手だけが冷える? | 春月の『ちょこっと健康術』

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おはようございます ニコニコ


冷え症(冷え性)と言えば、からだ全体が冷える、おなかが冷える、手足が冷えるのどれかですよね? 手だけが冷えちゃうのは、どうなんでしょう?


精神的に緊張したときや、寒いときに手が冷たくなるのは、よくあること。でも、そういうときは、たいてい足先も冷たくなってます。そう、それは自律神経 の自然な反応だから。そうじゃなくて、いつも手が冷たいって場合は?


その原因を考える前に、私たちの体温がどのように保たれるのか、そこからおさらいしましょう。細胞、とくに骨格筋や内臓筋などの筋細胞が活動すると、エネルギー代謝によって、熱がつくられます。その熱で温まった血液が、全身をめぐるから、私たちのからだは温かいんです。


だからこそ、寒いときは、末梢血管を収縮させて熱が逃げないようにすると同時に、からだをふるわせることで熱をつくる。暑いときは、末梢血管を拡張させて熱を逃がすようにすると同時に、発汗することで体温上昇を防ぐ。そんなしくみが備わっていて、自律神経によって調節されているワケです。


つまり、熱を運ぶのは血液。ということは、手だけが冷えるのは、手に血液が届きにくくなってるんじゃないの? そう考えると、いわゆる「冷え症」とは、違うところに原因がありそうですよね?


手に血液が届きにくい。ということは、心臓から手に至るまでの間のどこかで、血管が細くなってるのかも? つまり、末梢循環不全という状態。それは、外から圧迫されてるか、炎症か何かがあって内径が小さくなってるか、もともと細いか?


もともと血管が細いなら、手にいく血管だけが細いとは考えにくいし、そうであれば手だけが冷えるとも考えにくいので、これは除外してもいいんじゃないかな。


1 外から圧迫されてる場合


うでに向かう血管や神経は、くびの付け根、鎖骨の内側から出てきます。このあたりに、筋肉の慢性的なコリや骨の奇形があると、血管や神経が圧迫されて、胸郭出口症候群になることがあります。


胸郭出口症候群では、血管が圧迫されていれば、手の冷えを感じるし、神経まで圧迫されていれば、手やうでのしびれ、痛み、脱力感などを生じます。


圧迫を起こす場所によって、

① 前斜角筋と中斜角筋というくびの筋肉の間で圧迫される … 斜角筋症候群

② 鎖骨と第1肋骨の間で圧迫される … 肋鎖(ろくさ)症候群

③ 小胸筋を通る際に圧迫される … 小胸筋症候群

④ 頸椎にある余分な肋骨で圧迫される … 頸肋(けいろく)症候群

に分けられます。


骨の奇形である頸肋症候群は別として、胸郭出口症候群になりやすいのは、

① くび・肩のコリがひどい

② なで肩でくびが長く見える

③ 頚椎の湾曲が浅い(ストレートネック)

④ 鎖骨が水平になっている

⑤ 猫背で、くびを前に突き出している

⑥ 肩周辺の筋力が弱く、うでが下がっている

⑦ 重いものを持ち運ぶ仕事をしている

⑧ 奥歯を噛みしめていることが多い

そんな人たち。


胸郭出口症候群かどうかは、両うでを肩の高さまで水平(横)に上げて、ひじを90度に曲げ、30秒ほどキープしてチェックします。その状態で、手のひらの赤みがなくなるようなら、胸郭出口症候群の可能性があります。


良い姿勢を心がけること、疲れをためないこと、軽い運動や入浴で血流をよくすること、ストレッチでコリを解消することなどが予防法であり、対症療法になります。


この続きは、また明日。一天一笑、今日もいい1日にしましょう。

「冷えの原因と対処法」


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