参考資料829 | シフル・ド・ノストラダムス

シフル・ド・ノストラダムス

ノストラダムスの暗号解読

謎の“獣”は四匹
「『黙示録』の“獣”について耳にしたことのない人は、まずいないだろう。その正体は、約千九百年間ものあいだ人類を魅了してきた。予言者ヨハネが“獣”の幻を見たのは、パトモス島という小島に流刑にされ、大理石採石場で労役についていたときだ。この幻影は近年、全世界の映画、テレビの“ドル箱”となった感がある。
 映画“オーメン”シリーズは、製作者たちに数百万ドルもかせがせてくれた。西暦96年に幻視された幻が、宇宙時代の人間をこれほどまでに熱中させたとは、だれが信じられよう。実際には、問題の映画は、ヨハネの予言書に対する偏った誤解にもとづくものだ。もっとも映画製作者のために公平を期せば、その誤解の多くは神学者たちと同じだとひと言つけ加えねばなるまい。それに、映画製作者の目的は娯楽で、神学的に正確な論文を提供することではない。
“獣”が古今を通じて、どれほど“人気を集めた”かはじつに驚くほどである。自国語に『ヨハネの黙示録』が訳された国では、ほぼ例外なく“獣”の正体を探求する人びとが現れた。約千九百年ものあいだ、あらゆる世代が、“獣”とは何者なのかを明らかにしようとしてきた―――ふつう不運にも、この不名誉な称号を押しつけられたのは、同時代の社会とは相容れない生活習慣を持った不運な人間だった。
 西暦一世紀の有名な暴君、ローマ皇帝ネロを“獣”とした数秘学者もいる。ただし、その場合、彼の綴りをわざと変えて、数秘学的数値が求める数―――666になるようにしているのだが。同様にして、紀元前二世紀の古代シリアの“現神王”アンティオコス四世(エルサレムにゼウス神として自分の像を立てて反感を買い、ユダヤ人に反乱された)も“獣”とされたことがある。
 この666という数字に、長年のあいだ説教者や数秘学者は振りまわされてきたのだ。名前が問題の数666に近いと解釈される人間は、たとえそれが名前の綴りをつごうのいいようにいじくりまわした結果だとしても、この上なく邪悪な人物とみなされる危険に直面した。
 ナポレオンも“獣”とされたし、同じように、スターリンが、ヒトラーが、ムッソリーニが、ローマ法王たちが、ヘンリー・キッシンジャーがその名誉にこうむっている。それどころか、最近ではクレジット・カードの番号さえもだ(情報化社会ではコンピューターの“完全数字”6を基本に商品コードの作成やカードの処理が行われることをさす)!
“獣”の正体をめぐるたわごとは別にして、事実を言えば、予言者たちが予言したのは、“獣”と彼らが呼ぶ国家がこの神の摂理による最後の時代、“ハルマゲドンの戦い”の直前に出現するということだけである。しかし、予言者たちの言葉はきわめて明白なのにもかかわらず、“獣”が現れるというバカげた憶説はあとを絶たず、その正体を求める努力は熱気と勢いを失わないのだ。」
「Ⅴ・ダンスタンの終末大予言(下)」ヴィクター・ダンスタン著・幸島研次訳より

感想
>西暦一世紀の有名な暴君、ローマ皇帝ネロを“獣”とした数秘学者もいる。ただし、その場合、彼の綴りをわざと変えて、数秘学的数値が求める数―――666になるようにしているのだが。

本当はギリシャ語なのにヘブライ語に直してからゲマトリア(数秘術)を行っているらしい。
http://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-12018605532.html(ヒトラーのも面白いね。)

>ナポレオンも“獣”とされたし、同じように、スターリンが、ヒトラーが、ムッソリーニが、ローマ法王たちが、ヘンリー・キッシンジャーがその名誉にこうむっている。

ローマ法王説は以前に書いた事がある。http://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-11952989899.html(10巻91番の詩から下。)

>それどころか、最近ではクレジット・カードの番号さえもだ(情報化社会ではコンピューターの“完全数字”6を基本に商品コードの作成やカードの処理が行われることをさす)!

バーコードの場合だけど、同じ長さの線が3本あるから勝手に6にして666だと言っているんだって。
http://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-12019017257.html(因みに、イエス・キリストは今で言う新興宗教の教祖のような人物。従来のユダヤ教に対して自分が救世主だと名乗っていた。麻原彰晃みたい。)

>事実を言えば、予言者たちが予言したのは、“獣”と彼らが呼ぶ国家がこの神の摂理による最後の時代、“ハルマゲドンの戦い”の直前に出現するということだけである。

この人は人間ではなく国家だと言っているが、原文には人間を指すとあるけどね。因みに、麻原彰晃は、666はアメリカ国家でキリスト教徒だと述べている。
http://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-11277965790.html
私はノストラダムスのアンリ二世への手紙に「太った大型番犬」というのが出て来るが、それが「黙示録の獣」(人間)だと考えている。
http://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-11502808265.html
補足:2巻41番の詩にも出て来る。

7日にわたっての大きな星は燃えるだろう
空は2つの太陽を対にさせるだろう
太った大型番犬は一晩中遠吠えするだろう
偉大なボスが国を変えるだろうとき     (昔の自分の訳。)
http://www42.atwiki.jp/nostradamus/pages/647.html

おまけ