クローズZERO(2007)
結構話題になった三池嵩史監督のヤンキー映画だが、私はまったく乗れなかった・・・
ヤンキーたちが集まる鈴蘭高校で最強のお山の大将を生徒たちが争う物語。
小栗旬をはじめとする登場人物たちが、精一杯イキって群れて歩き、手当たり次第に喧嘩する。
なぜ、主人公の小栗旬がこの高校に編入してきてまでお山の大将になりたいのかチラッと明かされるが、それは刺身のツマ程度のもの。
全編中90%は「ウォー」とか「ゴラア」とか雄たけびを上げながら取っ組み合いの喧嘩してます。
『ウエストサイド物語』(1961)のクライマックスの抗争シーンを模したようなグループ同士の激突シーンで盛り上がりかけたところに、黒木メイサが歌うシーンが入る。
このシーンは笑ってしまったね。『ストリート・オブ・ファイヤー』(1984)のダイアン・レインを意識しているのかな。
敵のボス山田孝之の友達に突然襲い掛かってくる病気の描写も水増し気味だし、闘病シーンもいらない。
そして雨の中での抗争シーンです。
劇画のようなカットやSEで頑張ってるのはわかるのですが、長い!
一昔前の香港映画のクンフー対決のようだ。
小栗旬の間を取った見返りカットが多用されるのはカッコいいのですが、繰り返し見ていると霜降り明星の粗品さんに見えてきて困った。
オープニングで水に沈むやべきょうすけは、ビリー・ワイルダー監督の『サンセット大通り』(1950)のパロディみたい。
そして、劇中に使われるわざとらしいロックの音楽。ものすごくダサい。
三池監督はゴキゲンで演出しているのでしょうが、どうにも私には相性が合わないようだ。
結構酷評している本作をなぜ本ブログで取り上げたかというと、舞台になっている鈴蘭高校のロケを今は統廃合によって廃校になった私の母校、『大阪府立高槻南高校』で行われていたからです。
校舎中に描かれた落書きに、当初は『私の母校をめちゃくちゃにしやがって』と怒りが爆発しましたが、偶然アメブロで本作の落書き等担当された(株)青沼塗装工業様の記事を見つけ、ちゃんと原状回復していただいたとのことがわかって安心しました。
顛末を知らなかったときはここまで汚されて怒りましたが・・・
今は住宅街になってしまって学校の面影は全くなくなってしまいましたが、この作品の中に母校の最後の姿が残っているので、作品の出来は別にしてとりあげることにしました。
あと、『僕の彼女はサイボーグ』のロケも私の母校で行われています。