腰痛の国民的大誤解? | 春月の『ちょこっと健康術』

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「いいかも?」というものをお持ち帰りくださいませ。

おはようございます 

昨夜の『ためしてガッテン』、ごらんになりましたか?「驚異の回復!腰の痛み」で、腰痛原因の一番として、長いこと信じられてきた椎間板ヘルニアの多くは、実は、腰痛とは直接関係なかったという話。
パソコンからは→http://www9.nhk.or.jp/gatten/archives/P20111116.html
携帯からは→http://wi.nhk.jp/gatten/archive111116/index.html

番組中、「ヘルニアがある=痛いとは限らず、腰痛のヘルニア犯人説は必ずしも当てはまらないことが、明らかになってきた」なんてことを言ってましたが、そんなの、ずいぶん前からわかってたんじゃないかしら?

だって、手術をしても痛みのなくならなかった人は、これまでもたくさんいたし、手術しなくてもいつのまにかヘルニアが消えてた人も、たくさんいたんですから。そのヘルニアが消えたメカニズムがはっきりしたのが、最近のことだったってだけでしょ。

出っ張った部分の椎間板は、本来の椎間板としての役目は果たさないので、からだにとっては不要な代物。だから、マクロファージが食べてしまう。わかってみれば、「なぁ~んだ」ってなこと。からだのしくみを考えれば、しごく当たり前なことですね。

となると、マクロファージが働きやすいからだの環境をつくれば、椎間板ヘルニアは消えやすいってことよね。コリをほぐして、血行をよくしてあげる。そのために、温めたり、ストレッチしたり、軽く体操したり、鍼灸マッサージを受けたり…。

これってまさに、東洋医学でいう「不通則痛」あるいは「不栄則痛」を解除すれば、それで腰痛が治るってことにつながります。まだお読みになってない方はこちら→「腰痛を東洋医学でみると その1 その2 その3

昔っから、鍼灸治療で椎間板ヘルニアが治るというのは、よく言われてきたこと。東洋医学の考え方にのっとって、からだの状態をととのえることもそうだけど、局所的に見たって、コリをほぐして血流を改善するワケですから、マクロファージが働きやすいようにしてるってことでしょ。しかも、鍼灸には鎮痛作用もあるしね。

腰痛の85%は原因不明って言ってたけど、筋肉疲労や筋力低下によるものも、はっきりそれが原因と特定できないから、その85%に含まれてます。そうなの、筋肉のコリって、X線にもMRIにも映らないから、「これだ!」って特定できないのよ。

最近の研究でわかったことは、腰痛患者の70%は、脳血流量が減ってるという事実。脳血流量の減少は、それだけ脳の活動が鈍ってるっていう証拠です。だって、神経細胞はものすごくエネルギーを使うから、たくさんの酸素が必要で、活発に働いてる場所は血流量も多いのよ。

で、とくに活動が落ちてるのが、側坐核という場所。側坐核は、からだが感じた痛みの信号を受けて、下行性抑制系という痛みを緩和する機構を働かせる指令を出すところ。鍼治療による鎮痛も、ここに働きかけるために起こると考えられています。

慢性的なストレスがあると、側坐核の働きが鈍って、からだが感じる痛みを緩和できなくて、小さな痛みを大きく感じてしまう。大きな痛みはまたストレスとなって、痛みの悪循環が発生してしまう。それによって、ひどい腰痛を感じるようになる。これがストレス性腰痛のメカニズムってことです。

ストレス性腰痛、これ、かなり多いです。番組に登場した福島県立医科大学の紺野愼一先生は、「側坐核は快楽と強く関係する場所なので、自分の好きな食べ物や音楽、においなどを積極的に取り入れることで、働きがよくなり、鎮痛作用が高まる。」とおっしゃってました。

だから、「腰が痛いからと言って、家に閉じこもって痛みに耐えるのではなく、できるかぎり自分の好きなことをしたり、考えたりすることが、腰痛の治療になる。」ってことなんですね。つまり、ストレス解消するのと同じ。

ストレス性腰痛は、東洋医学でみれば肝気鬱結による腰痛。「災害時の養生法 その4 肝の手当て」を参考にして、養生しましょう。腰痛緩和に関しては、無理のない範囲で、↓下記のような対処法も試してみてね。
「ギックリ腰も急性期を過ぎたら…」
「腰ひねりストレッチで腰痛・便秘予防」
「おなかを温めて腰痛を予防する骨盤足踏み」
「急な気温低下時、ギックリ腰に気をつけて」

念のためお断りしておきますが、文中の東洋医学や鍼灸に関するものは、『ためしてガッテン』では一言も触れられてません。一天一笑、今日も笑顔でいい一日にしましょう。

 
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