プーチン演説 その2 | かこちゃんのブログ

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下記の動画で、プーチン大統領はロシア連邦に併合される4州について「お帰りなさい」と言っていますね。どういう訳なのか、説明する人が日本では全くいません。

 

(参考映像)「一方的にウクライナ4州を”併合宣言” プーチン氏 式典で国歌を熱唱」2022/10/1 ANNnewsCH

https://youtu.be/vsHuoJ8Sexc

 

この度、ロシア連邦に入ることを宣言した4州は1922年のソ連邦成立以前はウクライナに属していない「ノボロシア」と呼ばれるロシア系住民が多数を占める地域だったのです。この地域は4州に加え、ハリコフ州、オデッサ州も含まれており、これがソ連邦崩壊後に民族的な諍いの背景となったのですね。

 

こうしたことから、日本では紛争はもちろん、前回と今回で紹介している演説などについて理解を深めるためには、どうしても最小限の説明を加えることが必要なのですね。そのため、以下の本文には筆者の判断で◆を文頭においた小見出しを理解の助けとなるように追加した他、解説は説明すべき部分に※を付して{}に入れて段落の後に挿入しました。

 

 

【2022年9月30日 ドネツク人民共和国、ルガンスク人民共和国、ザポロージエ州及びヘルソン州をロシアへ迎え入れることに関する諸条約への調印後のプーチン大統領演説ー②】

 

◆西側エリートの覇権主義は、明らかに、全体主義、独裁主義、アパルトヘイトの性格を帯びている

 

過去において、世界覇権への試みは幾度となく、我が国民の勇敢さと頑強さによって打ち砕かれてきました。ロシアはいつでもロシアであり続けます。私たちは今回も、私たち自身の価値を守り、自身の祖国を守ります。

 

西側は、何の罰も受けずに逃れられると考えています。実際、いままでは、彼らは何の罰も受けず、うまくやってきたのです。戦略的安全保障分野に関する諸合意は、紙くずとして破棄され、最高首脳レベルで合意したことが、根も葉もない噂とされてしまい、「NATOを東に拡大しない」という固い約束は、汚い詐欺であったことが分かり、対ミサイル防衛に関する条約と中距離及び短距離ミサイルに関する条約は一方的に、彼らの主張する言い訳のもとに、破棄されてしまいました。

 

周りからは、「西側はルールに基づいた秩序を擁護している」というような声を聞きます。どこからそんな主張が生まれてきたのでしょうか?誰が一体、そのルールとやらを実際に見たのでしょうか?誰がそのルールを作ったのでしょうか?言っておきますが、これは単にまったくの戯言です。まったくの嘘、ダブル、さらにはトリプルスタンダードなのです!完全に馬鹿にしているのです。

 

ロシアは千年の歴史を持った大国であり、文明であり、そのような誤魔化しの虚偽のルールに従って生きることはありません。(拍手。)

 

いわゆる西側諸国自身が、国境の不可侵原則を踏みつけにしてきたのであります。そして、西側諸国の判断によって、誰が自決権を持ち、誰には自決権が認められないのかが恣意的に決められています。誰が彼らにそのような権利を付与したのでしょうか。分かりません。おそらく自分たち自身でそのような権利があると考えているのです。

 

クリミア、セバスト―ポリ、ドネツク、ルガンスク、ザポロージエ、ヘルソンでの人々の選択が、西側諸国を激怒させているのは、そのような理由によるものなのです。西側諸国には、その選択を評価する倫理的権利もなければ、民主主義の自由について口にする権利すらないのです。それは今も、いままでも変わりません!

 

西側のエリートが踏みにじっているのは、国家主権と国際法だけではありません。彼らの覇権主義は、明らかに、全体主義、独裁主義、アパルトヘイトの性格を帯びています。西側のエリートたちは世界を勝手に分割し、自らの傀儡国家については「文明国家」と呼び、それ以外の国については、彼らの人種差別主義に従って、野蛮人、未開人と呼ばれるのです。そのためのレッテルとして、「ならず者国家」、「権威主義体制」というものが考え出され、国民全体、国全体にそのようなレッテルが貼られることは、すでに行われている通りです。西側のエリートらは、過去にそうであった通り、今でも、植民地主義者という点で、何も変わっていないのです。彼らは人々を差別し、諸民族を一等民族とその他の民族に分類するのです。

 

