マーケティング・コンサルタント弓削徹 -275ページ目
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ネット放送局事例~解決編

ネット放送局の可能性2

私が返信したメール文は以下の通りです。

「 …前略… さて、広告収入モデルという決断をされたようで、その徴収のやり方ですね。

まず、ある程度信頼のもてる媒体資料が必要ではないですか。
(イメージとしては仕上がりA4タテ3分の2三つ折り4C、的な)
それを、Sさんのこれまでのキャリアを活かして、コネを辿って広告代理店に挨拶&配布しまくる。

掲載料の定価は高めに設定しましょう。代理店がマージンとれるなと感じる程度に。
定価は媒体の価値を数字に置き換えたものですから、自信の値付けを。実際は、値引きしてもいいわけですし。

そして、本放送開始キャンペーンで、
「いまなら優良クライアントは無料です」として、とにかく出稿ぐせ、扱いぐせをつけさせる。
そして、他の広告主には「いい企業が出稿しているな、有望な媒体なのかな」と感じさせる。

その一方で、地場産業や企業(××××みたいな)、
あるいは自治体など、自身でも回れるところは直接どんどん回る。
CM未経験企業には制作込みのメニューを提示する必要がありますね。
リンクなら、同様カテゴリーのサイトを探して相互リンクをオファーする。

本放送が進んで、実際のレイティングやリーチの数字が出たら、
それを根拠に媒体料や出稿メニューはまた考えればいいと思います。
視聴者属性の詳細なセグメントができれば、強みになります。
実際、こうした数字データが出ないと出稿も扱いも真剣に考えてもらえない傾向が強いでしょう。

それと、考え方なのですが、(県名)ローカルを価値と考えるのか、
それとも(県名)だけど、全国へ発信できることが価値と考えるのか、
どちらなのでしょうかね。 …以下略…」

という内容でした。このアドバイスが役に立ったかどうか。その後もメールのやりとりはちらりとさせてはいただいていますが、この放送局さんはクライアント契約は結んでいませんので、それは陰ながらチェックしていくことになるのですね。

ネット放送局事例~課題編

ネット放送局の可能性1

高速接続が当たり前となったネット環境をうけ、動画の配信ビジネスが本格化しています。USENはGyaOを成功させ、Yahoo!もYahoo!動画でこれを追っている状況。これらに先立つ、昨年の夏、ネット放送局を立ち上げようとしている起業家が、私のブログを見てメールをくれました。

何度かメールのやりとりをしたのち、運営を目前に控えた頃に相談をうけました。以下は、そのときのメール文からの抄録です。

「こんにちは、ネット放送局をやろうとしている○○です。最近の動きとして生放送の実験も終わり10月に運営開始に向けてコンテンツを制作している状態です。毎日、収入源の広告掲載費について頭を悩ませています。

当然、最初は知名度もアクセス数もないサイトでどうして行くか…なのですが。こんな方法をとろうと思うのですがどう思いますか?

動画CMやバナーの大きさによって単価は違いますが、例えば1回のCM露出に対して○○円の課金で、毎月末のログを見て回収する。企業によっては上限をつける。

こんな感じのことを考えています、これならお互いのリスクを軽くしこちらも企業努力をしていく格好になるので良いのでは、と思うのですがどう思いますか?アリですかねぇ…。」

つまり、地方発のネット放送局における広告料課金はどのように考えるべきか、という課題なのですね。そこで、私はお答えのメールをお送りしました。
(解決編へつづく)

靴メーカー事例~解決編

下請けメーカーの新規事業 2

下請けメーカーはショップを持てるか のつづき。経緯は6月14日の記事をご参照ください。

提案のひとつは、高額所得者向けの完全オーダーメイドサービスの展開。しかし、これだとショップを持たないと採算がむずかしい。そこで、本丸はバリアフリーシューズへの特化です。

世に、何らかの障害を抱えて普通の靴では歩行、生活がむずかしいという人は少なからずいらっしゃいます。こうした人たちにフィットする靴を提供するビジネスです。ネットを介して必要な機能、形状を詰めていき、確認と納品では実際にお宅へお伺いします。

こうした事業はメディアで取り上げられやすく、広告をするまでもなく無料のパブリシティで認知を広げることが可能です。また、ビジネスをしながら、人助けもできる。提案の詳細は省くとして、将来は靴の、ではなくバリアフリーの周辺グッズへ展開していってもいいのです。

現在は、準備中ですが、インターネットからDM、通販(他の通販誌への掲載も含め)へとチャネルを広げていけばいいと考えています。 (この項終わり)

靴メーカー事例~課題編

下請けメーカーの新事業1

最近の顧問先、女性靴専門メーカーFへ、出向きました。 F社の問題点は、ブランドを有するメーカー、専門チェーンの下請けに終始しているため、価格も納期も品質管理も、すべて主導権を握られているという状況です。

特に現場は季節ものの製造、納品に翻弄されます。そして気がつくと、閑散期が来る。なんとか平準化できれば、との希望もあります。

当初は、「では、自主ブランドを立ち上げれば」とノー天気に持ちかけましたが、「かんたんにできるならとっくにやっています」とのこと。そんな中、競合は年々倒産していく。好調期があっても続かないのだといいます。

ちなみに、F社が自信を持っているユニークセリングポイントは、「(製造時の)クオリティ」と「的確なパターンを起こすセンス」。

*パターンとは、シューデザイナーがデザインした意図を汲み、製造のために皮革などの展開図のようなものを起こすこと。

そこでつらつら考えたのですが、たしかに自社ブランドを持って、ショップ展開などすれば失敗は目に見えています。リスクが大きすぎる。で、チャネルをインターネット前提で考えた。ターゲットは絞りに絞る。そして、あるサービスを展開する。

その中身は、後日。
(※事例については当事者の許可を得た上で仮名の使用など一部設定を変更してお届けしています)
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