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ハートフリースペースのSimple days

心と体はひとつです。体が不調な時、心は何かを訴えている。 心が不調な時、体は何かを訴えている。
心と体に耳を澄ませて、ラクに、シンプルに生きることを大切にしませんか。

いつもことですが、お久しぶりです

 

来週末の3連休は

日本ゲシュタルト療法学会(JAGT)の大会があります

「トラウマケアに果たすゲシュタルト療法の役割」というテーマで

東日本大震災を経験した仙台で開催されます

興味深い講演やワークショップもあり

一般の方も参加できますので、詳細は次のリンク先をご参照ください

日本ゲシュタルト療法学会10周年記念大会

 

JAGTが発足して10年になります

私はこの3月で理事の任期を終えて次代にバトンタッチしたところです

「学会をつくりたい」

「学歴や肩書ではなく真摯にゲシュタルト療法に関わる人々に開かれた学会を」

という仲間の意に賛同し、期待もしながら

立ち上げ準備から事務局として運営を手伝うことにしたのです

 

微力ながらも私がその役割を担うことができたのは

長年の企業勤めで担当した様々な仕事の経験があったからでした

もう必要がないと思っていた

ノウハウやスキルや経験が私を支えてくれましたし

何よりたびたび「アチャ~」なミスもする私を

信頼してくれた先輩たちを含む仲間たちが私を支えてくれました

紆余曲折いろいろな困難も経験しましたが

こうして10年目のバトンを無事に渡せたことにホッとしています

 

まだまだ整備することの多い学会ですが

次世代の仲間たちが意義のある団体へと舵を取っていってくれることでしょう

願わくば

JAGTがゲシュタルト療法の実践者たちだけでなく

広く必要とする人たちに届くよう社会に開いた学会になっていってくれますよう

 

ひとつの役割は終わりましたが

人間の学びは、もちろんカウンセラー・セラピストとしてのの学びも

一生涯です

急がず、惜しまず、誠実に生きていきましょう

こころあらたに思う日々です

 

 

今日の横浜は気温が少し高くなり
澄んだ空と陽射しの輝きが眩しい日です

昨日のことです
約束の場所に向かうためにタクシーに乗りました

運転手さんは
道に不案内な私に
目的地までのルートを丁寧に説明しながらこんな話を聞かせてくれました

長年観光バスの仕事をしてこられた方で
九州の一部を除いた全国を隈なく走られて
1時間以上の休憩がある時は
土地土地の温泉を楽しまれたそうです

そんな話の途中で 
澄んだ空にくっきりと富士山が見えました

「お客さん、あの富士山見えるでしょ。今日は何もかもがスッキリといく一日だよ」

「私らには大事なことなんだ。富士山は女の神様でな、仕事の道中で富士山と連なる山々が、今日みたいにスッキリと見える日は一日がスムーズなんだ。いい日だと安心さ。雲がかかったり、霞んで見える日はな、ちょっと、こりゃ気をつけなあかん、ってね」

「だからさ、お客さんの今日もさ、きっといい按配だよ。あのスッキリした富士山が見えたからな」

運転手さんの言葉が胸に沁みました
お陰様で気持ちよく
とてもいい仕事ができました

これも自然の力を借りることで
生きる力を育むひとつだと実感しました

ゲン担ぎや占いや風習など
人によって、土地によって、時によって様々ですが

このような方法でも自然の力を借りながら
自分を励まし、時にいさめながら
生きる力を育んでいるのですね


新年おめでとうございます。
横浜はさわやかな晴天の続く
暖かい三が日でした。
みなさまには
どのように新年を迎えられたでしょうか。
お仕事だった方もいらっしゃいますね。

今年の仕事始めは札幌に来ています。
札幌も例年より暖かな年明けだったようです。
ゲシュタルト療法・札幌のみなさんと
「新しい年を自分らしく生きる」
というワークショップ・タイトルを共有して
今日も一人一人の
涙も笑いもあるプロセスが
真摯に、豊かに、育まれました。
明日もまたどのような出会いが生まれるか
とても楽しみです。

私と私の家族にとっては
痛みと向き合う新年となりました。
痛みと共にありながら
ふと顔を上げた時
青い空にスーッと鮮やかな飛行機雲を見ました。
太陽の暖かな光が冬の街や木々を照らし
その光を全身に浴びていることに気づいて
そう、痛みがあり深刻だけど最悪じゃない
と思いました。
こうして美しさを感じることのできる世界に生きていることを思い出すことができました。