我が国は、そのような政治的ナショナリズム、人種差別主義を決して受け入れたことはありませんし、受け入れるつもりもありません。そして、現在世界に拡散されている嫌ロシア感情は、人種差別主義以外の何物でしょうか?西側の文明、ネオリベラリズムの文化こそが、全世界にとっての非の打ちどころのないモデルであるという絶対的な確信は、人種差別主義以外の何物でしょうか?「我々の言うとおりにしないものは、我々の敵である」というのはおかしなことです。

 

 

◆西側エリートのロシア憎悪は20世紀の「反植民地運動の先頭を担ったソ連=ロシア」の歴史的なたたかいが原因

 

西側のエリートたちは、自らの歴史的な犯罪についても、自国民や他国の国民に責任を押し付けようとしています。例えば、植民地拡大といったようなことも、それはエリートたち自身の判断であって、国民などはそれはまったく関係はないのです。

 

西側のエリートたちが考えなくてはならないのは、植民地政策は中世からすでにエリートによってはじめられたものであり、その後、国際的な奴隷貿易、アメリカにおける先住民族の虐殺、インド、アフリカの搾取、イギリスとフランスによる中国との戦争によって、中国はアヘン貿易に対して開港を迫られたということ、そういうことです。彼らが行ったことは、民族全体を麻薬中毒者にし、領土や資源のために民族全体を殲滅し、まるで動物を狩るようにして、人々を狩ってきたということです。これは、人間の本性、真実、自由、正義に悖る行為です。

 

私たちは、我が国が、20世紀における反植民地運動の先頭を担い、多くの国々に対して発展の可能性、貧困と不平等の撲滅、飢餓と病気の撲滅の可能性を開いてきたことを誇りとするものです(※)。

 

※{現在のプーチン大統領が代表する一種のナショナリズムは、共産主義指向のソ連邦への復帰をめざすものではありませんが、20世紀にソ連邦が登場する中で担った世界の反帝国主義運動の支援、「植民地解放」への貢献という面でソ連の屋台骨だったロシアが歴史的貢献をしたというプライドを前面に出していることは、銘記しておくべきです}

 

何世紀にもわたる嫌ロシア感情、西側エリートが隠そうともしないロシアに対する憎悪の原因は、まさに、植民地拡大の時期において搾取されることを拒んだこと、互恵的な貿易にこだわったことにも一端があります。その背景には、ロシアにおいて、正教、イスラム、ユダヤ教、仏教の偉大なる倫理的価値観に基づいて発展し、根付いてきた強力な中央集権国家、すべての人に開かれたロシア文化、ロシア的理性があったためです。

 

いままで幾度となく、ロシアへの干渉の試みがあったことは、皆様ご存知の通りです。17世紀初めのスムータ(大動乱)の時代も、1917年(ロシア社会主義革命の年)の後の混乱の時代も、そのような試みがありましたが、いずれもうまくいきませんでした。20世紀の終わり、国家が破壊されたとき(ソ連邦崩壊時)、西側もようやくロシアの資源に手を付けることができたのです。彼らは私たちのことを「友人」「パートナー」と呼びましたが、実際には植民地として私たちは取り扱われ、様々なルートで何兆ドルにのぼる資産が国外に吸い取られました。私たちはしっかりとそれを覚えています。何も忘れていません。

 

今日、ドネツクとルガンスク、ヘルソンとザポロージエの人々は、私たちの歴史的一体性を回復することを望んだのです。感謝いたします!(拍手。)

 

 

◆西側諸国が他国にもたらしたのは自由、民主主義ではなく抑圧と搾取、隷属と暴力

 

西側諸国は、他の国々に自由と民主主義をもたらすのだと、何世紀にもわたって主張してきました。しかし、すべてはまったくその反対なのです。民主主義ではなく、抑圧と搾取が、自由ではなく、隷属と暴力が広がったのです。なぜなら、一極秩序というのはすでにその本質からして非民主主義的なもの、不自由なものであり、嘘と欺瞞に満ちているのです。

 

アメリカ合衆国は、二度にわたって核兵器を使用した唯一の国で、日本の広島と長崎の町を破壊しました。これは自ら、前例を作り出したということでもあります。

 

アメリカはイギリスと一緒になって、第二次世界大戦中、何ら軍事的な必要性がないにも関わらず、(ドイツの)ドレスデン、ハンブルグ、ケルン、その他のドイツの都市を、廃墟へと変えました(※)。それは、繰り返しますが、何ら軍事的な理由からではなく、見せしめとして行われたのです。目的はたった一つ、日本への原子爆弾投下と同様、我が国、しいては全世界を、脅迫することでした。

 

