なぜ努力は続かないのか

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楠木健氏の心に響く言葉より…

 

 

才能は一朝一夕には手に入らない。

 

習得するための定型的な方法も教科書も飛び道具もな い。

 

だからといって、ごく一部の天才を別にすれば、「天賦の才」というわけでもない。

 

 

あっさり言ってしまえば、「普通の人」にとって、才能は努力の賜物である。

 

余人をもって代えがたいほどそのことに優れているのは、それに向かって絶え間なく努力を投入し、試行錯 誤を重ねてきたからに他ならない。

 

当たり前の話だ。 

 

 

これは当たり前であると同時に元も子もない話でもある。

 

「質量ともに一定水準以上の努力を絶え間なく継続する」といっても、それができないのが「普通の人」だからだ。 

 

 

なぜ努力は続かないのか。

 

その理由は、努力がインセンティブを必要とすることにある。

 

インセンティブとは 「誘因」。

 

文字通り、ある方向へとその人を誘うものだ。

 

 

それはしばしば外在的に設定された報酬という形をとる。

 

報酬は何もおカネや昇進に限らない。

 

人から褒められる、承認されるというのもまた報酬である(非経済的報酬)。 

 

 

なぜ努力をするのか。

 

その結果として「良いこと」がある(もしくは、努力をしないと「悪いこと」が降りかかってくる)と事前に知覚しているからだ。

 

ようするにインセンティブは、鼻先にぶら下げられたニンジン(もしくは、お尻を打つ鞭)である。 

 

 

インセンティブがあれば人は努力する。

 

しかし、裏を返せば、インセンティブが効かないと努力をしなくなってしまう。

 

ここに重大な問題がある。 

 

 

立ち上がりの段階では、インセンティブは効果を発揮する。

 

努力して要求水準を達成すれば、期待した「良いこと」が手に入る。

 

これが成功体験となり、次の「良いこと」に向かってますます努力するようになる。 

 

 

しかし、遅かれ早かれ、インセンティブには終わりが来る。

 

資源が限られている以上、 単調増加的に給料を増やし続けることはできない。

 

どんなに「フラット」で「フレキシブル」で「アジャイル」で「オープン」でも、組織はしょせんピラミッド。

 

ポストには限りがある。 

 

昇進のご褒美を与え続けるわけにもいかない。

 

 

毎度毎度褒められていれば、そのうちそれが当たり前になってしまう。

 

インセンティブの効果は時間とともに低減していく。

 

 

すべては「好き嫌い」から始まる 仕事を自由にする思考法 (文春e-book)』文藝春秋

すべては「好き嫌い」から始まる 仕事を自由にする思考法 (文春e-book)

 

 

 

 

 

 

楠木健氏は「努力」より「凝る」だ、という。

 

それが「無努力主義」。

 

「本人がそれを努力だとは思っていない」状態に持ち込むこと。

 

別の言い方をすると「努力の娯楽化」。

 

 

客観的に見れば大変な努力投入を続けている。

 

しかし当の本人はそれが理屈抜きに好きなので、主観的にはまったく努力だとは思っていない。

 

これが最強の状態だ、という。

 

 

林学が専門の東大教授でありながら、巨万の富を築き上げた本多静六氏は、それを「仕事の道楽化」という。

 

「人間最大幸福はその職業の道楽化にある」と。

 

 

「努力」しなければ、と思っているうちは続かない。

 

「努力」ではなく「凝る」こと、すなわち、「気がついたら、何時間も経っていた」という趣味のようなものだ。

 

 

 

「なぜ努力は続かないのか」

 

仕事に限らず、何かを「継続する」には、「努力」ではなく・・・

 

「娯楽化」や「道楽化」という言葉を胸に刻みたい。

 

 

 

すべては「好き嫌い」から始まる 仕事を自由にする思考法 (文春e-book)

 

 

 

 

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