昨年から仕事が変わり、地方に旅する機会が増え、時間があれば各地の地元文具店を訪れる機会が持てるようになった。

すると店頭には、時には見たこともないデッドストックの品が埃を被り「私を連れ出して!」と叫んでいたり、地方限定の品がピカピカに輝きを放ち「今買わないと一生手に入らないぜ」と囁いていたりと、まさに宝探し状態。

筆記具ライフには幸せな日々を過ごしております。

最近は殆ど投稿もできていない私のブログですが、トータルでは安定してぺんてるケリーに関する投稿をご覧頂いているようです。

KERRY(ケリー)、これが何と果てしない旅を提案してくれている一つの目的ということになるのですが、最近また少しずつ増殖しつつあるので、ご紹介しておきたいと思います。

↓今働いている東海地方のある街で入手した一番新しいKERRYです。ロゴは全て昔のPentel 5で入っています。特にゴールドに透明軸の輝きたるや凄いものです。


ところで、KERRYとpentel 5を使い分けている基準はあるのでしょうか?無いはずが無いと思うのですが、私には分かりません。

ぺんてる株式会社様、是非コメントをお寄せ頂けましたら幸いです。




万年CILという造語で知られているシャープペンシルでもありますが、フォルムのカッコ良さは勿論ですが、やはり使っていて一番気持ちの良いところは、万年筆のようにキャップを外して、お尻にカチッと嵌めた時の感触、そして絶妙に手に馴染むバランスで長時間の筆記にも疲れず快適な書き味を提供してくれるということになるのでしょうか。

本当に長年愛される、日本が誇る素晴らしい筆記具だと思います。

そして過日、とても感動する出来事がありました。

仕事で訪れた先で商談中、お客様が綺麗なブラウンのケリーで筆記されていたのに目を奪われました。商談が終え、私は思わず駆け寄り、「それケリーですよね」と話しかけました。すると「ケリーって言うんですか?親父の形見なんです。とても書きやすいので、ほらこんなに凸凹になって傷だらけになっているんですが、手放せないんです。家に他にも何本か未使用のものもあるんですが、私はこのブラウンともう一本このグリーンに惹かれて使い続けているんです。親父が無類の文房具好きで。」と顔をほころばせて話して頂けました。私は思わずケリーを愛する気持ちを暫く話してしまい、写真まで撮らせて頂きました。


そして約1ヶ月後、再度そのお客様のところを尋ねた際、「これ良かったら使ってください。」と、古いビニールに包まれたPentel 5のロゴの入ったブラックのケリーを私に下さったんです。「いやー、先日カーティスさんからケリーの話を聞いて、やっと親父の思いが分かったようで。とても嬉しかったんです。私、一生このブラウンとグリーンのケリー使おうと、改めて思ったんです。まだ家に何本かあるので、これは是非カーティスさんに使って貰いたくて。」その話に私は涙が出てしまいました。どうしてもと頑なにおっしゃるので、「本当に大切に、大切に保管させて頂きます」と、お父様の想いをお預かりしました。


皆さんにも、一本の筆記具に込められた大切な物語はありませんか?

それを忘れていませんか?

もし忘れていたなら、是非引き出しの奥から取り出して、その思い出に光をあててあげて下さい。











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