先日、【かがくのひろば遊】でのミニサークルで、ロウソクの炎の影の実験をしましたが、その後、気になったので追実験をしてみました。
冒頭のイラストはファラデー。名著『ろうそくの語る科学』(この邦訳タイトルは平凡社版。『ロウソクの科学』は角川文庫版)でも手に入ります。
【遊】では、点光源か平行光線でないと、ロウソクの炎の影は見えないだろうという予想を立てていました。太陽は巨大なので、濃い主影と薄い半影ができます。頭を電柱の影に近づけると、二つの影の間にこぶのような影ができるのは、この半影が重なるためです。
だから、太陽の光では、ロウソクの炎の影は見えないのではないか、と予想したのです。
ロウソクの炎のような濃い影のできないものでは、主影はできにくいだろう・・・と。
でも、その後、どうも気になって、職場の実験室で実験してみることにしました。
実験室の窓際の石台で、日差しが強く入る時間帯に、ロウソクを置いて実験してみました。
炎の影は見えていません。でも、手で炎を扇いだりすると、まわりの陽炎の影が生じます。残念ながら、非常に薄い影なので、スマホのカメラにはとらえきれませんでした。
ひょっとして、石台がスクリーンとして適当でないため影が見えないのかもしれないと思い、白い紙を置いてみました。
すると・・・
炎の影、見えました!
ロウソクの芯のすぐ上に、小さな黒い影が見えますね。
それだけでなく、予想以上に細長い炎の形も見えました。これは、実際に光っている炎だけでなく、熱くなって空気の密度が下がり、周りの空気との間で光が屈折したためでしょう。
白く光る炎の形の縁取りが、周りより温度の高い部分になります。光っている炎よりもっと上まで、温度の高い「光らない炎」があるのがよくわかります。
太陽の光ではロウソクの炎の影は映らないというのは、勝手な思い込みだったようです。
やはり、実験は、やってみないとわからないものですね。反省しました。
前回の実験室内の実験の結果もここにまとめておきます。
これは青色LEDの光をレンズで集めて平行光線にして当てたときの影。
黒い炎の影がよく見えます。
こちらは、白色LEDの懐中電灯の光をレンズで平行光線にして当てた場合の影。さっきより黒い影がよく見えます。
こちらは、白色LEDの懐中電灯で直に照らした場合。今のLED懐中電灯は、LEDが小さく、点光源に近いので、きれいに影が映りました。
太陽の光で見たときと同様に、細長い炎形をした熱い空気の影が映っています。
動画はこちらです。
太陽光で見た動画
点光源のLEDライトで見た動画
【追記】ロウソクの炎の影の動画を2つぼくのユーチューブチャンネルから貼りましたので、記事を再アップしました。
<遊のミニサークル>
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ロウソクの炎の影を見る実験〜遊のミニサークル2020.9.19その1
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