※{1945年、ヨーロッパでの戦争がほぼ終わる時期にドイツの非軍事的ないくつかの都市に対してナチス・ドイツの戦争力を最終的に奪うための「戦略爆撃」と称して米英の空軍爆撃機部隊が市民殺戮を狙った絨毯爆撃を行ったことを指しています。特に45年2月13~15日のドレスデン爆撃は、4波にわたるのべ1300機の米英重爆撃機が合計3900トンの爆弾、焼夷弾を落とし、市街の85%を破壊し、その多くがソ連占領地や東欧から避難してきた市民で占められる2万5千人以上の犠牲者を出しました。軍事的には意味がなく、「東から進撃してくるソ連軍に対する将来の対峙を見越しての見せしめを狙った」と言われています}

 

アメリカは、朝鮮とベトナムに対する「絨毯」爆撃、ナパーム弾、化学兵器の使用で、おそろしいトラウマを残しました。

 

今に至るまで、ドイツ、日本、韓国、その他の国を事実上占領し続け、皮肉にも彼らは対等な同盟国と呼ばれています。それはいかなる同盟なのでしょうか?それらの国々の指導者は、職場だけでなく、自宅においても、盗聴されているということは、全世界が知っていることです。これは本当の意味で恥ずべきことです。それを行っている人々も恥じるべき行為を行っていますし、そのような行いをおとなしく従順に、奴隷のように、受け入れていることもまた、恥ずべき行為です。

 

アメリカの傀儡国家に対する命令、号令は、「欧州大西洋の連帯」と呼ばれ、生物兵器の開発、人間実験ーそれはウクライナでも実施されていますがーは、称賛されるべき医学的研究と呼ばれているのです。

 

アメリカは、自らの破壊的な政策、戦争、強奪をもって、今日の大規模な難民を作り出しています。数百万人が、貧困と嘲笑に耐え、欧州にたどり着こうとして数千人が死んでいくのです。

 

 

◆西側の覇権に異議を申し立てる国はすべて敵国に分類する米中心の一極支配

 

現在、ウクライナから穀物が輸出されています。「世界の貧困国の食料安全保障のため」という口実の下、それはどこに運ばれているのでしょうか。どこでしょうか?それは欧州諸国に運ばれています。貧困国に配分されるのは、たった5%にすぎません。ここでも詐欺と欺瞞がはびこっています。

 

アメリカのエリートは、彼らの悲劇を、自らに対立するライバルの弱体化、数々の民族国家の破壊のために利用しています。これは、欧州にもかかわることです。フランス、イタリア、スペインなど、何世紀にもわたる歴史を持った国々のアイデンティティに関わる問題です。

 

アメリカは、ロシアに対してさらなる制裁を要求し、大部分の欧州の政治家らは、それにおとなしく従っています。アメリカは、ロシアのエネルギーその他の資源から欧州を無理やり切り離すことによって、欧州における事実上の産業の縮小を通じて、欧州市場を手中に収めようとしている、ということを彼らは理解しています。欧州のエリートたちは、それを理解しているにもかかわらず、他国の利益に仕えることを選んでいるのです。それは従僕根性を通り越して、自国民への裏切りです。ただ、それは他の国のことなので、これ以上申し上げません。

 

しかし、アングロサクソンたちは、制裁だけではもの足らずに、破壊工作にまで手を出し始めました。信じられないことですが、これは事実です。バルト海の底を通る国際ガスパイプラインであるノルドストリームが爆破され、欧州にとって共同のエネルギーインフラの破壊に事実上手をつけたのです。このような行為によって得をする者が、行為に及んだというのは、明らかなことです。

 

アメリカの独裁は、赤裸々な力、腕力に基づいたものです。美辞麗句で飾られていることも、そうでないこともありますが、結局のところは、腕力なのです。それゆえに、世界のいたるところに軍事基地を持ち、NATOを拡大し、AUKUSなどの軍事同盟を次々に作り出しているのです。米韓日の軍事政治的関係も積極的に推し進められています。真の戦略的主権を有し、西側の覇権に異議を申し立てる能力のある国はすべて、敵国として自動的に分類されてしまうのです。

 

まさにそのような原則のもとに、アメリカとNATOの軍事ドクトリンが存在し、全体的覇権を目指しています。西側のエリートは、自らの新植民地主義的計画について、臆面もなく、平和主義だと主張しています。封じ込めという戦略が次から次へと考え出され、すべての主権を主張する国家、民族などの中軸を破壊しています。

 

