Think clearly | 後藤組社長 後藤茂之のブログ

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ロルフ・ドベリ著「Think clearly」

 

スイスのベストセラー作家が、最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための52の思考法が紹介されています。

同じ現象でも、捉え方、考え方によって印象や感じ方が全く変わります。

ですので、こういう思考の枠組みを知っておくと、確かに人生にはプラスになると思います。

特に「心の引き算」はためになりました。

久しぶりに良い本に出会いました。

 

以下抜粋。

 

私たちが生きている世界を理解するためには、いろいろな思考法が詰まった「道具箱」があるといい。そして私たちの日々の暮らしにも、同じような思考の道具箱が必要なのだ。

 

先行きを完全に予測できる人はいない。最高の教養を身に付けている人でも、先が読めるのは、特定方向の数メートル先までだ。予測できる境界線の先を見たければその場にとどまるのではなく、前に進まなくてはならない。

つまり、「考える」だけではダメで、「行動」しなければならないのだ。

 

米軍の司令官で、後に大統領にもなったドワイト・アイゼンハワーはこんなことを言っている。「計画そのものに価値はない。計画し続けることに意味があるのだ」。

大事なのは「完璧な計画を立てること」ではなく、「状況に合わせて何度でも計画に変更を加えること」。

変更作業に終わりはない。どんな計画も、遅くとも自国の軍隊が敵とぶつかる頃には通用しなくなってしまうと、アイゼンハワーには分かっていたのだ。

 

伝説的な投資家のウォーレン・バフェットも「明らかに間違うよりは、おおむね正しいほうがいい」と言っている。

 

結論。良い人生は、究極の幸せを求めた結果として得られるものではない。馬鹿げたことや愚かな行為を避け、時代の風潮に流されなければ、人生はおのずとうまくいく。「何を手に入れたか」で人生の豊かさが決まるわけではない。「何を避けるか」が大事なのだ。

 

たとえあなたが、今の自分の運命に不満があったとしても、客観的に見れば、あなたは実は「途方もない幸運に恵まれている」という事実は頭に入れておいたほうがいい。

現代に生きている人間は、これまで地球上に存在した全人類のうちの「ほんの6%」に過ぎない。ホモサピエンスが世界に誕生して以降、過去30万年の間に生まれた全ての人間の中で、今の時代に生きているのはそのうちのたった6%だ。つまり、あなたが他の時代に生まれていた可能性は「94%」もあったと言うわけだ。

自分が、ローマ帝国の奴隷やエジプトの雑用係だったり、明の時代の後宮にいたりするところを想像してみて欲しい。そんな境遇に生まれついていたとしたら、あなたの生まれ持った能力はどのくらい活かせていただろうか?

 

フォーカシング・イリュージョンとは「特定の事について集中して考えているあいだはそれが人生の重要な要素のように思えても、実際にはあなたが思うほど重要な事でも何でもない」という錯覚を表す言葉だと。

つまり、人生における「特定の要素」だけに意識を集中させると、その業者が人生に与える影響を大きく見積もりすぎてしまう。

 

人間は、自分の「能力の輪」の内側にあるものはとてもよく理解できる。だが「輪の外側」にあるものは理解できない、あるいは理解できたとしてもほんの一部だ。

バフェットは人生のモットーとして「自分の『能力の輪』を知り、その中にとどまること。輪の大きさはさほど大事じゃない。大事なのは、輪の境界がどこにあるかをしっかり見極めることだ」と述べている。

 

アメリカの研究チームが行った、こんな調査がある。17歳と18歳の学生に「経済的な成功をどのくらい重視するか」と質問し、「(a)重要ではない」「(b)少しは重要」「(c)非常に重要」「(d)経済的な成功は不可欠」の4つから選んでもらう。

そして数十年後に、その学生たちが実際に得ている「収入」と人生に対する「幸福度」を調べたのだ。

その結果、確認できた事実がふたつあった。

ひとつ目は、若い頃に経済的な成功を重視していた人の方が、数十年後の所得額が多いこと。つまり、目標の有効性が裏付けられたのだ! 心理学者だけはこの結果に驚いた。彼らは、人間はパブロフの犬みたいに外からの刺激にしか反応しないと思いこんでいたからだ。

