• 48 四葉のクローバーへ

    トン トン トン 

    「お静かに!!」

    議長のくまのツキが、叫びました。

    今日は森の会議です。

    何かなやみがあると、みんな森一番の長老ふくろうのホーおじいちゃんの所へ 話に行きます。 

    その中で、みんなで考えたらいいものは 、会議を開きます。

    「こほん。…あああ。今回はのぅ。ねこのミャーさんからの相談じゃ。

    ご主人のトラさんの目が最近 悪くてのぅ。 

    外に出なくなったそうじゃ。どうしたら いいかのぅ」

    ざわ ざわ ざわ 

    「はいっ!」

    「おお、野良犬のロンどうぞ」

    「ええと 前に人間の街へ行った時 、人間の歩く道が なんだかでこぼこしてて、その上を 盲導犬のバスおじさんが 人間をつれて歩いてたんで聞いたんだ。

    このでこぼこは何だって そしたら、ここを歩けば道があるって 目の見えない人間に教えるんだって」 

    「おお、 それは いいのぅ」

    「それで、そういうのをトラおじいちゃんの 散歩道に作ればいいかと」

    「おぉぉぉ、 なるほどのぅ」 つづく

  • 48 四葉のクローバー最初へ

    次の朝

    「ごめんよ、コノハちゃん。5つ葉、見つからなかった」

    「ええっ?あんた さがしに行ったの?」

    「うん、昨日一生懸命 さがしたけど見つからなかった」

    「…ばかみたい!!」

    そう言ってコノハは、走って向こうへいきました。

     そして、そのまた次の朝、

    シュンが、ポストを見ると5つ葉の絵が描いてあるハガキが入っていました。

    裏には、コノハの字で

     ―シュンちゃんが もっと幸せになるように― 

    書いてありました。

    どうやら、コノハのママも元気になったようです。

    学校に行ってすぐにシュンは、コノハにお礼を言いました。

    「コノハちゃん。ありがとう」

    「なによ、ふん!5つ葉なんてあるわけないじゃん。私が勝手に言ったのよ」

    あら あらコノハちゃんったら…。

    「ううん あるよ。ほら!!」

    シュンは コノハの絵を見せて

    「僕、前よりもっと 幸せな気分だもん!」

    と、言いました。 おしまい

  • 47お月様の最初へ

    「5つ葉のクローバーはね…」

    きつねのコノハが、いつものように 他の物が話している話の途中で入ってきました。

    「4つ葉より願い事が、もっと叶うの」 

    それは、ママにもらった4つ葉を、シュンがうれしそうにみんなに 見せていた時です。

      コノハは何でも知っていて、コノハは誰よりも 一番でなくてはけません。

    数日後 

    あら、コノハの元気がありません。

    「ママが、病気になったの」

    「ええっ!僕の4つ葉をあげるよ」

    シュンは、ママからもらった4つ葉をコノハにあげました。

    それから、1週間たつのに、コノハのママは病気のままでした。

    いつもにぎやかなコノハの元気がありません。

    シュンは、心配になりました。

    「僕の4つ葉じゃだめなのか…あっ!」

    「ハルナ、シュンを知らない?」

    夕日が山に隠れてもお家に帰らないので、ママが心配しています。

     残念ながら、ハルナも知りません。

    「シュン」

    大人達が森の中をさがしています。

    森の奥へ 奥へ行くと、小さな切り株の所で シュンが泣いていました。

    「シュン!!」

    「ママ!」

    シュンは自分の4つ葉で、コノハのママが元気にならなかったので、

    コノハの話を思い出して、5つ葉をさがしに来たのです。

    そして、知らない間に暗くなり、お家への道が消えました。  つづく

  • 47お月様の最初へ

    「シュンならどうする?」

    「うーん、僕にできるかなぁ。たぶん 僕なら神様の かたもみくらいかな」

    「私もだ…ぷっ」

    シュンとハナコは、おなかをかかえて わらいました。

    すすきの葉も、ハナコといっしょに 左右にゆれて笑っています。

    すすきは どうやら やさしい秋風に くすぐられたようです。 おしまい

  • 46 ハナコのお花へ

    まあるい まあるい お月様 

    おだんごみたいな お月様 

    すすきの葉の 間から 

    高い お空に ぽっかりこ 

    「ねぇ、シュン。私達の 

     ひー ひー ひー ひー ひー 

     ふーぅ まだまだ ひーおじいちゃんが

    あそこに映っているんだって?」 

    ハルナが、まん月を見ながら言いました。

    「うん、おもちをついているね」 

    「うん…」 

    インドにあるお話をひとつ。

    昔 神様が森に来て 

    「何か食べるものを下さい」

    と言われました。 

    きつねさんは お魚を、さるさんは お花と木の実を差し出しました。 

    何もとって来れなかったうさぎは、きつねさんと さるさんに 

    まきを 集めてもらうように頼みました。 

    そして それに火をつけ 

    「私を どうぞ」

    と言って、うさぎは 燃えさかる火の中へ飛び込みました。 