すでに、私たちは、ロシア、中国、イランの封じ込めというドクトリンを聞いています。次はアジア、ラテンアメリカ、アフリカ、中東の各国にこれが向けられるでしょうし、アメリカの現在のパートナー及び同盟国にも向けられるでしょう。彼らは自らの同盟国に対してさえ、制裁を押し付けることは、すでによく知られていることです。その対象は銀行であったり、企業であったり、様々です。これはさらに拡大していくでしょう。その標的には、我が国の隣国であるCIS諸国も含まれています。

 

 

◆西側諸国の”うぬぼれ”の背景には、膨大なプロパガンダによる情報飢餓がある

 

それとともに、西側はすでに長い間、現実を都合の良いように解釈しています。ロシアに制裁を科すことによって、いつも通り、世界を思うように組みなおせると考えたのです。しかしそのようなバラ色の予想は、政治的マゾヒストや国際関係における非伝統的な形式の支持者を除いて、全ての人を共感させたわけではありません。多くの国々は、それに従うどころか、ロシアとの思慮深い協力を選んでいます。

 

西側はそのような不服従を予想していませんでした。いつもの厚かましさ、脅迫、買収、脅しでもって、型通りに行動することで、いつでもそのやり方が通用すると思い込んでいたのです。

 

そのようなうぬぼれの背景には、自らが特別であるという考え方だけでなくーもちろんそれだけでも驚くべきことですがー西側における情報の飢餓状態もあります。膨大なプロパガンダによる神話、幻想、フェイクの海のなかで真実が見えなくなり、ナチスのゲッベルスがかつて振りまいたような嘘が出回っています。嘘は大きければ大きいほど、それだけ受け入れられやすい、というわけです。

 

しかし、まだ刷られていないドル札やユーロ札で人々を食べさせることはできません。また、資産価値で膨らみあがった西側のソーシャルネットワークというバーチャルな方法では、住居を暖めることはできません。私の申し上げることはすべて重要なことですが、今申し上げたことも重要なことです。紙切れでは人々を食べさせることはできません。そのためには食糧が必要です。資産価値では誰も暖をとることはできません。そのためにはエネルギーが必要です。

 

滑稽なことに、自分たちが振りまいた嘘のために欧州の政治家は、国民に対して、食べる量を減らし、シャワーの回数を減らし、家では厚着をするよう説得しなくてはなりません。そこで、「なぜこのようなことになっているのか」というまっとうな問いを発する人は、すぐに敵であり、過激派であり、ラディカルであると言われてしまいます。ロシアを指さして、これが皆さんの不幸の源です、というわけです。これも嘘の上塗りです。

 

 

◆西側諸国の変わらぬ価値観、覇権主義は戦争によって歴史的に立ち直る経験を繰り返した

 

西側エリートによって、ウクライナにおける特別軍事作戦のずっと前から、数世紀にわたって行われてきた政策、まさにそのせいで発生している世界の食糧危機、エネルギー危機から、西側エリートは建設的な出口を求めようとしていないようです。不公平、不平等の問題を解決するつもりはないのです。彼らは、他の、いつもの常套的手段(力の政策)を使おうとしているのではないか、懸念されます。

 

指摘しておくべきなのは、20世紀初めの苦境から、西側は第一次世界大戦によって立ち直ったということです。第二次世界大戦の利益によって、アメリカは最終的に大恐慌を克服し、世界最大の経済大国になり、国際通貨としてのドルの覇権を確立したことも銘記すべきです。1980年代においては、西側秩序はまたも崩壊しつつあったのに、最終的には崩壊したソビエト連邦の遺産と資源を手に入れることによって、試練を乗り越えたこともまた、事実です。

 

現在の状況を打開するためには、西側諸国は何としてでもロシアを崩壊させ、主権的発展の道を歩もうとする他の国家を破壊し、その資産を奪い、それによって自らの赤字を埋めることが必要と考えているのです。それがうまくいかなければ、システムそのものを破壊しようとするかもしれませんし、「戦争はすべてを帳消しにする」という、良く知られた方法をとるかもしれません。

 

こうした状況の下、ロシアは、国際社会に対する自らの責任を自覚し、そのような人々の頭を覚ますために全力を尽くします。

 

 

◆西側の新植民地モデル固執は何十億人の権利、倫理、規範、宗教、家族の否定を導いている

 

 

現在の新植民地主義的なモデルが最終的には破綻することは明らかです。しかし繰り返しますが、権力者は最後までそれにしがみつこうとするでしょう。彼らにとって、その強奪と横領のシステム以外になにも他の選択肢はありません。

 

