おはようございます
昨日は、手が冷える原因のひとつとして、胸郭出口症候群 をご紹介しました。これは、筋肉や骨によって血管が圧迫されるケースでしたね。
同じように、外から圧迫されるケースでは、手根管症候群も考えられますけど、手指が冷えるというよりも、手指のしびれや痛みのほうが主症状になるかなぁ…と思います。
今日は、ふたつめ、血管の内腔が狭くなってるケースです。
内腔が狭くなっている場合
① 動脈硬化による末梢循環不全
血管の内腔が狭くなる…といえば、真っ先に思い浮かぶのは、「こころの冷え症?」 でご紹介した「熱を全身に運べない」原因のひとつ、動脈硬化でしょうか。胸郭出口あたりの血管が動脈硬化を起こしていれば、うでや手への血流は悪くなりますからね。
動脈硬化によって末梢循環不全を起こすと、閉塞性動脈硬化症(ASO)となります。これが手に起こるようなら、足にも起こるでしょうから、手だけが冷えるとは考えにくいんですけど、まぁ、ないとは言い切れませんからね。
ASOが脚に起きた場合、歩くことで虚血になって、歩き続けることができなくなります。そう、エネルギー源と酸素が運ばれてこないから、筋肉を動かせなくなるんですね。
そのため、休み休み歩くようになります。これを間欠性跛行(かんけつせいはこう)と言います。やがて、痛みや潰瘍などが生じて、壊疽へと進行しますから、早めの手当てが肝要ですね。
動脈硬化は、生活習慣病ですから、生活習慣の改善が何よりの予防であり治療法です。特に禁煙がだいじですよ~。
② バージャー病
ビュルガー病 とも呼ばれるこの病気は、原因不明で、閉塞性血栓血管炎を起こす難病です。血管の内腔が炎症によって狭くなるため、手足の冷えやしびれを自覚するところから始まります。その後の進行は、ASOと同じ。
治療の基本は、まず禁煙。そして、手足を清潔に保ち、冷やさないように心がけます。また、靴ずれや傷をつくらないように気をつけることなど、保存療法が主体です。
③ 大動脈炎症候群
高安動脈炎 とも呼ばれます。大動脈やそこから枝分かれする血管に炎症が生じて、血管内腔が狭くなったり、閉塞したりする難病。バージャー病の患者が9割方男性であるのに対し、大動脈炎症候群は9割方女性です。
発熱や食欲不振、全身倦怠感など、カゼのような症状から始まります。その後、血管の炎症が発生した部位によって、様々な症状が出てくるとのこと。胸郭出口付近の動脈であれば、うでへの血流が障害されるので、手の冷えを感じるようになります。
治療の基本は、炎症を抑えて血流を確保することなので、ステロイド剤や血栓溶解剤が使われるようです。
バージャー病と大動脈炎症候群は、いずれも難病指定されていて、患者数は5,000~8,000人くらい。ですから、血管狭窄の最大の原因は、やっぱり動脈硬化ですね。
動脈硬化は、高血圧や血栓症の原因になります。余分三兄弟 とは決別して、食事はバランスよく腹八分、適度に運動して、しっかり予防しましょうね。
動脈硬化にAIMタンパクが間接的に関係してることは、「メタボリックシンドロームの予防薬ができる?」 でお届けしました。そちらもご参考にどうぞ。
一天一笑、今日もいい1日にしましょう。
ツバキ
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