その2
天気が回復して気持ちも落ち着いたせいか、
日中ダラダラして散々寝たのに改めてぐっすり眠れました。
足も冷たくならなかったし!!
目が覚めたら、外が異様に明るい事に驚いて、
慌てて外を覗いてみたら、満月ドーン!!
時計を見たら12時ドーン!!!
これは自然の神の導きに違いない!
動け!と言われてるとしか思えない。
と直感したので迷わず動きました。
深夜12時すぎにお湯を沸かして腹ごしらえ。
いつもはあまり気にしないけど、
なぜか今食べた方が良いと感じてコンビニおにぎりを2個食べる。
飲み物はインスタントコーヒー(笑)
腹がこしらえられたら、身支度をこしらえる。
吊るしておいたコンプレッションタイツは当然濡れ濡れ。
エイヤ!と思い切って履いてみたら、モウモウと水蒸気が上がる。
人の体って暖かいんですね~。
さすがに半袖Tシャツだけでは寒そうなので、半袖の上に薄手のフリースを着る。
暑くなったら脱げば良いだけ。
指先が冷えそうだったので長指グローブは付けた。
今日の荷物は昨日と違って超軽量!
水と行動食とサプリメント。
あとは携帯とライト。
ライトは基本的には使わない。
満月で明るいので目が慣れれば見えそう。
ナイトハイクのすすめ という本を読んで以前からやってみたくて、
今回が実際に試せるチャンス!と感じたのでした。
テントの脇を抜けていく時に明かりで起こしてしまう可能性もありますからね。
ひっそりと旅立つのが大人ですよ!!
てな事で、深夜の1時に行動開始(笑)
御池に写り込む満月
携帯だときれいに映らないのが残念!!
ライトを点けなくても十分に足元が見えます。
人間の目ってスゴイと感じました。
ライトを点けてしまうと照らされた部分しか見えなくなってしまい、
かえって視野が狭くなる。
自然の明るさ(暗さ?)に目が慣れてしまえば、
想像するよりもかなりの広い範囲が見えます。
とはいえ、昼間のように見える訳ではないので
慎重に足を置いたりと、いつもよりも丁寧に歩くので
速度的には遅くなるものの、安全性は上がっているのかも。
草すべりの急斜面をゆっくり登っていくと
御池小屋の明かりがどんどん小さくなってゆき、
一つの明かりが動き出すのが見えました。
同じように朝早くから動き出す人がいたようです。
こっちから向こうは見えるけれど、向こうからは見えないよな~
ステルス ステルスと思いつつ。(笑)
かなり遠いけれど、小さな点の明かりを見てしまっても
眩しく感じてしまうくらいこちらの目の感度は高くなってます。
肉眼でははっきり見えてますが写真にすると判りにくい。
右に富士山、真ん中に甲府の夜景が見えてます。
北岳方面には満月
満月が眩しすぎる。
稜線に到着!
ルートがはっきりしているので安心して歩けます。
進行方向に満月があるのが邪魔だと思えるくらい明るい状態。
手で満月を遮りながら、逆光状態で歩きます。
肩の小屋には一張りテントが張られてました。
あの雨の中上ったのかと思うとスゴイとしか言えない。
甲府盆地の奥には東京の夜景が見えてます。
京急に乗ってても天気が良ければ白峰三山が見えるんだから
逆もありますわな。
肩の小屋
何が何だか判らない(笑)
そして、北岳山頂
午前3時ごろ
遠くの明かりは飯田市あたりでしょうかね?
山頂に先人が一人いました。
顔の見えないまま、ちょっとだけ話をさせてもらうと
この時間に山頂にいるのが好きなのだという。
わかる~!!
独り占めだもんね~!!
間ノ岳行ってきまーす!と言って先に進みます。
夜に頑張った満月はもうすぐ沈みます。
北岳山荘もかなり近づいてきました。
東の空は赤くなり始めました。
4時ごろです。
富士山もくっきり
振り返って北岳
明りが一つ下ってきます。
北岳山荘に泊まった人達も動き始めたので山荘はスルー
もう完全にライトいらず。
ノーライトの稜線歩きは楽しかったぁ!
満月で充分明るかった事もあって、全く危険は感じませんでした。
人間の体って本当にスゴイっ!
来るよ、来るよ~
富士山も良い感じ
奥秩父の山々と朝焼けがカッコええ~
北岳もカッコええ~!
来たぁ~!!
4時30分頃
3055m 中白根でのご来光
この先の、同じく3055mの岩稜と富士山の三角コラボ
ちょっと先に進んで、もう一度コラボ
明るくなったのでお花畑もはっきり見えるようになりました。
谷底に吸い込まれそうな感じが良いですね。
雪渓の先に北岳
先ほどまでは見上げる北岳でしたが、
だいぶ目線の高さが近づいてきました。
北岳もだいぶ遠くに。
甲斐駒はずっと遠くに感じます。
雪渓の向こうに富士山
仙丈ケ岳
中央アルプス方向
仙丈から繋がっている手前の尾根も気になりますね~。
稜線歩きが楽しそう。樹も多そうだし。
影自撮り
もうすぐ間ノ岳頂上
間ノ岳 到着!! 5時15分くらい
山並みが綺麗だ~!!