彼らは、人類の大部分を占める何十億人の生来の権利、自由と正義のための権利を踏みにじり、自らの未来を自ら決める権利を踏みにじっています。いまや彼らは、倫理規範、宗教、家族をまったく否定しようとしているのです。

 

とても簡単な問題を考えてみましょう。すでに申し上げた問題に戻りましょう。この場にいらっしゃる方々だけでなく、全国民に考えていただきたい。この私たちの国において、母親と父親の代わりに、「親 No.1」、「親 No.2」、「親 No.3」としたいのでしょうか。小学校の低学年から、堕落と滅亡に向けた価値観を教えるのでしょうか。女性と男性のほかに、何らかのジェンダーが存在し、性転換手術をすすめるような、そんな教育を望むでしょうか。そのようなことを自分の国と子供たちに望むのでしょうか。私たちは、それを受け入れることはできません。私たちにはもっと別の、自らの未来があるのです。

 

繰り返します。西側エリートの独裁は、西側諸国自身の社会に対しても向けられています。これはすべての人にとっての挑戦です。そのような人間の否定、信仰と伝統的価値の転倒、自由の抑圧は、「反対の宗教」、つまり明白な悪魔崇拝の性格を帯びています。山上の垂訓においてイエス・キリストは、偽預言者たちをあばいて、良い実によって良い木を知る、と述べています。そして悪い実のことは、我が国のみならず、西側の多くの人々を含めた、すべての国の人々にとって、明らかなのです。

 

世界は、革命的変革の時代に入りました。それは基礎までをも揺るがすものです。新しい発展中心が形成され、国際社会の多数派を代表し、自らの利益を宣言するのみならず、それを擁護し、多極世界に自らの主権を強化する可能性を見出し、真の自由、歴史的展望、自決の権利、創造的で独自の発展のための権利、調和的プロセスへの権利を得ることができるのです。

 

欧州、そしてアメリカを含む全世界において、すでに申し上げた通り、私たちと考えを同じくする人々がいます。彼らの支援を感じ、目にすることができます。先進国の社会においては、すでに一極覇権に対する解放運動、半植民地主義運動が始まっています。その主体性はますます増大するでしょう。この力こそが、将来の地政学的現実を左右することになるのです。

 

 

◆独裁と専制を永遠に過去のものとするために

 

尊敬する友人である皆さん!

 

今日、私たちは公正で自由な道を目指して戦っています。それはまずもって、私たち自身、ロシアにとっての道であり、独裁と専制を永遠に過去のものとするための闘いです。自分だけが特別であると信じ、他の文化と国民を抑圧しようとする政策は、犯罪的な政策であることは、すべての国々とその国民が理解しています。私たちは、この恥ずべきページの次のページをめくらなくてはなりません。すでに始まっている西側の覇権崩壊は、もう止まりません。もはや、今までのようにはいかないのです。

 

運命と歴史によって宿命づけられた戦場は、私たちの民族、歴史的存在としてのロシアのための戦場なのです。(拍手。)この歴史的存在としてのロシア、次世代の子供たち、孫たち、ひ孫たちのための戦場です。隷属化、残酷な実験、意識と魂をなくしてしまうような実験から、彼らを守らなくてはなりません。

 

いま、私たちは、ロシア、ロシア国民、ロシア語、私たちの文化を、歴史から消すことが出来るなどという考えが、誰の頭にもこれから浮かぶことのないように、戦っています。今日、社会の団結が必要であり、その団結の土台になるのは、主権、自由、正義しかありません。私たちの価値は、人類愛、慈悲、共感です。

 

演説の最後に、真の愛国者であるイワン・アレクサンドロヴィッチ・イリインの言葉を引用したいと思います。

 

「私がロシアを自らの祖国と考えるとするならば、それが意味するところは、私はロシア的に愛し、観照し、思考し、ロシア的に歌い、話すということ。ロシア民族の精神的な力を信じることである。その魂は私の魂であり、その運命は私の運命である。その苦しみは私の心痛であり、その繁栄は私の喜びである」

 

その言葉の背景には、偉大な精神的な選択、千年以上にわたるロシア国家の歴史の中で、何世代もの祖先の人々が選んできた選択があります。いま、我々がこの選択をし、ドネツク、ルガンスク両人民共和国の人々、ザポロージエ州、ヘルソン州の人々がこの選択をしました。彼らは、自らの自身の民族であることを選択し、祖国と共にいる選択をし、自らの運命に従って生きる選択をし、そして、勝利する選択をしたのです。

 

真実は私たちとともにあり、ロシアは私たちとともにあるのです!

 

(拍手)