(前回までのストーリー)
最終回です。
配線をします。
元の通りの配線でもいいんですけど
若干変更してうちのGibsonに合わせます。
違いは3つ。
①TONE回路が可変抵抗器を通ってからコンデンサを通るか、コンデンサを通ってから可変抵抗器を通るか。
②VOLUMEがAカーブかBカーブか。
③コンデンサが0.033μFか0.022μFか。
回路図で描くと違いが分かりやすいです。
まぁどちらでもほぼ同じですけどね。
①はコンデンサが先の方が配線をシンプルに出来ますが音はどちらでも同じです。
②も抵抗値がストレートに上昇するか最初は緩やかに上昇するかの違いだけで音には関係ないです。
③は、TONEを絞った時に容量の大きい0.033μFの方が音が丸くなりますが、シングルコイルには0.047μF、ハムバッカーには0.022μFと相場が決まっているので、あえて0.033μFにする意味は無いでしょう。
まぁもし0.033μFにするとしたら、ピックアップがP-90の場合ですね。
P-90というピックアップは出力がハムバッカーとシングルコイルの中間ということで、POTも500kΩと250kΩの中間の300kΩにしてあり、それに合わせてコンデンサも0.022μFと0.047μFの中間の0.033μFにしてあるという理屈のようです。
P-90といえばレスポール・ゴールドトップですよね・・・
うーむ・・・
可変抵抗器(POT)は4つ全て交換します。
全部500K(A)です。
TONE用のコンデンサは最近マイブームになっているセラミックコンデンサを使います。
今回選んだのは昔のBOSSによく使われていたKCK製です。
はい。
さらっと配線します。
POTの「A500kΩ」の文字が見えるようにはんだ付けしたということと、ピックアップの交換を想定してピックアップのシールド線を他のGND線と分けてはんだ付けしたというあたりがミソです。
個人的には、トグルスイッチからの配線材とピックアップの配線材は元の色と長さが好みではないのですが、活用しながら最善を尽くしてます。
(交換前)
(交換後)
磨く前のノブ(左)と、磨いたノブ(右)。
あとは弦を張って、弦高、ネックの反り、オクターブ調整、ピックアップの高さなどを調整します。
弦は最近はずっとアーニーボールを使っていたのですが今回は懐かしのダダリオを使います。
普段チューニングする時は、目で合わせるチューナーよりも音で合わせる音叉の方が正確で早いので音叉を使ってますが、
オクターブ調整をする時は、12フレットの実音とハーモニクス音を同時には鳴らせないので、チューナーを使います。
なんと、あらかじめ駒を目見当で「だいたい合っているであろう基本の位置」にしておいたら、5弦の駒がちょっと前だっただけであとはすべてオクターブがバッチリ合ってました。
勘が冴えてますね(笑
先生、出来ました。
(整備前)
(整備後)
アンプをクリーンにしてGibsonと比べるとちょっとだけ5弦6弦あたりの低音が丸い音ですね。
でも、そもそもGibsonだけが他のギターよりも妙に硬い音なので、このBarclayのレスポールの音はわりと一般的な音だと思います。
個人的な好みでうちのレスポールの音に順位を付けると
1位、マツモク工業製Epiphone
2位、今回入手したBarclay
3位、うちのGibson
ということになりますが、人によって比べる尺度が違いますし、私も自分で好みが変わったりします(笑
ただ、それでもずーーーっとマツモク工業製のEpiphoneは音も弾き心地も今まで所有した20本くらい?の中でも常に1位です。
また、「Gibsonだけが妙に音が硬い」というのは、逆に言うと、もし最初にGibsonのレスポールでギターを始めてGibsonのレスポールの音が普通だと思って育っていたら、Gibson以外はどれも低音がモッサリしていて抜けが悪いと思う可能性があると、最近思うようになりました。
国産ギターや安物ギターにも良いものはある。と、本当に思いますが、
それと同時に、色々なギターを弾き比べているうちにやっぱりGibsonは良いなと思うことが多くなってきたのも事実です。
というわけで今回入手したBarclayのレスポールですが、かなり気に入っております。
Gibsonと交互に弾き比べていて、ふと気付いたら2時間くらい経ってました。
気に入らないギターだと5分もしないうちに飽きる私が2時間弾いていられるギターということです。
あらためて比べてみるとGibsonより低音が丸いのに加えて弦のテンションも弱いですが、その違いも楽しめるし弾き心地や感触などは安物によくあるチャチな感じが全くしません。
ちょっといいスーツは持ってるけど、それとは別に、古着屋で良いシャツを見つけて気に入って嬉しくなるような感じ?
うーむ。
(置き場が・・・)