名指揮者の名盤・名演奏(35)/オットー・クレンペラー⑥/ベートーヴェン/ミサ・ソレムニス 他
今回は、オットー・クレンペラー指揮によるベートーヴェンの作品の中から「ミサ・ソレムニス」と、歌劇「フィデリオ」全曲などについて書いてみます。クレンペラーのベートーヴェンというと、これまで紹介した作品の他にも、ユーディ・メニューインとのヴァイオリン協奏曲、ダニエル・バレンボイムとのピアノ協奏曲全集(全5曲)、合唱幻想曲、レオン・フライシャー/ケルン放送交響楽団とのピアノ協奏曲第4番などが手元にあるのですが、いずれもクレンペラーの重厚なオーケストラとの共演が聴きものです。今回は、紹介のみで、出来ればメニューインについては、そのうち『名ヴァイオリニストの名盤・名演奏』を計画した時にでも紹介したいと思います。また、バレンボイムのベートーヴェンについても後から『名指揮者の名盤・名演奏』 あるいは『名ピアニストの名盤・名演奏』を計画し、紹介できればと思います。<ミサ・ソレムニス(荘厳ミサ曲)作品123>クレンペラーが指揮した「ミサ・ソレムニス」ですが、少なくても下記の5種類の録音が残されています。①ウィーン交響楽団/ウィーン・アカデミー合唱団 ※ウィーン・フィルハーモニーとの表記もあるが? イローナ・シュタイングルーバー(S) エルゼ・シュールホフ(Cont) エーリヒ・マイクート(T)、オットー・ヴィーナー(Bs) 1951年3月8~12&15日録音 (VOX)②ケルン放送交響楽団&合唱団 ハンブルグ北西ドイツ放送合唱団 アンネリース・クッパー(S)、ジークリンデ・ワーグナー(A) ルドルフ・ショック(T)、ヨゼフ・グラインドル(Bs) 1955年6月6日 ケルン(ライヴ)③アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団、合唱団 エリーザベト・シュヴァルツコップ(S)、ナン・メリマン(A) ヨーゼフ・シマーンディ(T)、ハインツ・レーフス(Bs) 1957年5月17日 アムステルダム(ライヴ)④フィルハーモニア管弦楽団、合唱団 エリーザベト・ゼーダーシュトレーム(S) マルガ・ヘフゲン(Cont) エルンスト・ヘフリガー(T)、ゴットロープ・フリック(Bs) 1963年、ライヴ録音 Testament⑤ニュー・フィルハーモニア管弦楽団&合唱団 エリザベート・ゼーダーシュトレーム(S)、マルガ・ヘフゲン(A)、 ワルデマール・クメント(T)、マルッティ・タルヴェラ(Bs) 1965年9,10月 EMI これら5種類のうち、HIROちゃんが架蔵しているのは②のケルン交響楽団他と、⑤のニュー・フィルハーモニア管弦楽団他の2種類ですが、やはり鑑賞するなら⑤の1965年録音のステレオ盤でしょう。■ケルン放送交響楽団&合唱団 ハンブルグ北西ドイツ放送合唱団 他■ニュー・フィルハーモニア管弦楽団&合唱団 他1965年録音のステレオ盤はLPレコードとCDが手元にあります。下記は東芝から発売されたLP2枚組のセットで当時の価格は4,600円!よくもこんな高額なレコードを買ったものだと・・・レコード番号 EAC-77255~56こちらは EU のEMI輸入盤CDと、宗教音楽集のBOXからの1枚です。ただし、BOXのワーナー盤は音があまり良くありません。 この曲は、教会のミサで歌われることはほとんどなく、おそらく演奏会用として作曲されたものでしょう。演奏時間も長く壮大なミサ曲です。この1965年盤ですが、これまでも名盤として多く語られてきたので、あらためて書くこともないでしょう。ここでは独唱者陣も素晴らしいのですが、ヴィルヘルム・ピッツの指揮したニュー・フィルハーモニア合唱団のバランスのとれた迫力と重厚な響きの声、まさに「荘厳」であり、名演でしょう。特にGloriaと、Credoは圧巻。また、Benedictusでのヴァイオリン独奏が印象的でとても美しい。 間違いなく名盤・名演奏です。残念なのは録音がイマイチ・・ 1965年なら、もう少し良い音がするはずなのですが・・<歌劇:フィデリオ全曲>クリスタ・ルートヴィヒ, ジョン・ヴィッカーズ, ヴァルター・ベリー, 他フィルハーモニア管弦楽団&合唱団 1962年2&3月録音 普段は得意ではない苦手なオペラですが、久しぶりに全曲を聴いてみました。クレンペラーらしい重厚で壮大な演奏です。何故か荘厳な宗教的な歌劇を聴いているようにも感じます。クリスタ・ルートヴィヒの歌唱も素晴らしいのですが、このフィデリオでも前記のミサ・ソレムニス同様、独唱陣の歌より合唱部分が抜群に素晴らしい。ただ、残念なのは「レオノーレ序曲第3番」が収録されていないことかな・・<その他、協奏曲>前記の2曲の他にベートーヴェンの作品としては下記の協奏曲が手元にありますが、いずれもクレンペラーの重厚なオーケストラとの共演が聴きものです。今回は紹介のみとします。■ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品61 ヴァイオリン:ユーディ・メニューイン ニュー・フィルハーモニア管弦楽団■ピアノ協奏曲(全5曲)&合唱幻想曲 ・ピアノ協奏曲第1番ハ長調 Op.15 ・ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.19 ・ピアノ協奏曲第3番ハ短調 Op.37 ・ピアノ協奏曲第4番ト長調 Op.58 ・ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 Op.73「皇帝」 ・合唱幻想曲 ハ短調 Op.80 ピアノ:ダニエル・バレンボイム■ピアノ協奏曲第4番ト長調 Op.58 ピアノ:レオン・フライシャー/ケルン放送交響楽団では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。オットー・クレンペラーの名盤・名演奏は、まだまだ続きます。次回は・・・う~ん・・・ブラームスの作品?・・それとも・・?