AKB48G☆マジすか学園☆乃木坂46☆欅坂46☆櫻坂46☆日向坂46☆好きな 「かつブログ☆」 -178ページ目

マジすか学園3☆#2ー8☆

東京港
芝浦埠頭ー

レインボーブリッジを見上げる絶好のロケーションに

潮風にあおられ、セーラー服の少女が二人と特攻服の少女が一人。どちらも、闇に溶け込むような灰色の影。


「前田を喰った!?」


「まったく、話にならんかったで…。全然、手、出してこんかったし…拍子抜けや」

ディーヴァ十二将
グレイの特攻服の近藤リナの報告に、キノハルは、さもありなんという表情。

「なるほどな…。まだ、喰べ頃やなかったみたいやな…」


「どうゆう意味や!?」


「そのまんまの意味やで」


「なんや!?前田が、本気やなかったってことか!?」

気の強さが、言葉にも態度にもあらわれるリナ。受け流すキノハル。

「そういうことや…。前田を熱くさせるには、それなりの準備が必要なんや…。じっくり、じっくり…な。そんでもって…、しっかり、燃えてもらったとこを…、おれが喰う!」


「前田の担当は、おれや!」


「お前じゃ、本気の前田には勝てへんわ」


「何っ!?ちょい待てや!ちょっと、総帥に気にいられとるからって…」


「やめとき!キノハル!…すまんな、こいつ、まだ、子供なんや…」

黙って聞いていた
キノハルのお目付役的な立場の岸野リカが、二人の間に割って入り、キノハルをたしなめ、リナの機先を制する。
本来、ディーヴァの軍師的な役割の少女。大人っぽい顔立ち。

キノハルは、幼顔ではあるが、実力は、十二将でもトップクラスの折り紙付きだ。ディーヴァ総帥の寵愛もあつい。

気まずい空気も
どこ吹く風。天真爛漫を絵に描いたような少女ー木下ハルナ。

「あーあ…早く、“アレ”届かへんかなー」

そしたら、始められるんやけどな…と
暗い海を、遠足前の子供のような面もちで見つめるキノハルだった。







「ぐはっ!おれたちが…、たったひとりに…」

暗い路地裏で、マジすか女学園の生徒が、数人、倒れている。
黒のニットカーディガンの少女が、
最後のひとりを倒し、冷たい視線をおくり、言う。

「うぬぼれたら、あきまへんえ」


同じく、マジすか女学園の生徒、横山ユイだった。
背後から、パチパチと手を鳴らしながら、ネズミがユイに近づく。


「作戦は、順調っスね。次は…」


「“まだまだ”なやつらばっかやねぇ。ほなね」

次の標的を聞き、つまらなそうに、ユイは、帰っていった。

ネズミは、その後ろ姿を見るともなく見送る。

顔を覆う灰色のフードの奥の、暗く、深い、底なしの…瞳。

(世界は…わたしの手のひらのなか…)

マジすか学園3☆#2ー7☆

「きゃー!ケンカよー!」

泣き叫ぶ塾帰りの女子高生。有名進学塾の前。午後十時。


「サワコさん!早く!」
サワコと呼ぶ少女の手を取り、泣き叫ぶ女子高生とは逆に、野次馬に加わろうとする好奇心旺盛な同じく塾生の中俣シオリ。

「君…、喧嘩が好きなのか?」

男装が似合いそうな、すらっとした美形の
秦(はた)サワコが、嘆息する。前髪をかきあげながら。茶色のブレザーは都内随一の進学校のもの。


「お互い、受験生ともなると、ストレス溜まるでしょ?わたし、プロレスとか格闘技、テレビで見るのも好きだし」

かわいらしい、いかにも女の子の中俣が、サワコを見上げるように言う。

「プロレスと喧嘩を、一緒にしてるのか、君は…」
やれやれといった表情。

野次馬の中で、頭ひとつ出ている長身のサワコ。ショートカットが小顔によく似合う。


衆人環視のなか
喧嘩をしていたのは、二人の少女。


青いスカジャンの少女。内には、マジすか女学園の制服。

マジすか女学園、二年、
松井ジュリナ。


対するはー


矢場久根女子高校、一年、

市川ミオリ。

矢場久根女子校の新総長。
サドを沈めたー

ツインテールの…悪魔。

喧嘩の原因は、通りすがりに、目があった、ただそれだけのこと。


情勢は、ミオリがおしていた。

圧倒的にー。


おそろしいものを見るように、遠巻きから眺める野次馬たち。

ミオリの背中には、どす黒いオーラが吹き出してみえた。

無秩序で、無慈悲な拳が唸る。悪魔の拳。

ジュリナの両腕のガードをすり抜ける。いとも容易く。血にまみれる顔。視界がぼやける。

(軌道が…、読めねー…)