かつてクリスに聞いた仏教僧の言葉を思い出します。
「人生に痛みはある。その痛みに苦しみを加えるのは人間自身である」

その通りですね。
現実を受け止めて
私にできるだけの最善を尽くしましょう。

札幌のみなさんと共有する
豊かで温かな時間に私自身も育まれている
仕事始めにこの場を与えられて感謝です。

今年もどうぞよろしくお願いします。

雲の切れ間に時折神々しくまぶしい光を届けてくれた太陽も沈み

大みそかもあとわずかです。

 

さまざまな出会い、その方々と過ごすさまざまな瞬間が

今年も私自身が目覚めていられるようサポートしてくれた

と実感しています。

 

今年は久しぶりにお会いする方々が複数いらっしゃいました。

10数年ぶりのAさんがこんなふうにおっしゃって下さいました。

「色々困難もあるけど、時々ホームページを見ては、ああ、まだやっている、ここがある、と確認することで支えられてきました」

Bさんは

「以前のように今は特にせっぱつまってはいないけど、何だか毎年年賀状を書くみたいに12月になると来るのが私には大事。来ると1年を振り返ったり、今の自分を確認できたりもする」

数年ぶりのCさんは「結論を出す前に、他にも選択肢があるのか、本当にこうしたいのか確認しようと、ここに来る場所があることを思い出したんです」

 

こなふうに訪ねていただけることを知って

命を与えられたことをつくづく感謝する瞬間がいくつもありました。

 

ゲシュタルトとセンサリーアウェアネスのワークショップを通じて

共有できたかけがえのない気づきの一瞬一瞬も

私の血肉になっていると感じます。

オーガナイズする機会、リードする機会を与えられたことにも

心から感謝です。

 

プライベートではレビー小体型認知症の母から

大切なことを教わり続けています。

一言で言えば

人間にとって一番大切なのは尊厳だということになるでしょうか。

認知症で記憶想起に変調があっても

精神の健全さは失われない、という確信にもつながります。

 

この1か月

予期しない環境の変化で症状が進行してしまった母の

繰り返す「やさしい」という言葉が印象深く心に響いています。

 

「やさしくしてくれるから助かるの」

「ああ、やさしい言い方ねぇ・・・」

「あなたがやさしいから・・・」

「やさしいわね、いいの?」

 

これらの言葉は

母が現実を認識している瞬間も、記憶がどこかへ行っている瞬間も

つまり私を私と認識している状態でも

私を見知らぬ人と認識している状態でも

どちらであっても聞かれます。

そして

私が何か特別なことをした時ではないのです。

ただ話に耳を傾けたり

言葉を探しているのを待っていたり

時間をかけて大丈夫だと伝えたりしている時なのです。

 

認知症のケアで「ユマニチュード」が提唱されて大分たちますが

これは認知症患者に対して人間らしく接するケアの方法です。

「ユマニチュード」が効果を上げているのは

母の「やさしい」という言葉に表現されることと共通すると思います。

 

認知症の方の症状の改善には

一人の人間として大事にされた、と感じることが

大きく影響するということでしょう。

そして

これは認知症に限らずあらゆる場合に当てはまる

と私は考えています。

 

母に対しても

さまざまに出会ってくださる方々に対しても

私にできることは決して万全ではなく、限られていますが

これからも誠実に、丁寧に、できることをしていきましょう。

こう思えることが、とてもとてもありがたい。

 

今年も1年間ありがとうございました。

みなさま、どうぞ良いお年をお迎えください。

 

 

 

今年の夏は世界的に気温の上昇が起きていることが

報道からわかります

局地的な自然災害も大きな爪痕を残しています

私たちが異常気象、異常な事態といった

「異常」という言葉を使う時の多くは

過去のデータに照らして「大きく違う」と感じている時

その「違う状況」が不快である時ですね

 

「変な天気だね」

「異常気象だね」

「こんなことなかったね」

この数年たびたびこんな会話を交わしながら

私の中ではっきりしてきたのは

こんなふうに物事は変化していくんだなぁ

という実感です

それは

変化は突然一方的に起きるものではなく

相互作用だという実感なのです

 

こころと身体が相関関係にあるように

人間と地球も同じですね

今は物理学の量子論でも説明がされていますが

ゲシュタルト療法でも「場の理論」において

人の行動は「場」の影響を受けるものだと説明しています

 

