34 旧約34 イザヤとメシア預言 Isaiah and Prophecy of Messiah
見よ、おとめが身ごもって、男の子を産む。その名はインマヌエル(עִמָּ֥נוּ אֵֽל 神、我らと共に)ととなえられる。(イザヤ
7:14)
Behold a virgin shall
conceive, and bear a son, and his name shall be called Emmanuel. (Isa 7:14)
南王国ユダのウジヤ王が死んだ年、若い預言者イザヤはエルサレムの神殿で、天使たちに賛美される神の姿を見ました。
「聖なる、聖なる、聖なる主!
その栄光は全地に満ちる。」
天使たちの大きな声によって、
神殿は揺れ動き、煙があふれました。
恐れたイザヤは、言いました。
「災いだ。わたしは死んでしまう。
神を見てしまったから。」
すると、一人の天使(セラフィム)が祭壇から炭火を持って来て、それをイザヤの口に付けて言いました。
「これであなたは清められ、
あなたの罪は赦されました。」
そのとき、神が言われました。
「誰を人々に遣わそうか。
誰が行ってくれるだろうか。」
すると、イザヤは答えました。
「わたしが行きます。わたしを遣わしてください。」
この日から、イザヤは預言者としての働きを始めました。北王国イスラエルがアッシリア帝国に滅ぼされ、南王国ユダもその力に屈しそうな時代のことです。
イザヤは、王たちに正義を行い、外国の力に頼るのではなく、神の力に頼ることを求めました。ヒゼキヤ王はイザヤの言葉を受け入れ、アッシリアからの大きな危機を乗り越えました。イザヤは、神に従うならば、救われる者たち(レムナント)が与えられると告げ、さらに彼の預言はやがて到来する「救い主」(メシア)の預言に発展していきました。
「見よ、おとめがみごもって男の子を産む。
その名はインマヌエル(עִמָּ֥נוּ
אֵֽל)と
となえられる。 (イザヤ7:14)
暗闇の中で絶望していた民は大きな光を見、
孤独の地に住む人々の上に光が輝く。
一人の赤子がわれらのために生まれる。
一人の男の子がわれらに与えられる。
その名は『卓越した指導者、力ある神、
永遠の父、平和の君』と呼ばれる。
(イザヤ9:1、6)
若者も疲れ、戦士もつまずき倒れる。
しかし、主を待ち望む者は、
鷲が羽先を新たにするように、
新たな力を得、
走っても疲れず、
歩いても倒れない。」 (イザヤ40:31)
イザヤの言葉は、時代を越えて多くの人々に希望と慰めを与えました。しかし、残念ながら、ユダヤの伝承によると、イザヤ自身は、異教に改宗したマナセ王の時代に、政治犯としてのこぎりで処刑されたと伝えられます。
11月30日に一番近い日曜日からアドベント(待降節)が始まります。それはクリスマスの準備期間と同時に、キリスト教の暦(教会暦)の1年の始めです。教会暦は新約聖書の出来事を追体験できるようにデザインされています。教会にはアドベントクランツというキャンドル台があり、1週ごとに蝋燭の火を増やし、クリスマスの週に4本の蝋燭がともるようにします。そして、この頃読まれる聖書がイザヤ書のメシア預言です。
この時期、町はクリスマスの飾りであふれ、繁華街は雑踏でにぎわいます。一方、取り残されたように一人さびしくクリスマスを過ごす人も少なくないことでしょう、、、多くのものを失って気づかされるのは、大切のなのは高価な物ではなく、人の心の優しさなのかもしれません、、、かじかんだ手のような、凍えた心を溶かしてくれる優しさに触れられたら、、、それは一つのクリスマスかもしれません、、、
ジョヴァンニ・バティスタ・ティエポロ「預言者イザヤの召命」1726-29年 フレスコ 200 x 250 cm 総大司教宮殿 ウディネ TIEPOLO, Giovanni Battista The
Prophet Isaiah 1724-29 Fresco, 200 x 250 cm Palazzo Patriarcale, Udine
ラファエロ「イザヤ」1511-12年 フレスコ250 x 155 cm サン・アゴスティーノ教会 ローマ RAFFAELLO
Sanzio The Prophet Isaiah 1511-12 Fresco, 250 x 155 cm Sant'Agostino, Rome
ミケランジェロ「イザヤ」1509年 フレスコ 365 x 380 cm システィナ礼拝堂 ヴァチカン
MICHELANGELO Buonarroti Isaiah 1509 Fresco, 365 x 380 cm Cappella
Sistina, Vatican