空手界で最もミステリアスな型「ナイハンチ」(ナイファンチ、鉄騎)。
横一直線に行ったりきたりする不思議な型が、どう実戦で使われるのかは、空手愛好家の興味の的です。
またまた、そんなナイハンチの分解用法を紹介する動画を見つけました。全体的にシンプル且つ使いやすそうな内容です。
Tekki shodan kata bunkai défense
http://www.youtube.com/watch?v=txP8vWt3xQE&mode=related&search=
まず面白かったのが、謎(?)の鉤突きの分解。
(1)鉤突き=肘を決める動き
(2)鉤突き=入り身投げからの下段突き
(3)鉤突き=小手返しをしながらの中段突き
の3通り分解が紹介されていましたが、個人的には結構納得。今まで本や動画で見てきた分解の中で一番しっくりきました。
▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲
(0)型の動きの確認
まずは、ナイハンチの動きの確認。
謎の鉤突きを中心に取り出します。
右を向いて左肘打ち。
ついで左向きに右の鉤突き。
http://www.youtube.com/watch?v=EEniiQqw0nM
最初は、右方向に受け→攻撃をしておきながら、途中から反対側に受け→攻撃・・・あれ? 相手はどこに? と不思議になるところです。左右に敵を想定するには、上の鉤突きは、あまりに射程が短く、左側の敵に届きそうにありません。
この、急に逆側を向いて繰り出す下段払いと鉤突きは一体・・・? それがナイハンチの一つのミステリーです。
まあ、左の敵に無理やりこの鉤突きを当てている分解動画もありますが。
http://www.youtube.com/watch?v=q1UORY8giRI
■□■□■□■□■□
(1)鉤突き=肘を決める動き
一つ目は、鉤突きを相手の肘を決める動きと解釈する分解用法です。
*(0)と左右対称でした・・・
相手が右追い突きしてくるのを、
インサイドから、左手で背刀受け。
相手の右腕を掴んで、
右の肘打ち。
肘打ちした右手を相手の右手の下をくぐらせ、
右手は下段払いの動き、左手は鉤突きの動きで
相手の右手をコントロールして、
右肘を決めます。
そのまま相手が逃げる方向に進み、
腹這いに押さえ込む。
肘打ちと鉤突きの方向が逆なこと、鉤突きが射程の短い打撃である不思議を説明してくれる解釈です。鉤突きが、相手の肘を決める動きだとする解釈は、以前見た糸東流のピンアン五段の鉤突きの解釈 と同じですね。
(2)鉤突き=入り身投げからの下段突き
二つ目は、下段払いが入り身投げ、鉤突きが下段突きという解釈です。
相手の右追い突きを、
アウトサイドに逃げて右背刀受け。
次いで左の肘打ち。
でも、ここは逆突きの方が自然な感じがします。
あの元祖実戦空手の本部朝基も、「実戦の場合は、左肘を以って突くにあらず、左の拳を以って突くべきものなり。型なればこそ、ていさいよく、かくせるなり。注意すべき事なり。」(*)と書いています。
奥足(左)を相手のアウトサイドに踏み込ませながら、
決めの右鉤突き。
こっちも面白いですね。
下段払いを入り身投げに解釈するのは、他の型で見たことがあります。
少し強引なのは、型と違って、奥足を前に踏み出す足運びが必要な点です。しかし、ナイハンチという型全体が、足を入れ替えて動き回る型であることを考えれば、自然な展開とも言えます。
また、相手との位置関係によっては、足を踏み変えなくても、左下段払いを相手の顔面への鉄槌打ちにするなど、入り身投げではないものの、類似の分解は可能そうです。その場合、右鉤突きも、左鉄槌打ちと組み合わせたコンビネーションになるのかも・・・。
(3)鉤突き=小手返しをしながらの中段突き
(長くなるので 「これで納得?鉄騎の分解II」 へ)
例によって、この分解用法が正しいのかどうか、私には判断するすべはありません。しかし、個人的にはとても納得いくものでした。
次は、謎(じゃないか?)の「波返し」編に続く・・・?