私たちの生活を見れば一目瞭然

産業革命以降、人間社会は大きく変化してきて

特にこの50年の変化の大きさと速さは

誰もが認めるところでしょう

それと呼応するかのように

気象現象(だけではありませんが)もまざまざと変化しているし

その変化がさらに私たちの生活に影響します

 

地球40億年を紐解けば

地球と地球に生きる生物の変化こそが歴史です

 

必ずしも快適とは言えない変化の時代に生きている今

一人ひとりが何を考えるのか

少しでも心地よい選択をするためにも

まずは自分と繋がり内なる声に気づくことが

ますます大事だなぁ…と思います

 

 

センサリーアウェアネスについて

せっかくなのでもう少し話したくなりました

その特徴を一言で言えば

いわゆるメソッドではない、ということでしょうか

 

方法論を持たないことが方法だと言えるかもしれません

 

この実践の創始者(ギンドラー)は名前をつけませんでした

センサリーアウェアネスという名前は

ギンドラーの教えをアメリカに持ち帰って広めた

シャーロット・セルバーが名づけたものです

 

ここからは単なる私の考えに過ぎませんが

方法論は当然「AのためにBをすると効果がある」あるいは

「Bをすると、Cという結果が得られて、Cという結果が、Dにつながる」

のように、目的や方向を指し示すものです

 

筋トレのいくつもの方法を思い浮かべると

わかりやすいかもしれません

-------

椅子に腰かけて足をまっすぐ上げる

床に横になって足と上半身をV字型に上げる

横になって膝を曲げて足裏を床につけ、頭を上げる

-------

どれも腹部筋肉増進や筋力維持という目的のための方法です

それぞれの背景には

腹部の「この部分」に効果がある等の方法論があります

 

センサリーアウェアネスはこういった方法論を持たないのです

なぜでしょう?

 

「感覚の気づき」は、すでに私たちに在るものです

痛み、熱っぽさ、かゆみ…

これらの感覚には馴染みがあるでしょう

この感覚に気づくから必要な手当てをする選択ができるのですが

どのような手当てをするかは

その時の状況、状態によって、あるいは

同じ状況、状態であっても人によって違いがあるでしょう

 

だから

センサリーアウェアネスは感覚の気づきを探求するだけなのです

方法論を持とうとすれば

かえって豊かな自在さを邪魔してしまうでしょう

 

「わたし」である身体、感覚と繋がり

「わたし」以外(環境・他者)との関わりに生きている「わたし」が

気づきから何がわかり、どのように選択肢が広がり

何を選択するのか

それは本当に一人ひとりによって

その時その時によって違うのですから

 

そして

その選択はすでに「わたし」の中に始まっていて

ただ気づいていないだけなのかもしれないのですから

 

良かったら

SAJ(SensoryAwarenessJapan)のサイトに体験記があります

 

 

 

昨日、ソマティック心理学が発展してきていると書きましたが

その発展の系譜をまとめてくれた本があります

 

ソマティック心理学とは何か、に始まり

関連分野

科学的基盤や諸理論

各領域とアプローチの概説

今後の可能性を見渡すところまで

順を追ってやさしい言葉で整理されていて、わかりやすいです

 

センサリーアウェアネスや

ゲシュタルト療法も解説されています

 

目次の最後に

ソマティック心理学アプローチの相関関係図や

系譜を世代順に一覧にしてくれているのも

学術的な関心のある方や

心理療法全般に関心のある方には

参考になると思いますので、紹介しておきます

 

ソマティック心理学 久保隆司・著 春秋社・刊

 

 

 

心と身体の相関関係が注目されて久しいですが

近年とみに意識が高まってきたように思います

いわゆる心身一如の考え方です

心理学の分野ではソマティック心理学として研究が進んでいます

 

この系譜はさまざまな理論体系・方法論に枝分かれしながら発展を続けていますが

ざっくりと言ってしまえば

人間は身体body、こころsoul、精神spiritが重なり合っている存在です

身体body、こころheart、精神mindと表現される場合もあるでしょうし

身体body、感覚・感情sensation,feeling、思考mindと表現される場合もあるでしょう

 

表現はどうであれ、この全体が個としての「わたし」ですから

どこかが切り離されているとバランスを欠くわけです

バランスの偏りは、心身の成長や健康に影響しますから

このバランスを整えましょう、という意識が高まってきているのですね

 

