「ほんとうは野の花のように」 | 春月の『ちょこっと健康術』

春月の『ちょこっと健康術』

おてがるに、かんたんに、てまひまかけずにできる。そんな春月流の「ちょこっと健康術」。
体験して「いい!」というものを中心にご紹介します。
「いいかも?」というものをお持ち帰りくださいませ。

おはようございます ニコニコ


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5年ほど前になりますが、本屋さんで平積みになっていた↓この本を何気なく手に取りました。


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相前後して、ハイビジョン特集『いのちで読む般若心経』 という番組の再放送で、生命科学者であり歌人でもある柳澤桂子 さんを知りました。


1938年生まれ、お茶の水女子大学、米コロンビア大学大学院博士過程を終了後、慶応大学医学部分子生物学教室を経て、三菱化成生命科学研究所にて「マウスのT遺伝子」研究で世界をリードする。


理学博士号を持つ生命科学者として、華々しい業績を築きつつある中、月に1度、激しい嘔吐と腹痛、頭痛、めまい、傾眠が1週間続く原因不明の難病にかかり、志半ばで退職を余儀なくされます。


TV番組では、柳澤さんの30年を超える闘病生活を映し出すとともに、難病と向き合うことで得たこころの在り方をとらえていました。


その原因不明の難病は、最初の発病から30年経った1999年、ようやく「周期性嘔吐症候群」と診断され、抗うつ剤による治療が功を奏して小康状態を保てるようになったとのこと。2004年には「脳脊髄液減少症」があることも判明しています。


原因がわからないままに送った闘病生活。医師からは心因性だと言われ、気の持ち方が悪いと責められ、症状が重くなったときは安楽死をも考えたといいます。


そんな中で、「いのちの意味」と向き合った方だからこそ、また科学者であるからこそ、この『生きて死ぬ智慧』なんですね。「あとがき」の中で、↓のようにおっしゃっています。


「私たちは原子でできています。原子は動き回っているために、この物質の世界が成り立っているのです。この宇宙を原始のレベルで見てみましょう。…中略…一面の原子の飛び交っている空間の中に、ところどころ原子が密に存在するところがあるだけです。」


「あなたもありません。私もありません。けれどもそれはそこに存在するのです。物も原子の濃淡でしかありませんから、それにとらわれることもありません。一元的な世界こそが真理で、私たちは錯覚を起こしているのです。」


深いなぁ…。柳澤桂子さんは、「かっこいい」というより「すごい」女性と言ったほうがふさわしいかもしれません。サイエンスライターとしての彼女の著作も多いので、あれこれ読んでみようと思っています。


『生きて死ぬ智慧』を本屋さんで見たとき、最初に惹かれたのは、実は「般若心経」ではなくて、挿絵のほうでした。挿絵は、日本画家の堀文子 さん。80歳を過ぎてから、↓この幻の花といわれるブルーポピーを見るために、5000mのヒマラヤ高地を歩いた方。


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「私、5ミリでもいいから、昇りながら死にたいです。描いたことのないものをふるえるように描きたいと思います。」とおっしゃる堀文子さん。かっこいいです。


「原始、女性は太陽であった」 に書いた平塚らいてうさんもそうですが、「自分」というか、「軸」になるものを持っている人は、かっこいいなぁと思います。


一天一笑、今日もいい1日にしましょう。


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