のらねこ、海を渡る インド編その3〜レンガパズル問答と天文台 | ひろじの物理ブログ ミオくんとなんでも科学探究隊

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 インドのICPE2005では、あの「ポピュラー・サイエンス・レクチャーが好評で、さらに「インドの小学校でこのレクチャーをやってくれないか」と頼まれました。日程が合わなかったのでていねいにお断りしましたが、日程が合えば、たぶんやっていたでしょうね。

 

 ぼくは、今までの海外行脚に比べると、研究会の中身より、それ意外の部分が強く印象に残りました。

 今ふりかえると、インドという国に驚いたさまざまな出来事の方が記憶に残っています。

 

 

 これは市内にある有名な中世の天文台跡です。

 

 中に入るとガイドらしき人が近寄ってきて、勝手に説明を始めました。なかなか詳しい説明でしたが、当然、最後にチップを要求されました。物価が違うのでそれが相場より高いのか安いのかわからない。ひとしきり説明が終わると、また別の観光客を見つけて貼り付いていました。しばらくすると、すっといなくなります。・・・公式な係員ではなかったようです。

 

 

 

 天文台といっても、望遠鏡があるわけではなく(望遠鏡はもっと後、ガリレオの時代に発明されます)大がかりな日時計に近い天文台ですね。

 

 ここは泊まっていたホテルから徒歩で行けたので、自由時間に町をさまよったときに、ついでに立ち寄りました。

 

 道ばたでは屋台のようなものがあり、少年が水を売っていました。

 その水を見ると、かなり汚れています。地元の人はそれをカップに入れて平気で飲んでいましたが、ぼくらが飲んだら一発で腹を下すでしょう。

 町を歩いている海外からの観光客はいっぱいいたのですが、よく見ると、みんな水のペットボトルを持って歩いています。よく知っているのですね。

 

 そういえば、途中、科学館があったので、そこも寄ってみたのですが、エスカレーターが中央にあって、地元の子どもたちが大喜びで乗っていました。どうも、(当時はまだ)インドではエスカレーターは珍しい物だったようです。

 

 のみの市のようなところがあり、そこで一弦琴のような楽器をお土産に買いました。この市では、髭もじゃのヒンドゥー教徒が、にこやかな笑顔で「トモダチ、トモダチ!」と呼びかけてきます。

 

 前に「ムスリムの教え」の記事でも書きましたが、だいたいにおいて、こういう感じの人たちがやってきた場合は、ウソをつかれ、実際より高い値段で物を売りつけられます。

 

 タクシーの運ちゃんも、観光客のたくさんいるホテル界隈は、ヒンドゥー教徒の運ちゃんの縄張りになっています。他のタクシーが来ると、みんなでわいわいとやってきて、縄張り荒らしを追い払います。

 

 インドでテロを起こしているのは主にムスリムの人たちですが、個人的なつきあいをする場合、正直でマジメなのはムスリムの方だと感じています。

 ヒンドゥーのタクシー運転手は、客のいうことを聞かずに、提携しているお土産屋にむりやり連れて行きます。たぶん、そこでの売り上げの何割かを歩合制でもらえる契約なのでしょう。

 ムスリムの運転手は、たまたま見つけた二台の運ちゃんしか知りませんが、どちらも正直でした。

 

 ちなみに、ものは試しと、そのいかがわしい土産物屋でシバ神の小さな像を買ってみました。店員が「すごく安くできる」というのを信じたのではないのですが、空港の土産物屋よりは安いのではないかなと、比較したいと思ったのです。(空港で、同じ物が、その3分の2くらいの定価で売られていたのを見て、呆然としましたが・・・)

 

 「人なつっこい=いい人」ではなく、「人なつっこい=危ない人」というイメージを持てるようになったのは、ここでの体験が大きいです。

 

 

 一応、タージマハルにも行きましたので、いかにもの写真を一枚。

 

 

 これがインド門です。

 ここを中心に、道路が放射状に広がっているので、散策したとき、方向感覚がずれて、非常に困りました。今ならスマホのGPSがあるので、いいのですが・・・

 

 迷っているうちに、中心街から離れたアパートがいっぱいある場所に出ました。これはまずいと、近くにいたタクシーに乗り込んで、ホテルに戻ることにしましたが、そのあと、タクシーが思わぬ方向へ進み、橋を渡って遠くへ向かうので、さすがに緊張しました。

 この顛末は「ムスリムの教え」に書きましたので、そちらをご覧ください。

 

 インドに行くと、また行きたいと思う人、二度と行きたくないと思う人に分かれるといいます。

 

 ぼくは、旅行ならまた行きたいけど、研究会には二度と行きたくない、と思いました。

 

 さてさて、話題は尽きないのですが、ここらで一区切りつけておきます。

 

 ガイドのS氏の「レンガパズル」の答は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 こちらでした。

 

 S氏に出題されたとき、ぼくたちもいろいろ試し、これに近い組み方も考えたのですが、ぼくたちはレンガを横向きに倒したまま組んだので、真ん中の隙間に手が入らず、一番下のレンガを持ち上げられなかったのです。

 

 S氏はレンガを縦向きにおいて積み上げることで、手の通る隙間を確保したんですね。

 

 やられた〜〜〜!

 

 ぼくたちは、まんまとS氏に100ルピーを巻き上げられました・・・

 

 まあ、おかげで、ぼくたちもこのあと出版した『いきいき物理わくわく実験3』で、このネタを記事にできたので、損して得取れ、って感じですな。

 

 最後に、下世話な写真で申し訳ありません・・・

 

 

 インドの建物にある、標準的なトイレです。

 

 娘はこの写真を見て大笑い。「なんでトイレの写真なんかとるかなあ〜、お父さん、へん!」

 

 いや、娘よ、そうではないぞ。

 

 伊藤政夫さんがくれたインド旅行の写真集にも、これと似たトイレの写真がありました。

 

 「ほら、みんな同じだろ! トイレに紙がなくて洗い場があるって、衝撃的だったから撮ったんだ。お父さんだけじゃないもんね!」

 

 「二人ともへんなんじゃない?」

 

 いや、いや、いや・・・・

 

 

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ムスリムの教え(のらねこ海を渡るインド編〜番外編)

のらねこ、海を渡る インド編その1

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