マーケティング・コンサルタント弓削徹 -272ページ目

お寄せいただいたご質問

本記事では、弓削徹オフィシャルサイトにメールで寄せられたお問い合わせから、よくあるご質問とその回答をご紹介します。

Q1 弓削さんのコンサルティングが他社と違う点はどこですか?

A1 通常のコンサルティングは戦略寄りであり、課題の解決やその実施までは受託しないところが多いのですが、弓削は戦略の構築から実施、ツールの制作までを一貫して行います。
また、インターネット活用かアナログツールのどちらかに偏ったコンサルタントが多い中、そのいずれもを有機的に連携して問題解決を行います。
実際、私よりも販促物制作のアイデアが出る人がいたらぜひ教えていただきたいですね。
(その他にもいろいろ書きましたが、割愛します。)

Q2 実際に効果が上がるかどうかわからないとして、成功報酬型での依頼はできますか?

A2 申し訳ありません。成功報酬型でのご依頼は受けておりません。信頼して定額をお支払いいただいているクライアントさんがいらっしゃいますし、御社内の協力体制がないと成果は生まれませんので。

Q3 販促ツールの制作は、どんな方が担当するのですか?

A3 コピーライター、デザイナー、カメラマン、イラストレーターなど、専門のクリエイターが担当します。(いずれも、サントリーやソニーをはじめとする有名企業の広告を制作している、ほぼトップのクリエイターが、特別に弓削プロジェクト価格で協力してれます。クライアントさんが、いちばん驚かれる点です)

Q4 コンサル料金に見合う効果は必ず出るのですか?

A4 正直なところ、必ずとは申し上げられません。ただ、改善することは確実ですし、1年を経過して成功しなかった例はありません。
また、集客や販売促進のために毎月、ある程度のコストを支払っている会社さんなら、業者さんとの交渉やコスト監視をさせていただくことで、弓削のコンサルフィー程度はすぐにコストダウンが可能です。

Q5 無料相談はありますか?

A5 現在、無料相談は行っていません。ただ、製造業(メーカー)に限定した無料相談を予定していますので、もしも該当するようでしたらぜひご利用ください。


化粧品メーカー事例~解決編

人を美しくする前に2

基礎化粧品(これはファンケルやDHC、再春館製薬所などをイメージしてもらえればいいと思います)は、効果効能を頭で理解する部分と、イメージや勢いで購入を決めてしまう衝動買いの対象でもあると思うのですね。

そこで、それぞれの役割を果たすツールとして、図説やグラフを多用し、成分説明から導き出される効果効能などを理解してもらうための、いわば左脳向けのカタログをつくる。そしてもうひとつ、使用前と使用後の肌の違いなどを大きな写真で紹介する右脳向けカタログを用意することを提案。

双方が補完し合い、現場のセールスを支援するツール数種がそろえば、とりあえず環境は整備されます。しかし、こんなことは普通のコンサルタントでも指導できることです。私がもっとも問題であると指摘したのは、まったく別のことでした。

販売員が辞めてしまうのは、カタログが不備だからではないのです。たしかに売上の上がらないことがリタイアの原因ではありますが、誰だって最初からポンポンと売れるわけではないですよね。

問題は、「売れない…」と悩んだときに、きちんと心のケアをしてあげられるか、という点です。つまり、回りに「私も売れなかったのよ」と語りかける人がいて、「つらいのは自分だけではないんだ」と理解できれば、もう少しがんばれるのです。

ナレッジマネジメント風にいえば、うまく販売できた成功例やセールストークの共有が「正の情報共有」なら、「私もダメだった」という失敗経験のストーリーは「負の情報共感」といえます。こちらも、双方を合わせ技として週刊や月刊で配布するコミュニケーションペーパーなどで情報発信していく必要があるでしょう。

その他も、技術面だけでなく心情面でのセミナーに参加させたり、上級のセールスパーソンにマン・ツー・マンで指導させたり、という会社側の思いやりのあるフォローがあれば、一皮むけてがんばる人がどんどん現れてくるに違いない。

人を大切にする企業風土は、一朝一夕には確立できないでしょう。それでも、トップの顔が向いている方へ、他の社員たちもだんだんと視線を向けていくものです。どうか、時間をかけて、尊敬される企業へと脱皮していって欲しいものです。

