ストレスで胃潰瘍になるのはなぜ? | 春月の『ちょこっと健康術』

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おはようございます ニコニコ


「大食い・早食いは胃潰瘍のもと」 になる。その場合は、胃酸分泌が多いところに、粘液分泌が少なくなって、潰瘍になっちゃうんでしたね。ところが、胃酸分泌がそう多くなったわけではないのに、胃潰瘍になることもあるんです。粘液分泌が弱っている場合。高齢者の胃潰瘍がこれです。


胃酸の分泌と粘液の分泌は、そのバランスを保つように自律神経が働いてコントロールしています。それがうまくいっていれば、潰瘍になることはまずありません。でも、強いストレスがかかると、そのバランスがくずれて、潰瘍になります。どうして?


まずは、「自律神経って何してるの?」 にあった交感神経と副交感神経の働きの違いを思い出してね。交感神経は「闘争か逃走の神経」だから、労働するとか運動するとか、筋肉や脳みその活動が活発なときに働く神経。副交感神経は「安静と回復の神経」だから、栄養をつけるとか休息するとか、消化器系と排泄系を活発にする神経。


ということは、食事をして、それが胃腸で消化吸収されるときに働くのは、副交感神経でしょ。副交感神経が、胃酸や粘液、消化酵素の分泌を活発にするのです。


ところが、強いストレスがかかったときって、どんなとき? からだを守らなければならない事態ですよね? ということは、そう、交感神経が優位になるのです。すると、胃酸分泌も粘液分泌も、少ない状態。どっちも少ないのなら、消化が悪いだけで、別に潰瘍にはならないんじゃない?


それが違うんだなぁ。なぜか、胃酸分泌は減らなくて、粘液分泌だけが減ってしまうのです。どうしてそうなるか?というと、実は副腎皮質ホルモンのせいなんです。


副腎皮質ホルモンは、「身体の反応を大切に」「コレステロールが不足すると」「足が教えてくれること No.5」 に登場していますが、交感神経が優位な日中に多く分泌されるホルモンです。ストレスがあって、イライラしたり、緊張したり、強い不安を感じたりすると、より多く分泌されます。


このホルモン、胃酸のもとになる塩酸とペプシンの分泌を促す性質を持っている。つまり、胃酸分泌を増やす。同時に、なぜか粘液分泌を抑制してしまうのです。本来は傷ついた細胞を修復するために働く副腎皮質ホルモンが、なんと!胃潰瘍の引き金を引いてしまう。


なので、こんなときに、コーヒーなんか飲んでごらんなさい、もっと大変なことになってしまいます。カフェインは胃酸の分泌を促進するので、さらに胃潰瘍をできやすくしちゃいますよ。コーヒーは飲まないにこしたことはないんですが、どうしても飲みたいという方は、必ず食後にしてくださいね。空腹時に飲んではいけません。


ストレスはこまめに発散して、自律神経とホルモン分泌のバランスを維持しましょうね。一天一笑、今日もいい1日にしましょう。


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