こんばんは。ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日も想像力とおうちでグラインドハウスというテーマで

 

ドクター・モローの島

原題も邦題と同じ「THE ISLAND OF DR. MOREAU」(1979)
 

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

製作費$6,000,000のグラインドハウス系映画!

 

本作は、AIP(アメリカン・インターナショナル・ピクチャーズ)というグラインドハウス系映画会社が$6,000,000という巨費を投じ、原作H・G・ウェルズ&主演バート・ランカスターで挑んだメジャー級の超大作!!

 

 

日本でも公開当時、大々的に宣伝されたSF映画でしたが…

 

↑なんか恐ろし気な怪物の顔が並ぶ日本版のポスター!

 

 

本作を公開した2年後の1979年にAIPは他社に買収されてしまったのです…

 

 

さて、メジャー級の予算を費やしたグラインドハウス系SF映画とは、一体どんなものだったのでしょう?

 

↑虎と人間がガチンコで戦う(!!)本作の内容は!?

 

 

 

アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。

 

ある熱帯の孤島にくりひろげられる、マッド・サイエンティストの世界を描くSF。製作総指揮はサミュエル・Z・アーコフとサンディー・ハワード、製作はジョン・テンプル・スミスとスキップ・ステロフ、監督は「新猿の惑星」のドン・テイラー、脚本はジョン・ハーマン・シェイナーとアル・ラムラス、原作はH・G・ウェルズの「モロー博士の島」
…以下は、スタッフ&キャストの情報なので略させて頂きました。

 

グラインドハウス系映画の解説が塩対応のキネマ旬報さんらしい解説ですね汗

 

 

熱帯の孤島のマッド・サイエンティストとは、もちろんタイトル名にもあるドクター・モロー博士の事!

 

と言ってもモロー博士は、狂気じみたキャラではなく紳士的で理知的な雰囲気の人物。

 

↑南海の孤島でスーツ&ネクタイのドクター・モロー。

 

 

著名な博士だったモローの研究対象は遺伝子!

 

彼は、生物の卵子が細胞分裂の過程で別種の動物と同じ形になる事に着目し、細胞分裂を操作すれば、別種の動物の遺伝子的特徴を持つ生物を創生できると学会で訴えたために追放処分となった男だったのです!!

 

 

…つまり、ドクター・モローの島で行われている事とは汗汗

 

 

はい。

 

もうお気づきですね😅

 

 

ドクター・モローは野生動物を捕え、特殊な液体を注射する事で人間へと転生させる獣人化の実験を繰り返していたのです!!

 

↑クマだってDNA操作すれば人間になれるんだ!!

 

 

さて、ドクター・モローのDNA実験は一体どんな結果をもたらすのでしょうか?そして、遭難してそんなドクター・モローの島に漂着してしまったブラドックという青年には、どんな運命が待っていたのでしょうか?

 

それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。

 

↑太平洋上で遭難していたブラドックはモローの島へ!

 果たしてそれは、幸運な事だったのでしょうか…

 

 

 

グラインドハウスの真骨頂!

 

ここまでの解説でお分かり頂けるように、ドクター・モローは狂人というより、科学的探究心で人間を超える存在を生み出そうとしていたチャレンジャー。

 

ですので目指している事は、現代の遺伝子工学やAIの研究者たちと全く同じです😊

 

 

けれど、本作を観に来た観客が求めていたものは、ポスターからもお分かり頂けるように、人間と動物のDNAが混じった生物の姿だったのです!!

 

↑「ドクター・モローの島」の小説カバーはアンリ・ルソー風

 その黒い女性の姿が見たいんだ!!

 

↑この真ん中にいるヤツの姿が見たいんだ!!

 

 

そう。

 

 

これは、昔のカーニバルにあった見世物小屋の中を覗いてみたい心理と同じもの!!

 

 

 

ですので映画の中盤で、DNA改造された獣人たちが出尽くされた後、ストーリーは「猿の惑星」の後半と同じように、獣人は人間なのか獣なのかという境界線の問題へと移っていき、猿の惑星の類似作のようになってしまうのです(監督が同じ方なので仕方ない事ですが…)。

 

 

本作は、見世物小屋映画とも言うべきグラインドハウス系映画を沢山作ってきたAIP作品にも拘わらず、登場させた獣人を、どのように扱っていいか分からず、魅力を発信できなかったちょっと残念な作品。

 

 

もしグラインドハウス魂を忘れず、獣人たちが繁殖した島になったり(ジュラシックパーク!)、獣人と人間がピュアな恋に堕ちたり(シェイプ・オブ・ウォーター!)、獣人たちが特技を生かして楽土を建設したりすれば(ナイト・メア・ビフォア・クリスマス!)、本作は伝説になっていたような気がするのです…

 

DNAが改造されようと、動物が獣人化しようが、彼らを主役に据えて物語を描く事が可能なのがグラインドハウス系映画の真骨頂なのですから!

 

↑獣人たちに向かい人間のように振る舞えと叫ぶモロー!

 けれどそんな理想も、最後には崩壊してしまいます。

 だって彼らは人間ではなく獣人なのですから!!

 

 

 

 

という訳で次回は引き続き、ドンター・モローの島の後続作をフィーチャーして

 

襲撃!アヴィニョンの女たち

 

というテーマで

 

ドクター・ゴードンの島

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

合格おまけ合格

 

①怪物たちが作る王道楽土の映画に興味がある方へ…

ナイト・メア・ビフォア・クリスマス

 

 

②怪物と人間のピュアな恋愛映画に興味がある方へ…

シェイプ・オブ・ウォーター

 

 

③怪物と特性を愛でる映画に興味がある方へ…

モンスター・イン・パリ