※この記事は過去記事の再構成です
皆さん、お元気ですか。
さて、今日はファンの方なら知っている事実を取り上げます。
当初、企画段階では『機動戦士ガンダム』などというアニメは存在しませんでした。
ではその名は何か。
フリーダムファイター。
この企画の基は『宇宙戦艦ヤマト』であり、同じく中学生以上をターゲットに制作。西崎義展と袂を分けた、富野由悠季の意地を感じます。
まず『十五少年漂流記』をヒントに、宇宙船に乗り込んだ少年少女が宇宙戦争の中で協力しながら生き延び成長するというストーリーが考えられました。
しかしこの時点では、宇宙船ペガサス(ホワイトベースの原型!)に乗り、宇宙戦闘機で異星人と戦うという設定でした。
つまり、
ロボットはなかったのです。
しかし当時のスポンサーであったおもちゃ会社クローバーの小松志千郎社長が
「こんな木馬みたいな物のおもちゃを作っても商売にならないから、やっぱりロボットを出してくれよ」
と無理な要求、しかし今となっては神のような要求をします。
困ったスタッフは、ロバート・A・ハインラインのSF小説『宇宙の戦士』からヒントをもらい、登場す?「パワードスーツ」の挿画を元に大河原邦男が「突撃攻撃型機動歩兵」をデザインしました。
(画像左上:なんとも、気持ち悪い)
この潜水服のようなものは全高2.5m程度で子供に受けないとされ、当時主流だった50mから100mの巨大ロボットとパワードスーツのぎりぎりの妥協点としてマジンガーZと同じ18mに設定されました。
ここから長距離戦、中距離戦、白兵戦と距離別にタイプが違う三つのロボットが構想、ガンタンク、ガンキャノン、ガンダムとなっていきます。
ちなみに『宇宙の戦士』の挿絵に強い影響を受けたガンキャノンが主人公機になる予定でした(似ている!)。

しかしこれもスポンサーに反対され、従来のロボット的デザインである「日本的甲冑」が取り入れられたガンダムが主人公機となりました。
ロボットの名称についも「パワードスーツでいいだろ」となっていたが、『宇宙の戦士』の作者が訴訟大国アメリカの人のため、訴えられる懸念があったので「モビルスーツ」に変更。
この時点では『ガンボーイ』という名前でしたが、アメリカ映画「コンボイ」から『ガンボイ』、さらにTV-CMで流行語にした「う~ん、マンダム」から「フリーダム」のダムとかけて『ガンダム』という名前が生み出されました。
こうしてみると、スポンサー・オモチャ会社のクローバー社の要求が的確で、そこから誕生したのがガンダムだったようです。
売れるおもちゃ=人気のあるロボット、であることは当然と言えば当然かもしれません。
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(過去のコラム まとめ )