• 53 コノハとハナコの最初へ

    次の日 学校でルサ先生が、嬉しそうに言いました。

    「先生、とっても 嬉しい事がありました。 

    一つは ハナコちゃんが2,3日で 元気に学校へ来る事ができるそうです」 

    「わぁ」 

    みんなも声をあげてうれしそうです。

    「もう一つは、コノハちゃんが ハナコちゃんを助けるお手伝いを 一生懸命してくれた事です」

    みんな、拍手をしました。

    すると コノハは 口をとがらせて 

    「だって、いじめる相手がいないと 寂しいもん」

    と言いました。 

    みんな くすくす 笑いました。

    一粒の 雨粒が たくさん 集まって 

    大きな流れになるように 

    みんなが 集まれば 

     大きな船だって 運べるさ 

    「ハナコちゃんが、コノハちゃんにまた 意地悪してねって、伝えて下さいって 言ってたわよ」

    先生が コノハに笑いながら言うと、

    「しかたないわね。 いじめてあげるわ」

    コノハは、両手を腰にあてて、照れくさそうに言いました。  おしまい

  • 52 コノハへ

    「うっ」 

    ハナコが、はぁはぁ 言いながら ぶなの木の下に しゃがみこんでいました。

    「あっ!ハナコちゃん!」 

    小鳥の ピッピが それを見つけました。

    ピッピは 急いで 誰かに知らせに行きました。 

     しかし、あいにく、大人達はみんな 森の外れに用事があって 出かけています。

    「シュンちゃん、シュンちゃん。たいへん たいへん!」

    「ピッピちゃん。どうしたの?」 

    「ハナコがね…」 

    シュンは、急いでハルナを呼びに行きました。

    そして、二人で ハナコのところに行くと、ハナコはぐったりしていました。

    シュンとハルナは、ハナコをかかえようとしましたが、ぐったりしたハナコを運ぶのは 二人だけでは無理でした。

    そこでシュンは、魚屋のドラのところへ行ってお魚を捕まえる大きな網を ドラと持ってハナコの所へ急ぎました。

    「この網に乗せて、あぁ…。4匹いるといいな」 

    そこへ、 コノハが通りかかりました。 

    「あっ!コノハちゃん。手伝って!」 

    コノハは 様子を見て、駆けよって来ました。

    そして、 

    「あんた達 早く持って お医者様の所へ行かないと!」 

    コノハの大きな声で 4匹は力を合わせてハナコを運びました。   つづく

  • 52 コノハの最初へ

    夕方 みんなで、家へ帰るとちゅうでした。

    ハルナが、ママにたまごを買って来るように、たのまれていたので、近くのお店によりました。

    「あっ。コノハちゃんのママだ」

    ちょうど、コノハのママが、お買い物をしていました。

    「おばちゃん。こんばんは」

    「あらあ。みんな 今 おかえり?」

    「はい。 コノハちゃんのクッキーおいしかったです」

    ハルナが、元気よく言いました。

    「おほほほ、そうなの。あの子にしてはめずらしく、何度も練習してね。うまくなったでしょ? 