    神様はうさぎの優しさを みんなにいつも 思い出してもらえるよう月に姿を映しました。  

    ― 月をみて あなたも優しさを思い出してください ―      つづく

  • 46 ハナコのお花へ
  • 数日後ハナコは、コノハにたずねました。

    「お花さん元気なの?」 

    「えっ?あぁあれどうだっけ」

    コノハの窓辺に行くと下を向いた 花がいました。

    「あぁ、だめだ。こんなのあんたに返すわ」

    ハナコは、また よろこんで持って帰りました。 

    すぐにお水をあげるとまたきれいなお花に戻りました。 

     ハナコは、その花を家の前にあるかだんに植えました。

     今ではその花で春になると、花壇はいっぱいです。 

    「ハナコのかだんは きれいだね」 

    シュンが ほほえむと 

    ハナコは、くすっと 笑ってつぶやきました。 

    「大事にしたから…」 おしまい


    「なに!このかんづめ」 

    あらまぁ、コノハが おかんむりです。

    「もう3日も待っているのにぜんぜん芽がでない。こんな かんづめ なんてハナコちゃん、あんたにあげるわ」 

    そのかんづめのラベルには、お花の咲くかんづめと書いてあります。 

    ハナコはよろこんで持って帰りました。

    ハナコは、太陽いっぱいの窓辺で、かんづめの中を鉢にうつして、毎日お水をあげ続けました。

    「わぁ、かわいい芽がでた」 

    コノハにもらってから10日たっていました。

    それから さらに10日。 

    小さなつぼみがふくらみ、2日後 ついに 花が咲きました。

     お花が咲いたその日の事です。

    「あら?かわいい花」 

    ハナコの窓辺にコノハが、通りかかりました。

    「ちょっと、ハナコちゃん。かわいい花ね…?…!ああっその花 私があげたかんづめ! 

    ちょっと、それって私のかんづめよね。ありがとう」

    そう言うと、コノハはお花のかんづめを持って帰ってしまいました。 

    ハナコは、お花がいなくなって さみしくて しくしくと泣きました。      つづく

  • 45 サンおばあちゃんの最初へ

    「いたああい。わああああああん」

    「ほら、だいじょうぶ?」

    シュンが右 ハルナが左肩をコノハにかしました。

    「なにようう。なんで葉っぱなんてあるのよっ」

    ― あなたの周りのサンおばあちゃんに 感謝していますか ―

     次の朝、いつものようにおばあちゃんが、がんぜきで木の葉を集めていました。

    「おばあちゃん、いなかったけどどうしたの?」

    シュンが、サンおばあちゃんに話かけました。

    「あぁ、かぜをひいてね」

    「だいじょうぶ?」

    「あぁ。もうだいじょうぶだよ」

    おばあちゃんは、やさしいえがおで答えてくれました。

    先生が話してくれた事をシュンは、思い出しました。

    サンおばあちゃんは、太陽みたいに

    いつも、朝出てきて いつも えがおだからサンおばあちゃんと呼ばれるようになったそうです。

    本当の名前はアキさんと言うそうです。

    「お日様がないと みんなこまるから、体大事にしてね。 サンおばあちゃん」

    シュンも やさしいえがおで言いました。 おしまい

  • 44 秋へ

    「ちょっとシュンちゃん。サンおばあちゃんとお話ししていたでしょ?」

    コノハが、口をとがらせて言いました。

    「うん。いつもありがとうって言ったんだよ」

    おそうじ屋さんのサンおばあちゃんと、毎朝学校へ行く時にシュン達は道で出会います。

    雨が降っても、かんかん照りでも、学校がある日は必ずサンおばあちゃんはいます。

    おかげで学校への道がいつも とてもきれいです。

    「夕べのあらしで 道いっぱいに木の葉が落ちていたでしょう。だから、今日は特におそうじが大変だと思ったから。おばあちゃんに、ありがとうって 言ったよ」

    シュンがそう言うと、

    「ママがあのおばあちゃんとは、お話しちゃいけませんって 言ったもの」

    コノハは、ますます口をとがらせました。

    それから数日後

    朝日の中をシュン達は登校しています。

    「あれぇ?サンおばあちゃんもう3日もお休みしているね。どうしたのかなぁ」

    シュンが、心配そうに言いました。

    「先生に聞いてみる?」

    ハルナも心配しています。

    その時です。

    「きゃああああっ」

    あららら、コノハが雨で積もった木の葉に足をすべらせて、しりもちをついてしまいました。  つづく

  • 44 秋の最初へ

    桜の木の上に いつもの大きな星一つ。 

    「ママ、お月様は なぜやせたり 太ったりするの?」 

    今度はシュンがママにたずねました。

    「そうね。お月様は きっと恥ずかしがりやなのよ。本当は いつも同じ大きさなのにシュンがあんまり 見つめるから恥ずかしくて小さくなっているのね」

    と、ママが答えました。今日のお月様は やせっぽちで、桜の木の上にある大きな星が一段と輝きます。 

    もうすぐ 北風の合唱が森を白く包みます。 

    その前に神様の焚き火は、もっと色こくなって、 森の木々を赤く、赤く燃え立たせます。 おしまい