「月の光／ドビュッシー」を演奏しているアーティスト紹介

　「月の光」は、ヴェルレーヌの詩『月の光』から着想を得て、ドビュッシーがベルガマスク組曲（1890年）の中の最も有名な同名の第3曲のピアノ曲として作曲しました。また、ドビュッシーはこの他に声楽とピアノ伴奏のためにこの詩の楽曲（歌曲）を2曲作りました。さらに、後世の人々が、さまざまの編曲により、色々な楽器で演奏しています。曲は変ニ長調、8分の9拍子、ほとんどピアニッシモで演奏される夜想曲で、優しく切ない曲想で有名です。なお、当初のタイトルは「感傷的な散歩道」となっていましたが、後にこのタイトルに変更されています。

写真の出典 im_souffleさんによるPhotoACからの写真

　　音楽好き姉さん

　今回は、ドビュッシーの『月の光（clair de lune）』を紹介します。ドビュッシーは、1862年フランス生まれ（1918年没）は作曲家です。形式、和声、色彩において伝統的基準によらない、全く独自のオーケストラやピアノのための作品を多数残しました。代表作『海』や『夜想曲』をはじめ、200余りの作品でありますが、『月の光』はドビュッシーの曲の中で最もポピュラーな曲の一つと言われています。このような美しいピアノ作品を残したドビュッシーですが、私生活では「性格が悪い」「女性へのひどい扱い（心変わりをして2人の女性を自殺未遂に追い込んだ）」から評判が悪かったようです。取り敢えずその悪評は忘れて、いろんなアーティストが演奏する優しく切ない『月の光』をお楽しみください。

　モーラ・リンパニー／『clair de lune』 -ピアノ

　モーラ・リンパニー（Moura Lympany）は、1915年イギリス生まれの女性ピアニスト（2005年没）です。楽才を認められ、ベルギー・リエージュで音楽を学び、奨学金を得てロンドンの王立音楽アカデミーに入学した経歴があります。原曲に忠実に、ほとんどピアニッシモで演奏されているように思います。

モーラ・リンパニー／『clair de lune』 -ピアノ　YouTubeに2008年10月アップ(5:02)

　ルソー／『clair de lune』- ピアノ

　ルソー（Rousseau）は、リアクティブビジュアライザーを使用してクラシック曲とポップソングのピアノカバーを作成しているアメリカのピアニストです。音楽を目で見る新しい感覚です。多くの指で同時に弾く和音と、流れるような指遣いのメロディーが分かります。

ルソー／『clair de lune』- ピアノ　YouTubeに2018年5月アップ(5:13)

　ロクサーヌ・エルファシ／『clair de lune』-クラシックギター

　ロクサーヌ・エルファシ（Roxane Elfasci）のクラシックギターによる演奏です。リー・リトナーが始めてプロ、アマを問わず世界中から若き才能を発掘、育成することを目的とした「シックス・ストリング・セオリー・コンペティション」で、2018年に彼女はクラシックギターの5位を獲得し注目されました。デビューソロアルバムを今年後半にリリースする予定のようです。

ロクサーヌ・エルファシ(Roxane Elfasci)／『clair de lune』-クラシックギター　YouTubeに2016年10月アップ(5:35)

　カマシ・ワシントン／『clair de lune』-ジャズアレンジ

　カマシ・ワシントン（Kamasi Washington）は、1981年アメリカ生まれのジャズ・サックス奏者です。ジャンルを超えてさまざまなアーティストとの共演をしています。この曲は、クラシックを彼の編曲・プロデュースでジャズにアレンジしたものです。サックス、トロンボーン、オルガン、ベース、ドラム、ヴォーカルなどが加わった演奏になっています。

カマシ・ワシントン／『clair de lune』-ジャズアレンジ　YouTubeに2015年5月アップ(11:07)

　LUKA SULIC／『clair de lune』-チェロ

　ルカ・スーリッチ（LUKA SULIC）は、スロベニア系クロアチア人のチェリストです。ステファン・ハウザーと組んだチェロのデュオ「2Cellos」でも有名。この曲は、編曲とチェロおよびピアノの演奏を自身で行っています。声楽とピアノ伴奏の楽曲をアレンジしているかと思いましたが、もともとはピアノ曲をアレンジしているようです。

LUKA SULIC／『clair de lune』-チェロ　YouTubeに2014年5月アップ(4:18)

　hr-Sinfonieorchester／『clair de lune』-オーケストラ

　hr交響楽団（hr-Sinfonieorchester）は、ドイツのフランクフルト放送交響楽団のことで、一時、ヘッセン放送協会（hr）所属のオーケストラであることから、この名称を使用していました。このオーケストラによる楽曲は、ピアノによる原曲と少し趣が異なる感じです。あえてピアノを使わないことで、重厚な印象に聞こえます。

hr-Sinfonieorchester／『clair de lune』-オーケストラ　YouTubeに2012年3月アップ(6:01)

　Héloïse de Jenlis／『clair de lune』 - ハープ

　エロイーズ・ド・ジェンリス（Héloïse de Jenlis）は、べルギーに住むフランスのクラシックハープまたはケルトハープの演奏者です。彼女は9歳でハープを始め、若いアーティストのために数々のコンクールで優勝しています。この曲は、ピアノと比べると、少し力強さやダイナミックさが加わった曲のように感じました。しかし、ピアノとは全く異なる指の動きですね。

Héloïse de Jenlis／『clair de lune』 - ハープ　YouTubeに2020年3月アップ(4:31)

　クラウンオルゴール／『月の光』-オルゴール

　最後の紹介するのはクラウンオルゴールのよる『月の光』です。この曲「赤ちゃんのためのおんがく～いきいき　どうよう＆すやすやオルゴール～（0歳から2歳半向け）」の最後に収録されています。

クラウンオルゴール／『月の光』-オルゴール　YouTubeに2012年5月アップ(5:18)

　　音楽好き姉さん

　今回は、いろいろなアーティストの「月の光」を紹介しました。この曲は意外と最近の1890年頃の作品ですが、もともとはピアノ曲として演奏されることが多いものの、ほかのアーティストがさまざまなアレンジでカバーしています。実は最近、映画の「さよならドビュッシー」を見たとき、この曲が印象に残ったので紹介しました。

最後に、その他のアーティストが演奏している「月の光」を紹介します。

【高速表示のため、別画面の動画でご覧ください。】

Kun Woo Paik／『clair de lune』-ピアノ　YouTubeに2011年3月アップ(5:45)