こんばんは
ご覧頂きありがとうございます
\(^▽^)/
本日も
想像力と貴君の名は。
というテーマで
ロボット・カーニバル
という作品を
ご紹介させて頂ければと思います。
ここ数回、様々なジャンルのアニメが
日本で発展した要因について考察して参りました。
動画に近い表現が可能だった
日本画とアニメの関連性
親子で楽しめる
長期放映の定番アニメの存在
けれど日本において
アニメのバリエーションが増えたのには
もう一つ重要な要因が考えられるのです!
このシリーズで
本作品を選ばせて頂いた理由は3つ。
推薦理由①
自由な表現が可能な短編アニメで
最先端のプロアニメーターが
技巧を競った作品だから
本作は1987年に作られた
7つの作品によるオムニバス作品。
オリジナルビデオという
新しいメディアでの実験的な作品でしたが
この作品に参加したメンバーは
日本アニメの多様性と表現力を世界に知らしめる
当時トップクラスのアニメーターだったのです
\(^▽^)/
本作のコンセプトは
ロボットが登場する事のみ!
↑ロボットが出れば、テイストはどんなものでもOK!
こちらは「エルガイム」や
「機動戦士Zガンダム 」などの北爪宏幸氏による
ロボット・テーマパークを舞台にしたショートラブストーリー。
80年代っぽいドリーミーな雰囲気です!
ですので監督たちは
自分の好きなロボットのストーリーを
自由奔放に描いていきます。
いくつかのエピソードをご紹介すると…
オープニングとエンディングを飾るのは
カタストロフ大好き大友克洋氏!
廃墟となった地球で
制御不能となって動き続けている
ロボットのカーニバルが
生き残った人々に襲い掛かるという
↑人類がほぼ絶滅している世界で動き続ける
制御不能のロボット・カーニバル!
後にケンイシイのEXTRAという
ダークなPVアニメを監督し
世界的なPVアニメの第一人者となる森本 晃司氏は
機械だけのフランケンシュタインの誕生を
↑狂った博士と同じ動きをするロボ。
↑森本 晃司氏のダークな世界観は
後にケンイシイのPVにおいて結実します!
独特の色彩と細部にまで描き込まれた
リアルなタッチのアニメーションで
海外で熱狂的に受け入れられる梅津泰臣氏は
フランスのモノローグ系の映画のような
孤独な男のロボットへのアンビバレントな愛情を
↑繊細なフェティシズムを感じさせる梅氏のアニメは
日本人以上に海外で評価されています。
日本アニメの黎明期から活躍し
雲や空の形状を自在に描写できるマオラムド氏は
アート性の高いロボットと雲の世界を
↑様々な表現を思いきり詰め込んだ
マオラムド(大橋学)氏作品は、もはや芸術です!
後にAKIRAの作画を担当するなかむらたかし氏は
蠢くロボットたちの魔境となった新宿の
悪夢のロボット王国となっていきます…
さて、残りの作品は
一体どんなテイストなのでしょう?
それは是非、皆さん自身の目で
ご覧になって頂ければと思います。
↑明治維新直後を舞台にした
長屋の仲間たちで作ったお祭り用ロボ陸蒸気一号!
このロボットが登場する北久保弘之氏の作品が
今のライトなテイストのアニメに一番近い気がします
ヽ(=´▽`=)ノ
本作の話の長さは
それぞれが10分~20分程度。
本作の収録作品は
ほとんどにセリフがない
視覚と聴覚で楽しむイメージ作品たち。
そして日本においては、この作品のような
イメージでアニメを楽しむ土壌が
この作品のずっと以前から培われてきたのです。
↑日本は音と映像だけのショートフィルムを
違和感なく受け入れられる国。
その理由は、教育番組における
音楽ショートアニメが量産された事と
アニメのオープニングが
本編とは異なるアニメ表現の場として
アニメ黎明期より確立されていたからであると
考えられるのです。
↑アニメの黎明期より
歌や音楽にあわせたショートムービーは
作られ続けてきました。
「みんなのうた」などの教育番組で
曲のために作られたアニメは
様々な表現方法が許される自由な空気があり
視聴者側も、様々なタイプのアニメを
違和感なく受け入れ楽しんで育ちました。
↑しり上がり寿氏の
日本画的な手法で描かれたカエルが動く
トリップ系ヒップホップ(?)アニメ
「とのさまガエル」
これらのジャンルが確立していた事で
日本のアニメにおいては
かなり実験的な表現の作品がたくさん作られ
それらが結果的に
アニメを多様化を推し進めていったのだと思います。
↑「まどか☆マギカ」においては
2Dのアニメの中にコラージュアニメが!!
そんなコラージュアニメは
「みんなのうた」で多用されるアニメ表現です。
推薦理由②
ショートアニメは
新しい表現方法が許される
実験場所である
ロボット・カーニバルは
今は忘れられてしまったアニメ作品。
けれど、本作で提起された
新しいアニメ表現を
みんなで競い合って楽しむ環境は
現代のアニメの世界にも
常に新しい風を呼び込み続けています。
ショートアニメの世界とは
作り手の個性を
最大限に引き出す事が許される
プレゼンテーションの場
と、なっているのです!
推薦理由③
新しい表現なくして
次の時代は生まれてこない
↑本作はレンタルされていませんが
一つ一つのストーリーはYOUTUBEなどにアップされており
今も、世界中のクリエイターたちに
刺激を与え続けているのです!
と言う訳で次回は
古い映画のようなアニメ
というテーマで
マイマイ新子と千年の魔法
という映画を解説してみたいと思いますので
どうぞよろしくお願いいたします。
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
↑本作に限らず
アニメ映画の革新期である80代のアニメは
多くが廃版となって閲覧できません。
けれど、それは後続のアニメ業界の人々にとって
損失である事は間違いありません。
アニメ大国日本だからこそ
過去の全てのアニメを観る事がでる環境を整えるのも
クールジャパンなのではないでしょうか…
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↑レンタルはありませんが購入版は存在ます。
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↑なぜか海外版の方が安い…
こういう状況は改善して頂きたいですね。