≪下腿の屈筋群≫
[浅層]
●腓腹筋
【起始】
内側頭 : 大腿骨内側上顆
外側頭 : 大腿骨外側上顆
【停止】
両頭は踵骨腱(アキレス腱)をつくり、踵骨隆起に停止
【支配神経】
脛骨神経 (S1、2)
【作用】
足関節の底屈
膝関節の屈曲
【メモ】
腓腹筋は内側頭、外側頭の2頭を有し、それぞれ大腿骨の内側上顆、外側上顆から起こる。
足関節が背屈しているときは膝関節の屈筋として、また膝関節が伸展しているときは、足関節の底屈筋として作用する。
●ヒラメ筋
【起始】
腓骨頭、ヒラメ筋線(脛骨)
【停止】
腓腹筋腱と合して踵骨腱(アキレス腱)をつくり、踵骨隆起に停止
【支配神経】
脛骨神経 (S1、2)
【作用】
足関節の底屈
【メモ】
深層の扁平な筋で、腓腹筋腱と合して踵骨腱(アキレス腱)をつくり、踵骨隆起に停止し、足関節を底屈する。
≪下腿三頭筋≫
浅層の腓腹筋と深層のヒラメ筋からなり、立位で踵をあげると明瞭に観察することができる。
下腿三頭筋の拘縮により筋が短縮すると、足関節は底屈位(つま先が伸びた状態)に固定される。これを尖足という。逆に麻痺により底屈ができず、背側位に固定されることを踵足という。
●足底筋
【起始】
大腿骨外側上顆
【停止】
踵骨腱(アキレス腱)の内側縁に癒合
【支配神経】
脛骨神経 (L4、5、S1)
【作用】
下腿三頭筋の働きを補助
【メモ】
腓腹筋の外側頭とともに大腿骨の外側上顆から起こる小筋で、長い腱をもち踵骨腱に癒合する。
その力は弱い。
●膝窩筋
【起始】
大腿骨外側上顆
【停止】
脛骨上部後面
【支配神経】
脛骨神経 (L5、S1)
【作用】
膝関節の屈曲、内旋
【メモ】
膝関節の後方にある筋で、下内方に斜走し脛骨上部の後面に停止する。
膝関節の屈曲、内旋に作用し、膝関節の安定に不可欠な筋である。
[深層]
●後脛骨筋
【起始】
下腿骨間膜の後面
【停止】
舟状骨、全楔状骨、立方骨、第2、第3中足骨底
【支配神経】
脛骨神経 (L5、S1)
【作用】
足関節の底屈、内反
【メモ】
下腿三頭筋の深層にあり、内果の後方を走り、屈筋支帯の下を通って底足で足根骨、第2、第3中足骨底に停止する。
底屈と強い内反を行う。
縦足弓を支持する働きもある。
●長趾屈筋
【起始】
脛骨中央後面
【停止】
第2~5趾末節骨底
【支配神経】
脛骨神経 (L5、S1)
【作用】
第2~5趾の屈曲
足関節の底屈、内反
【メモ】
脛骨後面から内果に向かい、屈筋支帯の下を通り底足に出てた後、4腱に分かれ第2~5趾の末節骨底に停止する。
第2~5趾の屈曲、足関節の底屈、内反の作用をもつ。
縦足弓を支持する働きもある。
●長母趾屈筋
【起始】
腓骨体下部後面
【停止】
母趾末節骨底
【支配神経】
脛骨神経 (L5、S1)
【作用】
母趾の屈曲
足関節の底屈、内反
【メモ】
腓骨後面から内果に向かい、屈筋支帯の下を通り、底足に出て母趾の末節骨底に達する。
母趾の屈曲、足関節の底屈、内反の作用をもつ。
縦足弓を支持する働きもある。