私が実践しているセンサリーアウェアネスsensory awarenessは

これらの源流のひとつで

さまざまに発展する心理療法や身体療法の基盤に影響を与えました

sensory awarenessを直訳すれば「感覚の気づき」でしょうか

それは身体である「わたし」に気づき

こころである「わたし」に気づき

精神である「わたし」に気づき

「わたし」自身と繋がる体験に他なりません

センサリーアウェアネスは

こころと身体の繋がりを取り戻す実践なのです

 

今年のワークショップ日程をお知らせします。

どうぞ、ぜひ自分自身と繋がる実践にご参加ください

 

【日  程】 2018年10月19日(金)~24日(水)※通い参加も受付けます

【会  場】 精進マウントホテル(山梨県河口湖町精進湖)http://www.shojiko.com/

【講  師】 ジュディス・O・ウィーバー

【詳 細】 こくちーず https://www.kokuchpro.com/event/sa_s18/

 

【日  程】 2018年11月9日(金)~11日(日)※通い参加も受付けます

【会  場】 ビューロッジ琵琶 (滋賀県大津市)http://v-biwa.com/

【講  師】 ジュディス・O・ウィーバー

【詳 細】 こくちーず https://www.kokuchpro.com/event/sa_b18/

 

 

 

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桜の花弁が風に吹かれて舞っています。

 

昨日は東京で会議があり
帰宅の電車が通勤時間帯になりました。
近くにお兄ちゃん2人とベビーカーの赤ちゃんを連れた
お母さんがいました。
 
「〇〇が***したから、この電車になったのよ。
もっと早い電車に乗れたのに。〇〇、わかりますか。
***したから、この電車になったの。」
 
お母さんは不機嫌でした。
言われている○○くんは唇を噛みしめていました。
 
私の中には
”そんな怒り方しないで” と
”うん、うん、大変だよね” が同居していました。
自分ひとりだって混んだ電車は大変ですもの。
 
偶然同じ駅で降りました。
降りる前にお母さんはテキパキと言っていました。
 
「○○は、さっと降りる。降りたら動かないで。
△△は、足元よく見て歩いて。
降りたら、お兄ちゃんから離れないで。
お母さんはベビーカー降ろすんだから
○○は降りたら動かないで場所を確保するの。
二人とも、自分のやることをわかりましたか」
 
私は人に押されてよろよろしながら
何か手伝うことがあるかしら、と見守っていました。
お母さんと子どもたちは無事にホームに降り立ちました。
 
きっといつもこんなふうに目配りして
テキパキと指示して動かれる素晴らしいお母さんなのですね。
同時に、混んだ電車のすぐ隣に乗り合わせた約30分間
子どもたちの声が一度も聞こえなかったことが気にかかりました。
 
お母さん、あなたの素晴らしいテキパキさを
どうぞ、時には緩めてくださいますように、と願いました。
子どもたちのために
何よりお母さんご自身のために。
 
 
 
 

新年おめでとうございます。

みなさんはこのお正月をどのようにお過ごしでしょうか。

 

横浜は明るい日差しに包まれる暖かな年明けでした。

今日は風が出て、陽光のもとでも寒さが身に染みましたが

明け方に西の空に大きく輝く満月を愛でました。

 

この年末年始は

刻々と変わる空や雲の様子、色合い、光の織り成す景色

刻々と変わる月や星の位置

そんな自然の景観に何度も足を止めました。

中でも黄昏時から徐々に深まっていく夜の刻一刻の美しさといったら。

人工的な電灯をつけるのがもったいなくて

小さななスタンドとキャンドルの明かりで夜を過ごしています。

 

毎日沈んでいく太陽を見ながら

その気配を空や空気の変化に見ながら

地球の裏側では日が昇ろうとしているのだという事実が

何度も私の中にせりあがってきました。

私たちは目の前のことに心を奪われがちですが

目に見えていなくても必ず別の側面が存在しているのですね。

 

みなさん、お一人おひとりが今どのような状況であろうと

あたたかさを感じるときや

ほっと一息つくときや

笑顔になるときや

そんな”とき”の織り成す1年を過ごしてくださいますように。

そして私自身は

いつでも初心に戻ることを大事にしたいと心から願う新年です。

今年もどうぞよろしくお願いします。