こんばんは。ご覧頂きありがとうございます😊
本日も2022年のアーカイブというテーマで
想像力と発掘良品の発掘⑮
というシリーズで選んだ作品について総括してみたいと思います。
本シリーズを企画した理由は主に3つ。
ブログを書くというのは、自分の文章力や読解力が問われるという事でもあり、ある意味、リスキーな事でもあると考えています。
本ブログを書く際大切にしているのは、作品を貶めたりするような言動は極力さけ、ブログをご覧頂いた方が、ご紹介させて頂いた映画に興味を持って頂けるような内容にするという事。
私自身が映画を撮っている訳ではありませんので、ご紹介させて頂いた映画を応援する立場に立ってご紹介できればと考えております(ただし、いい加減な邦題については問題提起させて頂いております)。
そんな本ブログの主旨を守りながら別の方がセレクトした映画をご紹介させて頂くと、時より、自分の解説力の範疇を超えるような作品に出会う事もございます。
ですがそんな作品についても可能な限り作品内容を理解した上で、興味を持って頂けるようなブログを書くためには"その作品について調べる"という事と"自分の頭で作品を理解するカチラを養う"事が必要となると思います
そして、そんな難敵の映画と向き合っていくと、次第に自分の映画鑑賞の幅や、食わず嫌い的な嗜好や、理解不足による作品批判をしないようになってきた気がしています😊
発掘良品は、難敵の映画が多いシリーズなのですが、別の方の受け売りや、一方的な批判ではなく、最後の一作まで私の視点としての解説をお届けして参りたいと思っておりますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
本日は、本シリーズで選ばせて頂いた27作品のうち、21~27番目までの作品をご紹介させて頂きます。
㉑サルート・オブ・ザ・ジャガー(1989)
本作は1989年に公開された、荒廃した地球が舞台のデストピア映画!
1989年と言えば、1990年代という世紀末に突入する1年前ですので「マッドマックス2(1982年)」のような荒廃した世界を舞台にした作品が多く作られていた時代。
…という事は、本作も「マッドマックス2」のような暴力が支配する文明が崩壊した世界?
いいえ。
本作は一部の特権階級だけが豪奢な暮らしをしている中世封建社会のような世界!
もし一般人が特権階級の生活をしたいと望むなら、ジャガーと呼ばれるエクストリームなスポーツで勝者となり、特権階級のお抱え選手になるしかなかったのです…
「マッドマックス2」のような
力が正義の世紀末ではなく
権力者が力ある人間を支配している
現実社会に近い近未来なのです。
㉒キッスは殺しのサイン(1966)
本作は1969年に公開されたスパイ映画!!
60年代のスパイ映画の代表と言えば007シリーズですが、初期の007シリーズと言えば、彼に敵対する組織から派遣された女殺し屋たちのカッコよさも話題となりました😆
本作は、そんな007の流れを受け継いだような作品ですが、登場する女殺し屋の攻撃方法は007シリーズよりも過激で、ターゲットとなった男性たちは様々な方法で惨殺されてしまいます。
女性が本気になったら、男性よりも遥かに優れた諜報員になれるのです!!
こんな出会いを男は回避できる!?
キャビンアテンダントが暗殺者なら
男性たちは手も足も出ないかも…
㉔不時着(1964)
本作の邦題は「不時着」。
日本での公開時のキャッチコピーは「激突!ジェット旅客機の大惨事をめぐるサスペンス・ドラマ」と書いてありますので、飛行機が不時着した原因を巡る陰謀を描いたサスペンス・ドラマではないかと思われれるかもしれませんが、本作はサスペンスドラマというより「ビック・フィッシュ」のようなエンディングが待っている人間ドラマであり「ハドソン川の奇跡」のような、不時着を敢行した機長の過失を問う、責任論をテーマにした映画でもあるのです。
映画の冒頭、不時着に失敗して
多数の死傷者を出して死亡してしまった機長!
彼は無謀で不誠実なパイロットなのか?