ふたつ目の事実は、社会に出たら高収入を稼ごうと若い頃に目標を立て、のちにその目標を達成した人は、人生に対する満足度も非常に高かったことだ。

 

だが、彼らの「幸福度の高さ」は「所得の高さ」によるものではないのだ。というのも、経済的な成功を人生の目標にしていなかった人たちの場合には、所得の高さは人生の幸福度にほとんど影響を与えていなかった。

つまり、人が幸せを感じるかどうかは所得の額によって決まるのではなく、目標を達成できたかどうかで決まるのである。人生の目標がお金以外の場合でも、同じような傾向が確認されている。

 

結論。目標は役に立つ。目標は大事だ。

 

「瞬間」とはどのくらいの長さを指すのだろう? 心理学者たちは、それは「約3秒間」だという。それが、私たちが「現在」と感じる長さらしい。

つまり、私たちが「いま」体験していると感じるのは、約3秒の間に起きた出来事ということになる。それ以上のスパンで起きる事は、いくつもの「瞬間」の連続として体験する。

そう考えていくと、睡眠時間を差し引くと、私たちは1日あたり約2万の「瞬間」を体験し、平均寿命まで生きたとすると、一生のうちには約3億の「瞬間」を体験することになる。

 

何かを体験したとき、主に私たちの記憶に残るのは、その出来事の一番印象深い「ピーク」部分と、その「終わり」だけなのだ。それ以外のことは、ほぼ記憶に残らない。

 

結論。私たちの中にある「自分像」は間違っている。

実際の私たちは、私たちが考えているより、多面的で、複雑で、矛盾の多い存在だ。誰かがあなたを「間違って」評価しても驚いてはいけない。あなただって、自分を正しく評価できていないのだ。

 

嫉妬は、身体的な障害や経済的な破滅より、もっと人生の満足度を低下させる。

だからこそ、嫉妬をコントロールする能力は人生には不可欠であり、そのコツを身につけられれば良い人生を手に入れるための基本的な条件を満たしたことになる。だが、嫉妬の感情は進化のプログラムに組み込まれてしまっているため、それを押さえ込むのは簡単ではない。

 

Facebookが「気の合うもの同士が、互いを比較し合う仕組み」になっていることを考えれば、当然の結果かもしれない。ここは妬みの温床になってしまっている。だから、ソーシャルメディアからは、大きく距離をおいた方がいい。

 

「賢明さ」とは、もっと実際的な能力なのだ。人生の舵を取る技術とでもいおうか。それはまた、人生で起こる困難のほとんどは解決するより避けたほうが早いと気づくこと。賢明さの定義とはつまり、困難に対して予防的措置を施すことなのである。

 

結論。賢明さとは、「予防的措置」をほどこすことだ。予防のための措置はそこからは目につかないため、残念ながらあなたは賢明さをひけらかすことはできない。だが、自慢が良い人生のためにはならないことを、あなたも既にご存じのはずである。

 

「心の引き算」は脳に非常に大きな興奮を与えるため、慣れるということはない。人生で起きた素晴らしい出来事についてただ考えるより、「心の引き算」のほうが幸福度を上げる効果がはるかに高い。

 

ストア派の哲学者たちは、すでに2000年も前にこう述べている。「まだ持っていないものについて考えるよりも、今持っているものを持てていなかった場合、どのくらい困っていたかについて考えた方がいい」。

 

「自分の幸せを自覚するために、できる事はしたほうがいい。ピアノを弾いているのに、その音が聞こえない状態を想像してみるといい。人生で手にしている多くの幸せに気づかずにいるのは、音を聞かずにピアノを弾いているようなものだ」。だが「心の引き算」をすれば、あなたはピアノの音も思う存分楽しめるようになるはずである。

 

「自分を重要視しすぎない」のは、良い人生を手にするための基本中の基本だ。それどころか「自分を重要視する具合が低ければ低いほど、人生の質は向上する」と言う、逆の相関関係まで成立する。