化粧品メーカー事例~課題編

人を美しくする前に1

知人の紹介で、S県に本社のある基礎化粧品メーカーの社長さんとお会いしました。

上京してきた社長曰く、商品には自信があるけれど、機能性が複雑なのでセールスの実績が上がらず、現場の販売員が退職したり、代理店が離れていったりする。どんなツールをつくれば良いのか。現行カタログ、パンフレットについても忌憚のないご意見やアドバイスをもらえないか、というご相談でした。

販売助成ツール一式を見せてもらったところ、印刷物は確かに種類が少なく、手作りの物もあります。それぞれの表現はぎごちなく、メッセージ性はゼロ。誰も説得できないだろうな、という内容でした。

その反面で、薬事法に違反するような行き過ぎた効能の表記がある。これは、地元の印刷会社にデザインしてもらったり、社員がパワーポイントでつくったりするときに陥りがちな危うさのようです。

またウェブについては、一応あるものの、必要なコンテンツ・ボリュームをまったく満たしていないという状況でした。とくに、代理店さんを募集するリーフレットが気の抜けた内容であるにもかかわらず、ウェブ上にはそのページすらないというのです。

どこから手をつけても速攻で効果が顕われるようなこの会社。さて、一日限りのコンサルで、弓削徹は何を伝えたのでしょうか。

ベーカリー店事例~解決編

パンは膨らんだ?

まずは、力仕事から着手しました。というのも、店内のレイアウトが悪く、お客様の動線が滞りがちだったのです。あんパンの真隣にカレーパン、食パンをのぞき込むとお尻?に反応して自動ドアが開く、といった状態。

このレイアウトを見直し、入店から順におすすめパンゾーン、調理パンゾーン、変わりパンゾーン、おやつパン(デザート)ゾーン、食パンゾーンへと回遊でき、気づけばレジの前、手を伸ばせばドリンクのついで買いもできる、という格好に変更しました。

次に、値書きだけだったショーカードを、パンの特徴をていねいに書き込んだPOPカードへチェンジ。さらに「焼きたてです」1種類だったものを、「ただいま焼き上がりました!」を作って2段階にしました。

また、既存のお客様を大事にするためにも、ニュースレターを発行。といっても、かわいい手描きイラストの入った「○○だより~」のようなほんわかしたものです。好きなパンアンケートの結果などの記事を載せて店内に掲出し、精算時にお渡ししたり、近所に配ったりもします。

地味なところでは、品切れの時にお詫びとともにお渡しする「品切れお詫びカード」による次回割引を設定。掃除の徹底、接客マナーの見直し、不人気品のスクラップなどの典型的なテコ入れ。地元フリーペーパーへの広告出稿の検討。

アクティブなところでは、手作りパン教室や新製品パンの人気投票などのイベント展開を計画。もう少し広ければ、本当は実演スペースやカフェ併設なんてやってみたかったのですが(保健所への届出との整合性がネック)。

さて、肝心な新商品開発についてですが、普通のパンならヤマザキデイリーストアやセブンにすらあります。いや天然酵母パンだって、もう珍しくありません。私としては食物繊維の入ったパンや、アトピーの人向けのパンなどなど、子供に指名されるような、味の濃い、インパクトのある名物パンを作りたい。今後、時間をかけて、マスメディアに取材してもらえるような変わりパンを作っていきたいのです。

こうした提案をしながら通ううち、お店のスタッフにも変化が。もともとおいしいパンの店ですから、さまざまな施策の相乗効果は思ったより早く現れてきたのです。

ベーカリー店事例~課題編

利益も膨らむパン?

今回ご紹介するクライアントはベーカリー店です。近隣に参入してきた大手食品スーパーや、パン販売に力を入れてきているコンビニ、また特徴あるパンのネット販売などが競合となって、売り上げが低迷してきているというお話から始まりました。

店舗は本格的な「オンプレミス方式(原料のミックスから焼き上げまで同一店舗内で行う形式)」であり、製パンの技術力も高いものがある、とみました。ただ優れた製造者は、ついコミュニケーションを軽んじてしまいがちです。自信のある商品であればこそ、多くの人々に楽しんでもらおうとずうずうしく考えてほしいのですが。

さて、店舗内で製パンをしない業態の販売不振はよく耳にするのですが、当該店のようなフレッシュベーカリー、いわゆる焼きたてパンの店では、むしろ商機は拡大しているところです。

また、商店街を少しはずれた立地もよくないので、とおっしゃるのですが、商店街に入っていてもダメな店舗はダメですし、好調な店舗は好調です。

厨房をゆったりと広くとったこのお店、ほんのちょっとのがんばりで、好転するように見えたのですが、実際はどうなったでしょうか。