    今度はチョコを入れるんですって。 

    ほら、だから おばちゃんこんなにチョコを買っちゃったわ。それじゃ またね」

    コノハのママは、こしをふりながらレジに向かいました。

    「…ほら、やっぱりね。ハルナちゃんのチョコクッキーとってもおいしかったのよ!!」 

    ハナコが、言いました。 

    ハルナとシュンは、だまってうなづきました。

    おしまい

  • 51 ピュアへ

    「わぁ 二人とも 美味しい!!」

    ハナコが、ほほえみました。

    「ハルナちゃんのクッキーは チョコ コノハちゃんのクッキーは ナッツね」

    「うん、どっちも おいら好きだぁ」

    ねこのドラが、両手をあげて 言いました。 

    ハルナとコノハが、ぐうぜんにクッキーを

    それぞれのママに 手伝ってもらい焼いて来たのでした。

    「コノハちゃん、一つもらうね」 

    「いいけど。じゃあ 私もね」

    ハルナとコノハは、お互いがこうかんをして食べてみました。

    「おぉ、ナッツいいねぇ。おいしいよ コノハちゃん」

    ハルナが、ほほえみました。 

    すると コノハは、だまったまま、帰ってしまいました。

    「おいしくなかったのかしら」

    ハルナの顔が くもりました。

    「そんなことないよ」 

    みんなが 言います。

    「おいらが 全部食べてもいいよ」

    とドラが言いました。

    「おいしかったのよ。きっと。たぶん 自分のよりいいと思ったのよ」

    ハナコが、言いました。 

    「えっ だって…」

    ハルナは、少し悲しそうな顔をしています。

    「コノハちゃんらしいじゃない」

    ハナコは、こまったわねというような顔をしました。

    つづく

  • 続きへ

    「シュン 目を閉じて、 ピュアの事思い出してごらんなさい」

    ママが、シュンの肩を優しく抱いて言いました。すると、

    「あぁ、ママ。ピュアがいる!」

    と、シュンが叫びました。

    「シュン。ピュアはもう絶対に枯れないわよ」

    「そうだね!ママ! ああ、ピュアの芽がでたよ」

    シュンは、目をとじたまま うれしそうにほほえみました。  おしまい

  • 51 ピュアの最初へ

    そのまた数日後

    ブルーとグリーンは、もう かれそうです。

    「ママ、ピュアもかれるの?」

    「生きるものは、すべてかれるのよ」 

    「ねぇ、ピュアをかれなくすることは、できないの?」 

    ピュアは、やっと真っ赤な花を咲かせています。

    「もしも、枯れずにいたら

    シュンがおじいちゃんになって、お空に行く時どうするの?」

    「ぼくは、連れて行くよ」

    「お空の上は息ができないよ。それでも連れて行く?」

    「あぁ、苦しいね…」

    「あのね、いい考えがあるんだけど。おばあちゃんにお願いしましょうよ。ピュアが先におばあちゃんの所へ行くので、だいじにしてねって」

    シュンは、目をとじていのりました。

    「おばあちゃん、お願いね」

    その時です。 

    ピュアの花びらがこぼれてしまいました。

    「ピュア!!」

    シュンは、大泣きしました。

    おばあちゃんがお空へ行った時のように。 つづく

  • 小さなたまねぎが、3つテーブルの上にありました。

    「ママ、こんやは シチューなの?」

    それを聞いて、ママはおなかをかかえて笑いだしました。

    「これは、チューリップ」

    「えええっ!!」

    こんなに小さい玉ねぎみたいな物があのきれいなチューリップだとママに言われて、シュンはとてもおどろきました。

    青いガラスのうつわに土を入れ、一つ玉ねぎをうめました。

    緑のガラスのうつわに土を入れ、一つ玉ねぎをうめました。

    とうめいなガラスのうつわに土を入れ、一つ玉ねぎをうめました。

    青はブルー、緑はグリーン、とうめいはピュアと名前をつけて 毎日水を あげました。

     

     すると、ブルーとグリーンは、かわいい芽を出しました。けれどもピュアは芽を出しません。

    「ママ、どうして ピュアは起きないの?」 

    「きっとシュンみたいに、おねぼうなのね」

    ブルーとグリーンは、すくすくのびました。

    ふっくらとつぼみも、ふくらんでいます。

    けれども、まだ ピュアは芽さえ出しません。

    「だいじょうぶかなぁ」

    シュンは、ピュアがしんぱいでしょうがなくなりました。

    ピュアを窓べにおいて、風とお日様をいっぱい当てました。 

     数日すると、

    「ママ!!ピュアが起きたよ!」

    やっと、ピュアが芽を出しました。

    ブルーとグリーンはもう きれいな花を咲かせています。

    「良かったわね」 つづく

  • 50 クリスマスの最初へ

    「サンタさんがいない…僕は 良い子じゃないのかな…」 

    シュンは今にも泣き出しそうです。すると

    「あれ?これは 何かな?」 

    とパパが そっと包みを出しました。 

    「あっ!僕のプレゼントかな!」 

    シュンは にぎっていた毛布を落して包みに飛びつきました。

    がさがさ ごそごそ 

    「わぁ!欲しかった。機関車だ!」 

    「シュン 良かったな」 

    「ねぇ。パパどうしてサンタさんは、僕に 

    会ってくれないの?ありがとう と言いたいのに」 

    今度は、ママがパパにウインクして 

    「シュン、サンタさんはきっとパパと同じなのよ。普段お仕事で忙しくて なかなか 会えないけど、ちゃんとシュンやママの欲しい物をプレゼントして下さるでしょ?」

    「そっか…。サンタさん忙しいんだね」 

    ― 見えなくても 深い思いが貴方を包んでいませんか ― 

    ここのところ降り積もった雪で、ふんわりと白く森はおおわれ久しぶりに晴れた空は、プラチナの細い弓が引かれています。

    窓辺では、クリスマスローズの花束が、ガラスの花瓶からこぼれ落ちそうです。 

    「パパ、サンタさん ありがとう!!」

    ママとパパは シュンの左右のほっぺにシュンを抱きしめながら キスをしました。 おしまい

  • 49 すてきな会議へ

    静かな 静かな夜です。 

    暖炉のぱちぱちという音と遠くから聖歌が、かすかに聞こえます。 

    「何かしら…」 

    ママは、そっとプレゼントの包み紙が 破れないように プレゼントを開けました。

    「まぁ きれいな木箱 宝石入れかしら」 

    「何だと思う? 開けてごらん」 

    パパは、ほほえんでいます。 

    「わぁ…きれい!!」 

    その木箱のふたを開けると 小さな白鳥が羽を広げています。 

    「横の取っ手を回してごらん」

    ママが木箱の横についている小さな取っ手を回すと 

    「まぁ・・・」 

    優しいメロディーが、流れ出し小さな白鳥がくるくる舞い始めました。 

    パパとママがそっとキスをしようとしたその時です。

    「ママ…」 

    「あら、シュンどうしたの?」 

    シュンが、ドアの所に毛布を引きずりながら立っています。 

    「サンタさんを待ってるんだけど こないんだ…」 

    パパとママは 顔を見合わせて笑いました。 

    「あああっ。ママの所にはもう来たの?」 

    ママの手元の包みを見てシュンは 叫びました。 

    「あっ!シュン今 赤い物が窓の外をお部屋の方へ行ったよ」 

    パパがママにウインクしながら言いました。 

    「えっ!!大変だ」 

    シュンは 急いで部屋に戻りました。 つづく
  • 49 すてきな会議へ

    「はいっ!」

    「ほれ、すずめのチッチ」

    「トラおじいちゃんの散歩道にね。木と木の間にひもを渡して そのひもをおじいちゃんがさわりながら お散歩したらいいんじゃない?」

    「おぉおお、それじゃ!!」

    数日後 トラおじいちゃんは、一人でひもをさわって、お散歩をしていました。

    ― みんなのやさしさが そうさせました― 

    分かれ道には小さな木を植えて、わかるようにもしました。

    「わしは、みんなに守られて、歩いてるような気がするんじゃ」

    お茶を飲みながら おばあちゃんに おじいしゃんは、うれしそうに話したそうです。