(続きました→「これで納得?鉄騎の分解III 」)
■□■□■□■□■□
ナイハンチの肘打ち=正拳突き、という本部朝基の型解釈は、「私の唐手術」(昭和7年)が出典です。
現在は、「本部朝基と琉球カラテ」(岩井虎伯)に収録されています。
横一直線に行ったりきたりする不思議な型が、どう実戦で使われるのかは、空手愛好家の興味の的です。
またまた、そんなナイハンチの分解用法を紹介する動画を見つけました。全体的にシンプル且つ使いやすそうな内容です。
Tekki shodan kata bunkai défense
http://www.youtube.com/watch?v=txP8vWt3xQE&mode=related&search=
まず面白かったのが、謎(?)の鉤突きの分解。
(1)鉤突き=肘を決める動き
(2)鉤突き=入り身投げからの下段突き
(3)鉤突き=小手返しをしながらの中段突き
の3通り分解が紹介されていましたが、個人的には結構納得。今まで本や動画で見てきた分解の中で一番しっくりきました。
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(0)型の動きの確認
まずは、ナイハンチの動きの確認。
謎の鉤突きを中心に取り出します。
右を向いて左肘打ち。
ついで左向きに右の鉤突き。
http://www.youtube.com/watch?v=EEniiQqw0nM
最初は、右方向に受け→攻撃をしておきながら、途中から反対側に受け→攻撃・・・あれ? 相手はどこに? と不思議になるところです。左右に敵を想定するには、上の鉤突きは、あまりに射程が短く、左側の敵に届きそうにありません。
この、急に逆側を向いて繰り出す下段払いと鉤突きは一体・・・? それがナイハンチの一つのミステリーです。
まあ、左の敵に無理やりこの鉤突きを当てている分解動画もありますが。
http://www.youtube.com/watch?v=q1UORY8giRI
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(1)鉤突き=肘を決める動き
一つ目は、鉤突きを相手の肘を決める動きと解釈する分解用法です。
*(0)と左右対称でした・・・
相手が右追い突きしてくるのを、
インサイドから、左手で背刀受け。
相手の右腕を掴んで、
右の肘打ち。
肘打ちした右手を相手の右手の下をくぐらせ、
右手は下段払いの動き、左手は鉤突きの動きで
相手の右手をコントロールして、
右肘を決めます。
そのまま相手が逃げる方向に進み、
肘打ちと鉤突きの方向が逆なこと、鉤突きが射程の短い打撃である不思議を説明してくれる解釈です。鉤突きが、相手の肘を決める動きだとする解釈は、以前見た糸東流のピンアン五段の鉤突きの解釈 と同じですね。
(2)鉤突き=入り身投げからの下段突き
二つ目は、下段払いが入り身投げ、鉤突きが下段突きという解釈です。
相手の右追い突きを、
アウトサイドに逃げて右背刀受け。
次いで左の肘打ち。
でも、ここは逆突きの方が自然な感じがします。
あの元祖実戦空手の本部朝基も、「実戦の場合は、左肘を以って突くにあらず、左の拳を以って突くべきものなり。型なればこそ、ていさいよく、かくせるなり。注意すべき事なり。」(*)と書いています。
決めの右鉤突き。
こっちも面白いですね。
下段払いを入り身投げに解釈するのは、他の型で見たことがあります。
少し強引なのは、型と違って、奥足を前に踏み出す足運びが必要な点です。しかし、ナイハンチという型全体が、足を入れ替えて動き回る型であることを考えれば、自然な展開とも言えます。
また、相手との位置関係によっては、足を踏み変えなくても、左下段払いを相手の顔面への鉄槌打ちにするなど、入り身投げではないものの、類似の分解は可能そうです。その場合、右鉤突きも、左鉄槌打ちと組み合わせたコンビネーションになるのかも・・・。
(3)鉤突き=小手返しをしながらの中段突き
(長くなるので 「これで納得?鉄騎の分解II」 へ)
例によって、この分解用法が正しいのかどうか、私には判断するすべはありません。しかし、個人的にはとても納得いくものでした。
次は、謎(じゃないか?)の「波返し」編に続く・・・?
(続きました→「これで納得?鉄騎の分解III 」)
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ナイハンチの肘打ち=正拳突き、という本部朝基の型解釈は、「私の唐手術」(昭和7年)が出典です。
現在は、「本部朝基と琉球カラテ」(岩井虎伯)に収録されています。
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