4m高い北岳が随分と低く見えてしまう。
山頂にて、歩いてきたルートを振り返ります。
農鳥岳(左端)と南の南アルプス
山頂のすぐ裏に雪渓
雪渓越しに富士山
雪渓と北岳
行動食をつまみながら一休み。
日本で4番目に高い山頂で360度の展望を満喫します。
気持ち良い~!!
ちょっと風がありましたが、東側に回ったら無風状態。
日差しもあってとっても快適!!
これも昨日の停滞のおかげです!!(笑)
間ノ岳山頂を後に、また北岳に戻ります。
広範囲のお花畑が綺麗です。
甲斐駒を背後に従えた北岳
三角コラボ
行く時はスルーした北岳山荘
うわぁ~ ここのテン場も良いですね~!!
ここまで担いで登って来れる自信は・・・
近づいてきて見上げるようになってきた北岳
花を見ながら登ります。
キタダケソウが判らないので、いろいろ撮ってみる。
キタダケソウは見てないようです。チーン!!
振り返って、
行く時には見えなかった 間ノ岳への稜線
良いですね~
3000m級の稜線をこんな快適な天気の日に歩けるなんて。
とても梅雨入り2日目とは思えない。(後で知ったけど)
そして再び 北岳山頂 8時頃
北岳~間ノ岳 往復5時間
ほぼ標準コースタイム
昨年、最後の登頂の時もドライフラワー越しに撮ったような気がします。
鳳凰三山、その奥の奥秩父の山々が綺麗だ~!!
この時期は 華(花)がありますね~
覗き込んで、大樺沢
白根御池も、広河原も見えます。
お気に入りの八本歯の先の池山吊尾根にもまた行きたい。
おねーさんに撮ってもらいました。
白峰三山の2座とその稜線を満喫出来たので、
満足度150%で下ります。
行きは何が何だか判らなかった北岳肩の小屋
肩の小屋のテン場をインプレッション!
本当はここに1泊する予定でしたが、やっぱり無理!!
草すべりの急斜面を重い荷物を背負って登れる気がしない。
軽さは正義だという事を実感しました。
甲斐駒に続いているように感じる小太郎尾根
ここの尾根は好きだなぁ!
仙丈と甲斐駒を左右に見て、滑り落ちてゆく感じの谷が良い
稜線歩きはここで終わり。
これ以上無いんじゃないかってくらい良い環境で楽しめました。
草すべりを下る予定でしたが、
お気に入りの大樺沢二俣経由で帰る事にしました。
南側から見るのとは全く違った北岳の様子が良いですね。
ダケカンバの根曲がり具合が最高です!
根曲がり萌え~!!
右俣の雪渓の脇を下るようになると、二股はまもなく!
下から見上げる大樺沢も迫力あります。
二つの巨大な沢が合流する二俣
左の大樺沢を登るグループがいました。
この時期でもアイゼン必携な八本歯ルート。
二俣からは急いで白根御池に戻ります。
当然、テントはそのままで出発したので
撤収もしなければなりません。
昨日の雨でガッツリ濡れてますので、
ただ仕舞えば良いってもんでもありません!
しかも、広河原発のバスは 12:15 発
それを逃すと、16時まで4時間後。
ここは是非とも12時台のバスに乗りたい。
白根御池について時計を見る事も無く、
ひたすら撤収に集中!
とはいえ、テントの底はびっしょびしょ!
焦りながらも乾かしつつ粛々と撤収をして、
パッキング出来たら間髪入れずに御池を後にします。
食べる物を食べて、多少軽くなったはずだけれど、
稜線を歩いていた時とは背中の重みが違います。 泣
慌ててコケて怪我をしてしまったら元も子も無いので、
そこは慎重になりつつ、
とはいえ、ガッツリ稜線歩きで楽しんできた疲れも出てきて
パワーダウンは明白。
サプリメントと梅干で誤魔化しつつ慎重に下ります。
下りてくると太鼓の音が聞こえてきました。
広河原で開山祭をやっているようです。
なんとかコケもせず、ケガもせず
無事に下りて来れました。
最後の吊り橋
ジュラシックパークから無事に帰還 (笑)
あとはバスの時間に間に合えば・・・
舗装路を早足て歩いてロータリーに行くと、
バスがいた!!!
チケット売り場でチケットを購入してバスに向かいます。
5人目の乗車でした。
ターミナルの脇では開山祭のイベントとして
無料でお蕎麦を配ってました。
バスに荷物を乗せてから、まだ出発まで時間があるというので
ダッシュでお蕎麦を頂きに行きます。
天ぷらまでついてて、思わぬごちそうでした!
大急ぎで食べてバスに戻ります。
定刻よりも若干遅れて、バスは広河原を後にし
問題無く芦安に戻りました。
初日はどうなる事かと思いましたが、
フタを開けたら、最高の山行となりました。
もしかしたら、間の岳は
このシーズン一番乗りの登頂だったかも?
すれ違った人もいなかったし、昨日の雨では・・・、
どうなんでしょ?
ま、それはどうでも良いとして、
ナイトハイクの楽しさを十二分に満喫できたし、
このシチュエーションでそれが出来た事。
一泊二日で無事に戻れた事。
もう大大大満足の山行となりました。
雨キャン、重荷の厳しさも身に沁みましたしね。
いろいろと問題点もありましたが、
楽しかったぁ!!!!!
梅雨の走りとしてはこれ以上に無い最高の山行でした。
ありがとう!! 白峰三山 3分の2だけど。