僕のニューヨークライフ | あの時の映画日記~黄昏映画館

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あの日、あの時、あの場所で観た映画の感想を
思い入れたっぷりに綴っていきます

僕のニューヨークライフ』 原題:ANYTHING ELSE

2003年(米) ウディ・アレン監督作品

 

6月の下旬、

ウディ・アレンの新作、

『女と男の観覧車』が公開されるのが楽しみでたまりません。

 

その高ぶる気持ちを抑えるウォーミングアップの意味で、

久々にウディ・アレン作品のレビューです。

 

若いコメディー作家が、

ある女性に一目ぼれして惹かれあい付き合うことになるが、

付き合いだすとセックスの相性が悪くなってしまい、

6か月も関係が無くなる。

 

彼は精神分析医に通っているが、

分析医の言葉はいつも曖昧。

 

もう一人、

アドバイザー的な先輩作家がいて、

これがウディ。

ユダヤ人コンプレックスを強く持つ彼は、

時に哲学的な言葉を若者に語る。

でも、変人だ。

 

そしてウディが、

若者の彼女の浮気を疑えと言い出し・・・

 

性に必死になることが、

こんなにも可笑しいことなのかといつもながらわからせてくれる。

 

くっついたり離れたり、

男女の関係って微妙なもんですね。

第三者が見たら、

恋愛なんてコメディなのに、

本人たちは真剣なんですよ。

 

軽いタッチの物語なのに、

結構テーマは深く、

人間は性のために生きるのか、

生きていく意味は何なのか、

死とは?生とは?・・・と、

細かいギャグの端々に哲学的なことをブッコんでくる。

 

相変わらず音楽の使い方がお洒落で、

ビリー・ホリディを始め、

多彩なジャズナンバーが物語を彩る。

 

そしてラストは、

一人で生きていくことが大切なんだよって教えてくれる。

手塚治虫が言ってたな。

ウディ・アレンの作品は、

いつも最高に心のこもった家庭料理だと。

その意見に賛成です。

 

邦題だけはいただけないな。

もうちょっと気の利いたタイトルにしてほしかった。

 

ウディ・アレン作品レビュー

泥棒野郎』 1965

ウディ・アレンのバナナ』 1971

ウディ・アレンのSEXのすべて』 1972

ボギー!俺も男だ』 1972

スリーパー』 1973

ザ・フロント』 1976

アニー・ホール』 1977

インテリア』 1978

マンハッタン』 1979

スターダストメモリー』 1980

サマー・ナイト』 1982

カメレオンマン』 1983

ブロードウェイのダニーローズ』 1984

カイロの紫のバラ』 1985

ハンナとその姉妹』(僕のオールタイムベスト) 1986

ラジオ・デイズ』 1987

私の中のもう一人の私』 1988

ニューヨークストーリー』 1989

重罪と軽罪』 1989

マンハッタン殺人ミステリー』 1993

ブロードウェイと銃弾』 1994

誘惑のアフロディーテ』 1995

世界中がアイ・ラブ・ユー』1996

セレブリティ』 1998

ギター弾きの恋』 1999

スコルピオンの恋まじない』 2001

さよなら、さよならハリウッド』 2002

メリンダとメリンダ』 2004

夢と犯罪』  2007

それでも恋するバルセロナ』 2008

人生万歳』 2009

恋のロンドン狂騒曲』 2010

ミッドナイト・イン・パリ』 2011

映画と恋とウディ・アレン』 2011

ローマでアモーレ』 2012

ジゴロ・イン・ニューヨーク』 2013

ブルージャスミン』 2013

マジック・イン・ムーンライト』 2014

教授のおかしな妄想殺人』 2015
 

カフェ・ソサエティ』 2016