ジャレド・ダイアモンド
ノーム・チョムスキー
オリバー・サックス
マービン・ミンスキー
トム・レイトン
ジェームス・ワトソン
インタビュー吉成真由美
この本、この夏休みの読書週間(自分設定)の時読んだ一冊。
大学生の時に入っていたサークルには理系の人が何人かいた。
生物学の人たち、とくに分子生物学。
飲み会途中で「大腸菌が気になる!」と急に立ち上がり、夜遅く大学の塀を
よじ登り研究室に戻っていった人もいた。
じっと研究対象を見る日々。繰り返しの地道な仕事。
その中から何か成果を出していかなければいけない。
そういう苦労の積み重ねで何かが発見され、紐解かれていく。
ここでインタビューを受けているのは、そんな研究者の中でも
スター中のスターの研究者たち。
ジェームズ・ワトソンは最も有名かな?DNAの二重らせん構造
の発見者。そして政治的発言が有名な言語学者のチョムスキー。
映画化もされた『レナードの朝』を著し、その他にも脳や認知機能の研究で
有名なオリバー・サックス。ここまでは私も何となく知っていた。
今回このインタビューで、面白いことを唱えている研究者たちを他にも
知ることができた。
生物学、生理学、そして人類生態学など他領域の研究フィールドで活躍している、
ジャレド・ダイアモンド、人工知能の父とも言われるコンピューター科学者・認知科学者
のマービン・ミンスキー、数学者であってインターネット世界のアルゴリズム(計算方法)
を武器にした会社の創立者である、トム・レイトン、インタビュー形式の本であり、
インタビューアーの吉成さんがとても噛み砕いた質問の仕方をしているので、
科学が得意でなくても、その概要は分かった気になる(真の理解かどうかはちと不安だが)。
印象的だったところを箇条書きに。
・ゴリラとチンパンジーの間には2.3%の遺伝子の違いがあるのに対して、人間とチンパンジーは
1.6%の遺伝子の違いしかない。チンパンジーは強い暴力性をもつ。
人間の暴力性はチンパンジーのそれと似ている。しかし暴力性が遺伝子で
決まるというのはナンセンスな話である。日本はアマゾンやニューギニアの
原住民社会より殺人件数は100倍少ないと推測できる。人間に本来備わった
暴力性を目覚ましく下げることが人間には可能だ。(ジャレド・ダイアモンドのインタビューより)
・人間の神経系は、音楽のビートに思わず反応してしまう。小さい子どもは実際に鳴っている
音楽もしくは想像の中の音楽に自然と反応しダンスをする。
音楽のビートにこのように反応する他の霊長類はない。(オリバー・サックスのインタビューより)
・故障した原子力発電所にリモコン操作できるロボットを送り込んで、
修復作業をすることができなかったのか。これまで過去30年ロボット工学の分野
でいったい何が起こってきたのか。研究者はロボットに人間の真似をさせることに
血道をあげてきた。犬ロボットはサッカーをすることはできるが、ドアを開けることも
ましてや何かを修理することはできない。(マービン・ミンスキーのインタビューより)
・ダーウィンが与えた最大の影響は「ダーウィンが入って、神が出ていった」ということ。
実にシンプルです。神が必要なくなった。(ジェームズ・ワトソンのインタビューより)
これらの研究者たちはインタビューの最後に推薦図書を挙げている。推薦などない、
自分で探すものとい人もいたし、そんなに一般の本自体読まないと言う人もいた。
でもやはりダーウィンの著作はいわゆる”マスト“って奴かもしれない。
いつか気が付いたら手に取ってみよう。