身軽さを発揮し
距離を取ろうとするも、瞬時に詰められる。防戦一方のジュリナ。いままで、味わったことのない、迅く、そして、重みのあるパンチ。天性の勘のみが、致命傷を防いでいた。
よろめく。
ギリギリ、意識を保つ。

(も…、もっていかれる…)


「お前のほうから仕掛けといて、この程度か!お前も、サド同様、“病院おくり”にしてやるよ!」



(サド…?)

ジュリナの両腕のガードが下がる。

悪魔が、その隙を見逃すはずがなく、黒い拳がとぶ。

「死ね!」


ジュリナの
つぶれかけた瞳に光が宿る。

初めて、その拳を左掌で完全に受け止めたジュリナ。


「そうか…、お前だったのか…」


ジュリナの右拳が閃く。閃光のような右ストレート。


間一髪かわした
ミオリの左の髪の束がほどける。ツインテールがハーフツインに…。


「サドには悪いが…、お前は、おれが…ぶっ潰す!」

怒りを込めて、ジュリナは、激しく言い放った。

マジすか学園3☆#2ー6☆

「海の向こうの世界でも…、愛が…壊れ始めている…」


六本木にあるよく当たると噂の完全予約制占星術ショップ。

通称ー魔女の館。


現時点で、峯岸みなみが、次期生徒会長になれないことを知っているのは、館の主人ー六本木の魔女と呼ばれる彼女だけだろう。未来を視る能力を持つー漆黒の衣に切れ長の瞳ー元ラッパッパ副部長。


「…日本では、すでに嵐が吹き荒れている。闇の嵐。灰色の空…」

しなやかで艶やかな指の先には、タロットカードがあった。

【悪魔】のカード。

DEVIL…


D…


「前田…、あなたは太陽…。あなたが皆を照らし、闇を振り払うのです…灰色の闇を…」

大島優子の代わりではなく、あなたはあなた。

前田敦子。マジ女のてっぺん。

(ただ、あなたひとりのちからでは、この未曽有の危機を乗り越えることは困難…。まだ、ピースが足りない…。そのために…、あの子たちには、イヤな役回りをさせてしまいました…)



ガチャ…

古びた木製の扉を開く音。


「ここに来れば、強くなれるって聞いてきたんだけど」

ぶっきらぼうに言う
学ランを先頭に、大歌舞伎、小歌舞伎、だるまが、順番に、はいってきた。

「本当に強くなれるのかい?」

「あたしたち、強くなりたいんです!」


「強くならんと…、いかんのや…」


四人の決意が、言葉の端々、からだ全体にあふれている。魔女は、全身が震えるような希望を覚えた。

だが…


「気持ちはわかりました…。しかし、気持ちだけで強くなれるものではありません…。下手をすれば、死ぬことも…」


1を10にするのは簡単。しかし、11を20にするのは難しい。
つまり、実力がある者ほど、飛躍的な強さを得ることは難しい。それぞれの限界というものがある。キャパシティ。

トップアスリートが、世界記録を、0.1秒、1センチ、更新するようなもの。並大抵の努力では、到底おぼつかない。


“死”というフレーズを聞いても、平然としている四人。覚悟は、すでに出来ていた。ほんの少しでもいい。強くなれるなら…。


(わかっては、いました…。あなたたちが、死ぬことなど、恐れるはずがないということは…。なぜなら…、あなたたちは…、私たちの後輩…マジ女の生徒なのだから…)


喧嘩で負けるくらいなら、死を選ぶような者たちだということをー。


「奥へ…進みなさい」





マジすか女学園
吹奏楽部室ー


前田の目の前が、血で染まっていた。血の赤。

決意表明に来た前田を襲った悲劇。

前田が、部室にはいったとき、すでにー

ラッパッパの四人

昭和、ジャンボ、アニメ、ライスが、見るも無惨な姿で、やられていた。
部室内はメチャクチャに荒らされている。

窓ガラスは割られ、椅子は倒され、楽器が散乱していた。


壁には、血文字で大きく、Dと…。


怒りにまかせて
前田は、その壁に向かって、左の拳を、ぶち込んだ。

決意の瞳。


「ディーヴァ…ゆるさねぇ…」