藤尾秀昭氏の心に響く言葉より…

 

 

 

《不易流行》

 

 

不易(ふえき)とは、変わらないということである。

 

万古(ばんこ)不易、千歳(せんざい)不易ともいう。

 

時代がいくら変わっても不変なものがある。

 

また変えてはならないものがある、ということである。 

 

 

流行とは、時とともに移り変わっていくもの、また変えていかなければならないもののことである。 

 

俳人芭蕉は奥の細道の旅でこの言葉を体得、発句の理念とした。 

 

『去来抄(きょらいしょう)』の中でこう言っている。 

 

 

「不易を知らざれば基立(たち)がたく、流行を辨(わきま)へざれば風あらたならず」 

 

不変の真理を知らなければ基礎が確立せず、時代の流れを知らなければ撥溂(はつらつ)とした句は作れない、ということである。 

 

俳句に限らない。不易流行は人生の原理である。 

 

世の中は不易流行のバランスの上に成り立つ。

 

変えるものと変えてはならないものをどう見極めるか、そこにあらゆる生命の盛衰(せいすい)がかかっている。

 

 

以前、こういう話を聞いた。

 

ある人が地方都市に旅行し、市役所の人に古くからある神社を案内してもらった。

 

その神社は五十年前に修復を行い、百の会社が協賛、寄付をしてくれた。 

 

さて、五十年経ったいま、そのうち何社が残っていると思われますか、と市役所の人に質問された。

 

 

残ったのは、たった一社である。

 

それも業態を変えて、残ったのである。 

 

では、百年後に生き残れるのはどれくらいか。

 

千社のうち二、三社が定説である。

 

生存率〇・二、三パーセント。

 

企業という生命体を維持発展させていくことがいかに難しいかをこの数字は示している。 

 

 

その中で何百年にもわたって存続発展しているところがある。

 

『致知』にご登場いただいた裏千家、虎屋はともに五百年近くの伝統を有している。

 

ちなみに日本には二百年以上続いている会社が三千社ある。

 

韓国はゼロ、中国は九社だという。 

 

 

何百年も続く老舗を観察すると、共通のものがあるように思える。 

 

 

一つは創業の理念を大事にしていること。 

 

その時代その時代のトップが常に創業の理念に命を吹き込み、その理念を核に時代の変化を先取りしている。

 

 

二つは情熱である。

 

永続企業は社長から社員の末端までが目標に向け、情熱を共有している。 

 

 

三つは謙虚。 

 

慢心、傲慢こそ企業発展の妨げになることを熟知し、 きつく戒めている。 

 

 

四つは誠実。

 

誠のない企業が発展した験(ためし)はない。 

 

 

いずれも不易の基をなすものである。

 

その不易を遵守(じゅんしゅ)していく ところに生命の維持発展がある。

 

 

小さな修養論』致知出版社

小さな修養論

 

 

 

 

 

 

「棒高跳びのバーは常にあげられてゆく これを超えねば競争場裡より去らねばならぬ」 

 

経営難に陥っていた東芝を建て直し、その後経団連の会長になった土光敏夫氏の言葉だ。 

 

 

時代の変化という、バーの高さに対応できなければ、会社の存続はできない。

 

変えなければならないことと、変えてはいけないこと。 

 

これはまた、人生でも同じだ。

 

 

「不易流行は人生の原理」という言葉を胸に刻みたい。

 

 

 

 

小さな修養論

 

 

 

 

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