マーケティング・コンサルタント弓削徹 -270ページ目

プレスリリース活用術(3)

ノギャルが「流行語」となったので、それを「田んぼブラ」にして、「ギネスブック」に載せたい(!?)。

この文章を書いているいましがたも、下着メーカーのトリンプが“最新作”を発表したと報道されています。この会社は、これまでも「婚活ブラ」や「裁判員制度ブラ」など、世相を切り取った新作ブラを発表してきましたが、今年は「田んぼブラ」とのこと。

“ノギャル”など、農業回帰がブームゆえの「田んぼ」のようですが、テレビ、新聞も苦笑しつつ報道している格好。なんだか、ひな人形メーカーから毎年 発表される「変わり雛」みたいです。

また、お坊さんが揮毫する「今年の漢字」(漢字能力検定協会)や、ゲストも豪華な「流行語大賞」(自由国民社→ユーキャン)、そして「ミシュランガイド」や「ギネスブック」も、もともとはタイヤやビールメーカーのPR活動の一環です。いずれも、パブリシティ活動の年季と歴史を思い知らされるとともに、強い公共性が感じられます。

公共性。現代は「環境対応」が合い言葉です。環境対応建材を展示会で紹介したクライアント企業は、業界紙はもちろん、日経本紙にらくらくと取り上げられました。ちょっとあざといことを書くようですが、環境対応製品を開発したり、自然環境の保護へ貢献したり、いえ研究の段階であっても、それらにメディアは注目してくれます。

いやらしいことを書くようですが、恵まれない子供たちのためのイベント、絶滅危惧種動物保護への取り組み、社会的弱者に手をさしのべる、などは、やはりメディアが反応しやすい部分です。少し前、弓削はクライアントである心理カウンセラー氏の広報戦略の一環として、『日本の心を元気にする「心活」』と称してプレスリリースを書きました。

もちろん、これは「婚活」を踏まえた上での造語。そのキモは、社会に確固たる居場所がなく、自信もなく、不安だけがあるような人々を元気づけるプロジェクト、という体です。派遣切りや失業問題などとリンクする形で取り上げてもらおうという意図です。われながら、いやらしいです。次回も、つづきます。

プレスリリース活用術(2)

プレスリリースは、むかしから上手に活用している会社はありました。

たとえば、元気なころの百貨店は、買う人がいようがいまいが「3億円のダイヤをちりばめたティアラを販売します」といってみたり、「100万円の福袋を販売します」などと発表し、新聞やテレビに露出していました。

また、きれいな脚やバストが自慢の女優やモデルが、身体の一部に数億円の保険をかけるというと、大きなニュースになったりしました。この場合の保険料は広告費ですね。実際、数億円の保険といっても掛け金は数万円程度であり、露出が終わったらすぐに解約しているかもしれません。

小企業や店舗でも、仮に100万円の広告予算があるなら、3万円の注目商品を「10円で販売します(ただし限定30個)」といえばよいのです。パブリシティで記事となれば、すぐに100万円以上の宣伝効果が生まれるでしょう。

このように、一見シンプルなアイデアでも記事になっていたものです。最近では、環境問題など、とくに社会性の強い話題だと、取り上げられる確率が高いようです。基本的に、記事に取り上げられる要素には、次の5つがよく言われます。

1 新規性 いままでになかったこと
2 公共性 幅広く生活に役立つ、得になること
3 地域性 その地域独自のニュース、イベント
4 お笑い 笑える、心温まる話題など
5 社会性 環境、少子化、高齢化など

日本で初めて、世界でNo.1、独自性、オンリーワンなどはニュース性があるため有利です。また、社会生活の役に立つ、公共性の高い切り口も大事です。ひとつのコツとしては、以前にも書きましたが、マスコミ各社も「なにかよいネタはないか」と探しているわけですから、記者さんのアタマになって発想することをおすすめします。

そのココロは、記者さんの向こうにいる読者や視聴者の顔を思い浮かべるということ。つまり、各紙誌局にとってのお客さんである読者や視聴者にとって有益な、喜んでもらえるストーリーに仕立てるつもりでネタや方向性、切り口を考えることが重要なのです。実例などは次回。

プレスリリース活用術(1)

プレスリリースによるマスコミPRに商機を見出そうという会社さんが増えています。

広告以上の効果が見込まれ、それがブランディングにもつながる大きなブリッジとなり、社内のモラル向上やリクルートにも波及していくわけですからとうぜんですね。現場の営業スタッフは、紹介記事をコピーしたり、ファイリングして頼れるセールス・ツールとして活用することもできます。

このプレス・リリース、ファクス1枚で、特段の経費もかけずにメディアに掲載してもらうことができ、しかも見込み顧客は純広告よりも信頼してくれるというわけですから、チャレンジしない手はない。

その効果は、(1)掲載数 (2)広告費換算 (3)意識調査 などの項目で測定されます。掲載数は、単純に新聞や雑誌、テレビの数ですね。広告費換算は、掲載された媒体の「掲載料の3~5倍」で積算されます。意識調査は、プレスリリース配信前と後で、見込み顧客層の認知度や好感度がどれくらい変化したのか、というデータをとることです。

いま有力なブランドとなっている各社は、みな結果的に広告ではなく、パブリシティで市場を獲得したといわれます。それは、アップルも、スターバックスも、トヨタも、シャネルも、ナイキも同じ。

ただし、新聞や雑誌、テレビに取り上げてもらうには、単純に「新製品でました」では、むずかしいですね。プレスリリースの書籍も出している蓮香さんは「掲載されるためのアイデアでは誰にも負けない」と語っています。逆にいえば、そうしたひねりのあるアイデアが、掲載されるためには必ず必要だというこということになります。その、アイデアの考え方については、次回。

ライオン株式会社様PR誌に掲載されました

$マーケティング・コンサルタント弓削徹-ネーミング掲載

$マーケティング・コンサルタント弓削徹-ネーミング掲載2

●バストイレタリー周りのネーミングについて専門家として取材を受けました。

欲張りなDMのアイデア

インターネットで印刷会社を探していると、いろいろユニークなところが見つかります。

今回、ご紹介したいのはDM用の印刷会社、ガリバーです。

ハガキ大の印刷仕上がりで、同社のサイトでは契約しているメール便では1通50円で送れる、というもの。しかし、その内容はパタパタと広げるとA2版×2ページになります。

ハガキサイズでいうと16ページ(両面で32ページ)ものに相当するため、このDMのネーミングはパタパタメール16。

サンプルを入手しましたので、見ていただければよいのですが、写真のようなデザインでなく、ちゃんとしたクオリティにすれば、ちょっと注目されるコミュニケーション・メーカーになるのではないかと。

なにしろ、ここまで中身がもこもこしていると、とりあえず開封してみようという気にはなります。

ただ、A2サイズまで広がるとなると、逆に見にくい。であれば、半分のパタパタ8、そのまた半分のパタパタ4もあります。

送料は50円でいけると前述しましたが、パタパタメール16の印刷費は1,000部だと1通250円、2,000部だと1通140円だそうで、総額はそれぞれ25万円、28万円となります。

2,000部送って、1通あたり190円。あとはコピー、デザイン料ですね。詰め込めるボリュームに比べて、費用はリーズナブルではないでしょうか。

私のクライアントで、利用機会があれば提案してみたいと思っています。あなたのビジネスでも、検討してみてはどうでしょうか。


*上が開封前のハガキサイズ。   下が広げた状態です。
$マーケティング・コンサルタント弓削徹-DMアイデア1$マーケティング・コンサルタント弓削徹-DMアイデア2