今回は「名指揮者の名盤・名演奏」は、オットー・クレンペラーのブラームス交響曲等について簡単に書いてみます。

現在手元にあるクレンペラーのブラームス作品のライブラリーは、下記のものだけで多くはありません。交響曲は「オットー・クレンペラーの芸術」として、東芝EMI(株)から発売された1枚1,500円の廉価盤LPレコードです。同じ音源でCDでも架蔵しています。

 

  EAC-40050                        EAC-40051

EAC-40052                          EAC-40053

 

 

 

 

交響曲 第1番 ハ短調 作品68

 ①ケルン放送交響楽団(1955年ライブ)

 ②フィルハーモニア管弦楽団(1956年、57年)

交響曲 第2番 ニ長調 作品73

 ①フィルハーモニア管弦楽団(1956年

 ②ベルリン放送交響楽団(1957/01/21ライブ)

交響曲 第3番 ヘ長調 作品90

 ①ウィーン交響楽団(1956/03/08 ウィーンライブ

 ②フィルハーモニア管弦楽団(1957年)

交響曲 第4番 ホ短調 作品98

 フィルハーモニア管弦楽団(1957年)

ハイドンの主題による変奏曲

 ①ィルハーモニア管弦楽団(1954年)

 ②ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(1957/02/7ライブ)

大学祝典序曲 作品80

 フィルハーモニア管弦楽団(1957年)

悲劇的序曲

 フィルハーモニア管弦楽団(1957年)

アルト・ラプソディー 作品53(1962年)

  クリスタ・ルートヴィヒ (m-sop)

  フィルハーモニア管弦楽団・合唱団

  (男声合唱)(合唱指揮: ヴィルヘルム・ピッツ

ドイツ・レクイエム 作品45 (1961年)

  エリーザベト・シュヴァルツコップ (S)

  ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ (Br)

  フィルハーモニア管弦楽団・合唱団

  (合唱指揮: ラインホルト・シュミット)

ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 作品83

  ピアノ:ケザ・アンダ/ケルン放送交響楽団(1954/04/05)

 

 今回は交響曲を中心に書いてみます。クレンペラーの演奏するブラームスの交響曲ですが、全4曲ともに晩年のような遅さはありません。どちらかというと少し早めのテンポといっても良いでしょう。

 ケルン放送交響楽団との1955年ライブの第1番や、翌年の1956年ウィーン交響楽団とのライブによる第3番などは、モノラル録音ですが、雄大な造形と構成力で、生き生きとした迫力もあり、なかなか聴きごたえのある演奏です。

 しかし、じっくりと鑑賞するならば、ここは左右両翼の配置によるオーケストラの音をステレオで楽しむためにも、フィルハーモニア管弦楽団とのステレオ盤を聴くべきでしょう。

 

交響曲第1番

第1楽章から重厚で力強い演奏ですが、全曲を通して安定した演奏です。寂寥感のある第2楽章では木管楽器の音色が美しく、第3楽章、第4楽章のテンポは意外と快速で推進力があり、特に終楽章はかなりの迫力です。バランスの取れた演奏だと思います。

 

交響曲第2番

最近、とても好きになって聴くことが多い曲です。

よくブラームスの「田園」などとも言われていますが・・・

第1楽章や、終楽章ではスタジオでのセッションとは思えないくらいの迫力があります。

抒情ゆたかな第2楽章、リズミカルでチャーミングさも感じる第3楽章、そして終楽章では堂々とした壮大な響きで終わります。

 

交響曲第3番

淡々としながらも重厚で堂々とした力強く始まる第1楽章、どっしりと構えた演奏、第2楽章ではヴァイオリンの旋律と共に、木管の古びた感じの音色が魅力的だ。第3楽章は冒頭のチェロから落ち着いた開始で、緊迫感もある。後半でのホルンのソロはデニス・ブレインかな?・・ホルンの後の木管も素晴らしい。終楽章はとても緊張感のある演奏の中で静かに終わります。全体的としては穏やかな演奏にも感じますが、説得力のある、クレンペラーのブラームスの中ではなかなかの名演ではないでしょうか。

 

交響曲第4番

なかなかの名演、スタジオでのセッションとは思えないくらいクレンペラーの心情が入った演奏です。冒頭の弦楽器の憂いに満ちたメロディーがとても印象的。第2楽章は素朴ながらも美しい演奏。第3楽章、ここではトライアングルが、かなり活躍し効果的で劇的な楽章と言えます。バロック様式を取り入れた変奏曲の第4楽章、次々と変奏されていく様は圧巻と言えるでしょう。これも名盤。

 

ドイツ・レクイエム

この曲は、もともとが暗く重い曲ですがクレンペラーが演奏すると、オーケストラは重厚で、重い曲がさらに重くなり、かなり暗く、陰鬱な感じにもなるのですが、レクイエムだから、このような表現で良いのかもしれません。何度も聴く曲ではないかもしれません。声楽陣ではシュヴァルコップと、D・F.・ディースカウの歌唱も素晴らしいのですが、いつも思うのですが、フィルハーモニア合唱団はバランスや声質も揃っていて表現が素晴らしい合唱団だ。

 

アルト・ラプソディ

この録音は昔から名盤とされていたもの。クリスタ・ルートヴィッヒの感情を込めた深い歌唱、クレンペラーのオーケストラの伴奏、そして合唱団の音色がバランスよくうまく溶け込んだ演奏と言えるでしょう。

 

大学祝典序曲

悲劇的序曲

これらの小品でもクレンペラーは真面目に正面から取り組んでいます。

特に大学祝典序曲では堂々たる演奏で、曲が変わるたびにテンポも大きく変化し、聴いていて面白い。

 

次回もクレンペラーの続きです・・さて何を書こうか・・?

ブルックナー? マーラー?  シューベルト?  メンデルスゾーン? 

シューマン? それとも・・・まだまだですね・・

では、今日は、このへんで…HIROちゃんでした。