卒業する皆さんに一つの短い話をしたいと思います。「井戸に落ちたロバの話」です。

 

ある農夫のロバが、古い井戸に落ちてしまいました。農夫は助け出そうとしましたが、井戸は深く、ロバも高齢だったため救出は困難であった。ロバは三日三晩悲痛な声で泣き叫んでいました。そこで農夫は考えました。「もう助けられない…。でも餓死するまで見てられない。それなら井戸を埋めてしまおう」

そして近所の人を呼び、井戸の中に土を入れ始めました。土がロバの背中に落ちるたびに、ロバは最初、悲鳴を上げてましたが、しばらくするとロバはある行動を始めました。

背中に落ちた土をブルブルっと振り落とし、足で踏み固め、その上に立ったのです。

また土が落ちてくる。ロバは振り落とす。踏み固める。そして一歩上に上がる。

また土が落ちる。また振り落とす。また一歩上がる。

これを何度も繰り返しました。そして最後にはどうなったと思いますか?。

井戸を埋めるために投げられた土が、ロバを上に押し上げて、地上に戻ることができたんです。

人生はこのロバと同じです。社会に出ると、必ず「土」が降ってきます。失敗することもあります。理不尽なこともあります。動物病院に勤めれば、飼主に怒られることもあるかもしれません。院長に怒られることもあるでしょう。時には「もうこの仕事向いてないかも…」と思う日もあるでしょう。でもその時は、今日のロバのことを思い出してください。土が落ちてきたら、振り落とす。踏み固める。そして一歩上に上がる。それを繰り返せばいいのです。

私たち日本人は、人に物を頼むときには「すみません、これ取ってもらえますか?」と言うよね。それは、相手に迷惑をかけない気持ちがあるから。

 

一方で、犬が何かしてくれたときは、自然と「ありがとう!」と言う。そこには「応えてくれて嬉しい」「お利口だね」という素直な喜びなんだよ。

人間同士の関係には“表と裏”の遠慮があり、損得勘定や気遣いが伴う。しかし犬との関係は、損得ではなくただの“信頼”。だからこそ、私たちは動物の前では飾らずに感謝の気持ちを表現する。人には「すみません」、犬には「ありがとう」。それは、私たちが動物の前でだけ素直になれる証だよ。

世間では「動物は何を考えているかわからない」とよく言われます。飼主も「ペットがしゃべれないから病気の発見が遅れた」と言い訳をすることがあります。しかし、これは大きな勘違いです。

野生の世界は弱肉強食。その環境で生きるには、意思疎通が不可欠であり、生き残るために必要最低限の戦いを行います。一方で、人間はどうでしょう。人間界では意味のない戦争や殺戮が繰り返されています。この事実は、動物の方が人間以上にコミュニケーション能力を持っていることを示しています。

では、あなたのコミュニケーション能力はどう?

  • エレベーターの中で、知らない人に声をかけられますか?
  • タクシーの運転手と自然に会話できますか?
  • 道向こうの知り合いに、ためらわず挨拶できますか?

言葉にしないで伝える力もまた、大切なコミュニケーション力なのです。

 

 

最近、草木や盆栽にハマりはじめた私は、ついに植木市デビューしました。春のぽかぽか陽気で、人もペットもご機嫌。ワンちゃんを連れた家族があちこちにいて、まるでサファリパークみたい。

そんな中、私はサングラスをかけて変装モード。周囲は患者さんだらけなので、バレたくない一心です。ところがワンちゃんが、くんくんと私の匂いを確認し、「あ、竜之介だ!」とでも言いたげな顔に。思わず目で「シーッ、だまっといて!」と伝えると、ワンちゃんは首をかしげてしっぽをパタパタ。いや、そのしっぽでバレるから!

結局、ワンちゃんと無言のアイコンタクト劇場を繰り広げながら植木市を散策。かわいい花や小さな盆栽よりも、ワンちゃんの守秘力の低さにハラハラの一日でした。最近はペットと一緒に出かける家族が増えていて、こういうハラハラも含めてなんだか幸せです。

犬にとって食事と散歩は、日々の大きな喜びなんだ。私のおすすめは食事は1日に2回、散歩も1日2回がいいよ。

 

散歩に関しては、実は距離はそれほど重要じゃないんだよ。犬にとって一番の幸せは、大好きな飼主と一緒に過ごす時間そのものだから(^。^)。

そのため、抱っこやカートで外の空気を感じながら散歩するだけでも、犬にとっては十分幸せな時間になる。無理に長距離を歩かせる必要はなく、伴侶とゆったりとした時間を楽しむことがお互いに大切なんだよねぇ。