英国新幹線の最大路線は大ブリテン島の南北を結ぶロンドン、エジンバラ間でしょう。ロンドンでは歩行者に対して車が容赦なしにクラクションを鳴らす一方で、エジンバラでは車が止まって歩行者に道を譲る優しさと余裕があります。エジンバラの町は東西を結ぶ傾斜のあるザ・ロイヤル・マイルという道を中心に町並みが形成され、東に英国王室の夏の居城であるホリルードハウス宮殿、西の丘の上にはかつての要塞の面影を残すエジンバラ城があります。これらの名所にはJ.K.ローリングが着想を得たであろう多くの動物の象徴があります。
 ホグワーツ魔法魔術学校にはグリフィンドール、スリザリン、レイブンクロー、ハッフルパフの
4つの寮があり、生徒たちは寮ごとに共同生活を送ります。これらの4つの寮はそれぞれ特色のある動物の象徴を持ち、それらはグリフィンドールではライオン、スリザリンでは蛇、レイブンクローではカラス、ハップルパフでは穴熊です。
 例えば、ホリルード宮殿の門には立ち上がるライオンの紋章があり、エジンバラ城の中では複数の蛇の象徴を見ることができます。ライオンが百獣の王であることから、ライオンは王権の象徴とみなされます。蛇の象徴は少し複雑で、キリスト教的な背景ではサタンや悪魔を象徴する否定的な意味とモーセの青銅の蛇やギリシア神話のアスクレピオスの蛇のように癒しや医療を象徴する肯定的な意味も持ちます。後者の意味での蛇は現在でも救急車にある生命の星のマークや世界保健機構
WHOのシンボルにも杖に巻きつく蛇で見られます。エジンバラ城の蛇もこのアスクレピオスの蛇です。また、カラスはエジンバラの町のあちこちで見られる鳥であり、スコットランドの男性の民族衣装のキルトには必ずスポーランと呼ばれる小さなバッグが付属します。そしてこのスポーランが大抵穴熊の毛皮で作られるのです。