スペイン インタビュー編 その2 (103) | Across The Border (国境を超えて)

スペイン インタビュー編 その2 (103)

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前回の話で、スペインを表す言葉は
「情熱的」なのではないか?
と思ったところまででした。

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Ann:スペインの「飛び地」のことは
    初めて知りました。


    スペインの黄金期のなごりでしょうか?

    そしてスペイン内には イギリスの飛び地があるということで
    興味深いですね。


MASA:確かに、一般的には「飛び地=黄金期のなごり」

     と考えますよね。


     しかし、スペインの場合、少々意味合いが異なります。

     この飛び地を取得した過去の経緯・・・


     それは、異教徒(モスリム)勢力から

     奪還した国土を守る意味に置ける


     【最重要防衛線】であり、死守すべき【前線基地】


     であった訳です。


     実に700年にも及ぶ時間を、
     人生観(宗教観)の異なる異教徒に
     征服されていた訳です。


Ann:日本も神道、仏教、キリスト教が
    政治と関わってきましたが、
    「異教徒」という表現はちょっと
    日本人にはしっくりこないですね。


    そもそも日本人自体の信仰心がそれほど強くないですし。


アルハンブラ
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画像From: http://office.microsoft.com/en-us/images/




MASA:異教徒から国土を奪還した際に、


      【(アフリカ(現モロッコ)に)押し戻した土地】


     に戦略拠点を残しておくというのが、
     国家規模での防衛本能でしょうね。。。


     すでに征服されていた期間と相応の年月を、
     飛び地として領有していますが、、、


     ちなみに、ジブラルタルのイギリス領。
     こちらは、「黄金期のなごり」に近いものですね。


     イギリスが「スペイン無敵艦隊」を撃破した際に、
     奪って領有した訳ですから。


     そのほかに、イギリスはアイルランドの一部にも

     領有した国土があります。


     それを「領有」というか「固有」と言うかには、
     かなりの問題がありますが・・・

     イギリスの正式名称は


     【グレートブリテン及び北アイルランド連合王国】


     この「北アイルランド」というのがこれに該当します。


     実のところ「IRA」という現イギリス領アイルランドの
     奪還を過激に唱える組織によって
     度々テロがおきております。


     実はヨーロッパには、まだ危険が数多く
     内在している訳ですね。


Ann:テロということであれば、2004年のマドリードの
    列車爆破がありました。
    200人近くが亡くなりました。

   今はどこへ行っても安全というところはなくなりましたね。


   スペインは少し前までは、世界の中でも移民受け入れが
   多かったそうで、人口の10%以上だと言うことです。


   たとえばスイスに行けば、「豊かな国」という
   印象があると思うのですが、スペインは
   「豊かな国」か「貧しい国」か どんな感じなのでしょう?


MASA:「豊かな海産資源」

     「肥沃な土壌」
     「そして海路上の重要拠点(地中海の出入り口)」

     この三つの普遍的条件を持つスペインは、
     決して「貧しい国」ではないと思います。


Ann:確かに恵まれた環境の国ですね。


MASA:ここ一年ほど、残念ながら金融危機で
     経済界を騒がせてしまっていますが、
     国家の安全性を債務で表現した場合、
     スペインより日本の方がよほど重傷です、、、


     重傷を通り越して、もはや存在しているのが
     不思議なレベルです、、、

     僕は、スペインという国家と国民の底力を信じています。


Ann:今、日本もアメリカも大きな問題をたくさん
   抱えていますね。


   世界で、どこかがダメになったら、
   連鎖してしまうことが大きいので、
   どこもがんばって欲しいと思います。


   ホテルは一般にヨーロッパのほかの国と比べて
   観光地では、高いのでしょうか?安いのでしょうか?


MASA:スイス、イギリスより絶対的に安価であり、

     イタリアやフランス、ドイツ等と同等です。

     観光地における飲食その他の相場観も、同様でした。


Ann:物価はヨーロッパのほかの国々と比べると
    どんな感じなのでしょうか?


MASA:通貨が異なっていたとき、それぞれの国のインフレ率と

     紙幣表記額面はイコールコンディションでした。


     つまり、
     「発行紙幣の「ゼロ」の数」
     で見る基準です。


     インフレが進むと、見た目でやたらな高額紙幣が
     刷られ始めます。


     しかし、実質価値は他国と変わらない・・・

     コーラやマクドナルドなどのナショナルブランドで
     その実質価値は計る事が出来ます。


Ann:はい。それ わかります。
    どこにでもあるマクドナルドは

    いい物価の基準になりますね。


MASA:「通貨を統合する」

    ということは、この問題点の解決でもあり、
    周辺国との共同歩調が不可欠となります。

    これは必然的に、物価価値も一定化することとなります。


    したがって過去に生じた事のある


    「隣国への嫉妬」
    「隣の芝が青く見える」


    といった問題が希薄化するという意味合いを持ちます。


    多少飛躍しますが、戦争というヒステリックな発想からの
    根本的脱却を目的としたわけです。


    人類がこの先、数世紀に渡って
    この地上に存在し続け反映をもくろむのならば、

    必ずや通貨の統合は必要不可欠となるでしょう。。。

    そもそも、国家規模で通貨が異なるというのは、
    ナンセンスな事であるとも言えます。


Ann:為替で儲けたり、損をしたりするというのは
    何かおかしい気もしますし・・・


MASA:ヨーロッパには、今後の地球が目指すべき

     未来の姿があるのかもしれませんね。



バルセロナ ガウディ

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