なんだよ」

「そんな目で見るなよ」

 

「もう幸田家は解散!」

と言うこうじさんに対して

 

ポカンとするまり子さんと初子さん

 

「これ一回言ってみたかった」

と言うこうじさん

「もう自分の人生に戻りたくない」

と言います

 

「自分はずっと脇役だった」

「家の中にはまずお母さん、そしてお父さん、オレはいつでもその次だった」

「オレは大黒柱に向いていなかった」

と話すこうじさん

 

子供のころ家出したことがあるこうじさん

 

こうじさんは家の物置にいました

 

こうじさんを見つけまり子さんがこうじさんにかけた言葉が

「つらかったね」

 

いまも家の奥でひそんでいたこうじさんをもっと気にかけるべきだったというまり子さんに

 

「やめて」

「いつまでも子どもあつかい」

「あのお母さんにあれ以上なにを期待しろって言うんだ」

と言うこうじさん

 

「私は嫌だった」

「そんなあなたたちの関係をうすうす感じてずっと落ち着かなかった」

「だからお義母さん出て行ってくれて心底ホッとした」

「はずなのに…」

「私は逃げた」

「逃げたのよ」

と話す初子さん

 

3人はそれぞれ言いたいことが言えてスッキリした様子

 

まり子さんは今度授賞式の待ち会をあの家でするのできてほしいとこうじさんと初子さんを誘います

 

「まさか」

「いやです」

と断るこうじさんと初子さんに

 

「だよねー」

「でも待ってる」

と言うまり子さん

 

 

孫の嫁の彩花さんにもリフォームを始めたことと待ち会のことをメールします

 

孫のハヤトくんは農業をするために友達のところに来ましたが農業が向いていなかったみたいで落ち込んでいました

 

グズグズ言っているハヤトくんに足蹴りをお見舞いし一人でも行くという彩花さん

 

二人の子供の宙くんが

「ママをいじめるな」

とハヤトくんに飛びついてポカポカ叩きます

 

「ママ、パパだいじ」

と宙くんがハヤトくんにしがみついて泣いています

 

ハヤトくんも泣いていて

それをみた彩花さんも泣いています

 

 

 

待ち会当日

欠陥住宅にたくさんの人が来てくださいます

 

くらはらさんがブルーシートにアートを描いたり

 

進藤先生、蝶子さん、ガリオくん、佐野先生、森崎さん

ちえぞうさん、編集者の斉藤さん、編集長、

商店街の人たち…

 

これまで登場した人が出てきて懐かしくて嬉しくなりました^ ^

 

最終話はまり子さんが文学賞を受賞できるのか…

家族は戻ってくるのか…

 

まり子さんがいろいろな壁にぶち当たり

それを「ヨッコラしょ」

と登っていくのが毎話、毎話

ホントに楽しかった

 

読み終わってしまうのが寂しかったですが

終わりかたも大満足なお話でした

 

 

本日はこのブログにお越しいただきありがとうございます(^_^)