「ビッグ・フィッシュ」のように
亡くなった方の過去を探ってゆく作品です。
㉕離愁(1973)
(原題:LE TRAIN)
本作は1972年に作られた、第二次世界大戦直前を舞台にしたフランスとイタリア合作の恋愛映画。
"愛"の国と言われているフランスとイタリアですが、彼等の考える"愛"とは私たち日本人の考える"愛"の定義と、かなり違ったものだと思われます。
本作は愛という感情の厄介な一面が描かれている作品!
戦火を避けるため、妻子と共にフランスから疎開する事にしたジュリアンは、妻と娘が乗った一等車とは別の貨車に乗せられてしまいますが、そんな中ジュリアンは、単身で貨物車に乗り込んでいたアンナという女性を心配し、別れ別れになってしまった妻子を探さずにアンナと行動を共にするようになってしまうのです。
…それって不倫では??
ですが、たった一人で貨物列車に乗り込んでいたアンナを気遣う感情は「悪」だと言いきれませんよね
そう。
愛とは、時に論理性や理性を超越して芽生えてしまう"制御不能な厄介な感情"でもあるのです!
妻子を愛した優しいジュリアンは
一人で困っていたアンナに対しても
愛しく思ってしまったのです…
㉖ナイト・ビジター(1970)
(原題:THE NIGHT VISITOR)
本作は1970年にイギリスで作られた地方を舞台にしたサスペンス映画!
地方を舞台にしたイギリスのサスペンス映画は、口数の少ない住人たちが残忍な殺人に手を染める陰惨なホラー映画との境界線があいまいなのものが多く、地味な印象を受ける方も少なくないと思いますが、逆に言えば、それがイギリス・サスペンスの魅力だと言えるのかもしれません😅
本作もホラー映画なのかサスペンス映画なのか判然としたない雰囲気のイギリス映画!!
映画の冒頭に登場するのは、雪の中、寂れたイギリスの荒野を下着姿で走る一人の男。
そんな下着男が、辿り着いた先の民家を物陰からこっそり物色している異様なシーンを観た時、観客はきっと、横溝正史のホラーともサスペンスともつかぬ作品群を観ているような感覚に陥るのではないかと思います…
民家に近づく異様な顔の下着男!
これはホラーか?それともサスペンスか?
横溝正史作品のような展開の作品です。
㉗さすらいの青春(1967)
本作は1967年に公開されたジャン=ガブリエル・アルビコッコ監督の作品。
ジャン=ガブリエル・アルビコッコ監督の父親は、写真家のキント・アルビコッコ(Quinto Albicocco)氏。
ちなみに本作で撮影監督も務められているキント・アルビコッコ氏の撮られた写真はこんな感じ!
本作は幻想的な映像を撮って来たルビコッコ父子の産み出した、めくるめく美しさが映像化された桃源郷のような世界が描かれた作品なのです😍
青年モーヌが森の中で遭遇したのは
おとぎの国のような結婚式!
ですが、結婚式には花嫁が到着せず
式は破談となり、翌日には
誰もいなくなってしまいました。
モーヌの見た結婚式は
本当にあった事だったのでしょうか?
㉘ビッグ・マグナム77(1976)
(原題:UNA MAGNUM SPECIAL PER TONY SAITTA)
本作は1970年代の混迷した世相が描かれたカナダを舞台にしたイタリア人監督によるクライム・アクション映画!
実の妹ルイーズが死亡したという連絡を受けた刑事のトニーは、ルイーズと親しい関係だったトレイサー医師の診断に不信を抱き、埋葬された妹の死体を掘り起こして再度検死をすると毒殺だった事が判明!!
という事は、ルイーズを殺したのはトレイサー医師?
妹の死の真実を探るために、関係者を一人一人追い詰めて尋問し始めたトニーは、自分が知らない妹の裏の顔を知る事になるのです…
本作は中島哲也監督の「渇き。」に似た作品。
者革命が起こった60~70年代までの世界では
「大人たちの常識を信じるな」という風潮が生まれ
若者たちが大人たちから距離を置き、
セックス、ドラッグ、ロックンロールなどに
傾倒していった時代でもあったのです…
という訳で次回は、3月にご紹介させて頂いた想像力と世界の写窓からでご紹介させて頂いた1~10作品をご紹介したいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
↑次回もよろしくお願いいたしま😄